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180 JTの意見に反論・論破する形で兵庫県にパブコメ送付
2011/11/20(日)00:08 - smokefree - 10341 hit(s)

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以下を兵庫県にパブコメ意見・提案として送りました。 子どもに無煙環境を推進協議会


JTの理不尽な要求を撥ねつけ、県民・国民を例外なく「受動喫煙の危害から守る」条例の制定に期待しています。

JTの「兵庫県「受動喫煙防止条例(仮称)骨子案」に関する意見」
http://www.jti.co.jp/corporate/enterprise/tobacco/responsibilities/opinion/hyougo_committee/20111117.pdf

に反論・論破する形でパブコメ意見・提案をお送りします。
兵庫県「受動喫煙防止条例(仮称)」が県民・国民を真に受動喫煙の危害から守る内容となるよう期待しております。
(以下、JTの主張を > JT:『 』で引用し、 →反論a@で当方の反論を述べます)

(1)
> JT:『JT は、今般の骨子案において、「受動喫煙防止条例(仮称)(以下、「条例」という。)」の基本理念が、意図しない受動喫煙の防止やそれを可能にする環境整備の促進にあることや、喫煙行為そのものは規制対象としないこと等が明らかにされたことは、非常に重要であると認識しております。』

→反論1
受動喫煙の危害からの防止は、例外のない「全面禁煙」以外にその完全な防止方法はありません。その大原則を踏まえるべきことを、先ずもって認識すべきです。
FCTC-COP2ガイドラインでも以下のように規定されています。

WHOたばこ規制枠組条約第8条の実施のためのガイドライン 「たばこ煙にさらされることからの保護」(2007.7)
http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/dl/fctc8_guideline.pdf (厚生労働省ホームページ掲載)
「たばこ煙にさらされることからの保護の基礎となる原則および関連する定義の記述
原則1
WHO枠組条約で言及するとおり、たばこ煙にさらされることから保護するための効果的な対策としては、100%の無煙環境を作り出すため、特定の空間または環境から喫煙とたばこ煙を完全に排除しなければならない。たばこ煙にさらされることについては安全なレベルというものはなく、二次喫煙の煙の毒性についての閾値などの概念は、科学的証拠と矛盾するため受け入れられない。換気、空気濾過、喫煙指定区域の使用(専用の換気装置の有無にかかわらず)など、100%の無煙環境以外のアプローチには効果がないことが繰り返し示されている。また、技術工学的アプローチではたばこ煙にさらされることから保護できない、という科学的あるいはその他の決定的な証拠が存在する。
原則2
たばこ煙にさらされることから全ての人が保護されるべきである。屋内の職場および屋内の公共の場はすべて禁煙とすべきである。」

(2)
> JT:『また、官公庁等を除く幅広い施設で分煙を認めている点、飲食店・カラオケボックス等の個室や旅館・ホテルの宴会場等の貸切により利用される空間を規制の対象外としている点、客席面積が75 u以下の飲食店等には喫煙ポリシー表示を分煙措置として認めるとの小規模事業者への現実的な配慮がなされている点等は、この基本理念に沿った対策の推進のために必要な要素として、骨子案に盛り込まれたものと理解しております。』

→反論2
 後記の反論5に一部重複しますが、兵庫県の検討委員会報告(県民調査結果)でも、「兵庫県民は、食堂・レストランについて、非喫煙者で93.9%、喫煙者でも77.2%が実効のある喫煙規制実施に賛成であり、非喫煙者では55.0%が全面禁煙を望んでいます。また、旅館・ホテルについて、ロビー・食堂などの共用部分について、非喫煙者で95.6%、喫煙者でも86.1%が実効のある喫煙規制実施に賛成であり、非喫煙者では60.3%が全面禁煙を望んでいます。客室については、非喫煙者で95.2%、喫煙者でも81.7%が実効のある喫煙規制に賛成であり、非喫煙者では46.8%が全室禁煙を望んでいます。」
 これらの県民(非喫煙者だけでなく喫煙者も含め)の意識を尊重する限り、例外なき受動喫煙の危害防止がなされるべきであって、『官公庁等を除く幅広い施設で分煙を認めている点、飲食店・カラオケボックス等の個室や旅館・ホテルの宴会場等の貸切により利用される空間を規制の対象外としている点、客席面積が75 u以下の飲食店等には喫煙ポリシー表示を分煙措置として認める』骨子案では、到底に危害防止はなされません。事業者には等しく危害防止の責務があるし客の安全配慮義務からしても、条例により、「例外なき受動喫煙の危害防止、例外なき全面禁煙」を義務付けるべきです(経過措置として「猶予」措置があるとしても)。
 それを上記のように、JTがこれまでの介入の成果とでも言いたげな僭越な発言をするのは、県民・国民の健康を受動喫煙の危害にさらしても構わないとの表明で、社会的責任を有する企業倫理から逸脱しており、許されることではありません。

(3)
> JT:『1. 受動喫煙防止措置として、全面禁煙しか認めていない点について
 骨子案では、受動喫煙防止措置として、全面禁煙しか認めていませんが、意図しない受動喫煙の防止やそれを可能にする環境整備の促進という条例の基本理念は、適切な分煙や喫煙ポリシー表示等によっても十分実現可能です。
 受動喫煙防止措置を、禁煙だけではなく、分煙・時間分煙、喫煙ポリシー表示を含む概念として定義されるべきであると考えております。』

→反論3
反論1で述べたとおりですが、重ねて言いますが『受動喫煙防止措置』に『分煙・時間分煙、喫煙ポリシー表示を含む概念として定義されるべきである』ことはあり得ないことで、経過措置として「猶予」措置がありうることとしても、原則的に「例外なき全面禁煙」でしか『受動喫煙防止措置』は実現しません。

(4)
> JT:『2. 分煙を認めない施設がある点について
 骨子案では、病院や官公庁等の施設においては、分煙(喫煙室の設置)を認めていません。
 しかしながら、上述のとおり、適切な分煙によっても受動喫煙の防止は可能であることからすれば、原則、全ての施設において喫煙室の設置を認めるべきです。これにより、受動喫煙の防止という条例の基本理念との一貫性が示され、県民等の本条例への理解もより促進されるものと思われます。』

→反論4
「喫煙室」からタバコの煙は漏れざるを得ませんし、「喫煙室」設置そのものに多額の費用がかかるだけでなく、その維持にも経費と電力エネルギー等が必要とされることから節電・省エネルギーの社会的要請に反することになります。また勤務中に喫煙所に行くなどは仕事モラルからも許されないことをどう考えているのでしょうか。『原則、全ての施設において喫煙室の設置を認めるべき』とは僭越なだけでなく、良き企業倫理が求められるはずの一部上場株式会社として余りにアンモラルです。

(5)
> JT:『3. 施設の種類や面積規模のみをもって、選択可能な分煙方法を区分している点について
 骨子案では、客席面積が75 u以下の飲食店等には、物理的な分煙が困難である等の理由により、時間分煙および喫煙ポリシー表示措置を認めているものと理解していますが、ある施設において物理的な分煙をしたくてもできない理由としては、面積以外にも、資金・客層・施設の構造等、様々な側面が考えられます。
 これら側面にも配慮して、時間分煙やポリシー表示を幅広く認めることにより、より多くの事業者が条例を速やかに実施することが可能になると思われます。』

→反論5
 前記の反論2に一部重複しますが、兵庫県の検討委員会報告(県民調査結果)でも、「兵庫県民は、食堂・レストランについて、非喫煙者で93.9%、喫煙者でも77.2%が実効のある喫煙規制実施に賛成であり、非喫煙者では55.0%が全面禁煙を望んでいます。また、旅館・ホテルについて、ロビー・食堂などの共用部分について、非喫煙者で95.6%、喫煙者でも86.1%が実効のある喫煙規制実施に賛成であり、非喫煙者では60.3%が全面禁煙を望んでいます。客室については、非喫煙者で95.2%、喫煙者でも81.7%が実効のある喫煙規制に賛成であり、非喫煙者では46.8%が全室禁煙を望んでいます。」
 これらの県民(非喫煙者だけでなく喫煙者も含め)の意識を尊重する限り、例外なき受動喫煙の危害防止がなされるべきであって、『物理的な分煙…時間分煙および喫煙ポリシー表示措置を認めている』骨子案では、到底に危害防止はなされません。事業者には等しく危害防止の責務があるし客の安全配慮義務からしても、条例により、「例外なき受動喫煙の危害防止」を義務付けるべきです。
 それをJTが僭越かつ居丈高に妨害発言を繰り返すことは県民・国民の健康を受動喫煙の危害にさらす行為で、企業モラルからしても犯罪的とも言えることで到底に許されることではありません。

 飲食店や宿泊施設業界の一部が、今回の受動喫煙の危害防止措置に反対している理由は、「禁煙」施策により売り上げが落ちる、ことにあるようですが、条例により一斉に実施すれば(網をかぶせれば)、売り上げが落ちることはなくて、家族連れが増えるなどで反って増えることが、諸外国の例でも報告されています。従って『物理的な分煙…時間分煙および喫煙ポリシー表示措置』など複雑な措置は無用で、経過措置として「猶予」措置がありうることとしても、原則的に「例外なき全面禁煙」を貫くべきです。

 非喫煙者が公共的な場で受動喫煙により健康を害することは本来的にあってはならないことです。それを条例として制度化し社会的ルールとするのが今回の条例制定であるはずです。非喫煙者にはアレルギーや化学物質過敏症の人、乳児や幼児、妊産婦、子ども、病気をかかえる(あるいは受動喫煙で病気になる人)など弱者の人たちが少なくありませんし、そもそも受動喫煙の無い環境を希望する人は、どのような調査でも8〜9割に達しています。健康は何にも増して優先させるべきで、業界の目先の短絡的な利益や喫煙行為が優先されるような条例制定に行政が荷担することは、万一にもあってはならないことです。条例制定により、これらの人たちが例外なく受動喫煙から守られるべきことの基本理念が本条例に格調高く謳われることを期待しています。

(6)
> JT:『4. 分煙措置を「当分の間」しか認めていない点について
 骨子案は、幅広い施設において分煙措置を認めているものの、「当分の間」との限定を付していますが、このような限定は、分煙したいと考え、十分な資金を有している事業者でさえも、分煙のための設備投資を躊躇させるものであり、結果として受動喫煙防止対策の進捗の妨げとなると思われます。
 分煙措置を限定的に認めるのではなく、明確に受動喫煙防止対策として位置付けることで、事業者が積極的に分煙に投資することも可能になり、条例の基本理念を早期に実現し得ることになると思われます。』

→反論6
『分煙』が受動喫煙の危害防止にならないことは既に何度も指摘しましたが、『分煙のための設備投資を躊躇させるものであり、結果として受動喫煙防止対策の進捗の妨げとなる』とは、「抜本的な受動喫煙の危害防止」を妨げ、その既成事実化・永続化を図ろうという意図が見え見えのエゴ的主張です。このような『分煙のための設備投資』をしても『受動喫煙防止対策の進捗』には全くならないどころか、多額の経費を空費して、「客に受動喫煙の危害を与え続ける結果になる」のですから、上記のようにJTが主張することは、「経費の空費への加担」、及び「客に受動喫煙の危害を与え続ける結果」への加担になる訳で、JTはその責任をお取りになれるのでしょうか。タバコの製造販売という自社の利益追求の余りに、自らの社会的責任を放擲した発言・行為と言わざるを得ません。

(7)
> JT:『5. 従業員のみが出入りする区域や、プライベートな空間、および屋外を規制対象とする点について
 病院や官公庁等の施設における従業員のみが出入りする区域や、プライベートな空間である旅館・ホテルの客室、および受動喫煙による深刻な健康影響(肺がん等)に関する科学的なエビデンスが存在しない屋外空間を規制の対象とすることは、県民や事業者等の受動喫煙に関する理解に混乱を生じさせる虞があります。
 条例の基本理念に鑑みれば、これらは規制の対象外とするのが適当であると思われます。
 今後、受動喫煙防止対策をより一層推進していくためには、県民・事業者や市町の協力が不可欠です。県におかれましては、以上述べた点を含め、十分に県民や事業者等の意見を聴取され、全ての関係者が理解・納得し、一体となって取組を進めていけるよう、慎重な検討をお願いいたします。』

→反論7
従業員については、本来的に今回の「受動喫煙防止条例」に含まれるべきもので、等しく従業員も含め受動喫煙の危害から守られるべきもので、対象外にする理由は全くありません。『プライベートな空間である旅館・ホテルの客室』も残留・付着するタバコ煙の受動喫煙の危害と言えるものです。また屋外空間であっても人の集まる空間(今回の骨子案に盛り込まれた施設)である限り、受動喫煙の危害はある訳で、『科学的なエビデンスが存在しない』ことは全くありません。

(1)で引用紹介したガイドライン 「たばこ煙にさらされることからの保護」では、以下のように規定しています。 
「効果的な法律の範囲  原則 
本条約の規定では、すべての「屋内の」公共の場だけではなく、「適切」な場合には、「他の」(すなわち屋外または半屋外の)公共の場においても保護対策を講じることを義務付けている。法律が該当するところでは、このような屋外または半屋外の公共の場を特定する際に、締約国は様々な状況で起こりうる健康被害についての証拠を検討し、危険が存在することが証拠によって明らかな場所では必ず、たばこの煙にさらされることから最も効果的に保護する方法を取るよう行動しなければならない。」

FCTC-COP2ガイドラインを全否定し、県民・国民の健康を「受動喫煙の危害から守ろうとする」条例に、あれこれと悉(ことごと)くに反対し妨害し続けるJTの有様は、日本社会を貶(おとし)め、企業の社会的責任に余りに悖(もと)ると言えるのではないでしょうか? 兵庫県はこのような反社会的で自社の利益追求の余りに県民・国民及び世を惑わす企業(JT)の理不尽な言い分に全く耳を傾けるべきではありませんし、その必要もありません。

(8)
> JT:『JT は、たばこを吸われる方と吸われない方の協調ある共存社会の実現に向け、受動喫煙防止対策の推進として、希望される事業者の方々に分煙コンサルティングを実施する等、幅広い方々に知見や情報の提供を行なっております。
 県に対しましても、条例および運用規則を制定する場面、あるいは実際の運用における場面において、分煙コンサルティング等により蓄積した知見等を提供し、県と県民および事業者等が一体となった取組みとなるよう協力を行ってまいりたいと考えております。』

→反論8
『協調ある共存社会の実現に向け』は上記までに述べたように、JTが「県民・国民の健康を「受動喫煙の危害から守ろうとする条例」」にあれこれ反対し妨害し続ける以上、また「受動喫煙の危害」が喫煙行為による非喫煙者への一方的危害関係にある以上、『協調ある共存』は存在するものではなく、「非喫煙者に受動喫煙の危害を及ぼさない社会の実現に向け」こそが基本的スタンスとして不可欠です。
 JTが「受動喫煙の危害を及ぼす」タバコ商品を製造販売し製造物責任を負う企業として、その社会的責務を果たすためには、上記のような『知見や情報の提供、協力』などでは全くなくて、県民・国民に「受動喫煙の危害」を及ぼさないよう、「例外なき全面禁煙」を原則とした抜本的な「受動喫煙防止条例」の制定に全面的に協力し、反対施設があればその施設・関係業界等を全力で説得すること以外にはあり得ません。
 兵庫県は、県民と県内に通勤・通学し来訪する国民と外国の方々の健康のために、JTの理不尽な要求をきっぱりと撥ねつけ、上記こそをJTに強く求めるべきです。どうぞよろしくお願いいたします。

※以下もご覧ください。 http://notobacco.jp/jyoho/jyoho.cgi?log=&v=179&e=msg&lp=179&st=0


〔ツリー構成〕

【179】 兵庫県「受動喫煙防止条例骨子案」のパブコメ 2011/11/11(金)20:44 smokefree (3789)
┣【180】 JTの意見に反論・論破する形で兵庫県にパブコメ送付 2011/11/20(日)00:08 smokefree (12311)
┣【181】 兵庫県医師会のパブコメ意見 2011/12/2(金)20:04 smokefree (304)
┣【182】 日本禁煙学会の兵庫県「受動喫煙防止条例骨子案」のパブコメ意見 2011/12/4(日)13:30 smokefree (330)
┣【203】 兵庫県の受動喫煙防止条例成立 全国2例目(2012/3/19) 2013/1/7(月)17:16 smokefree (1713)

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