368 大阪府『「屋外分煙所」整備の基本的考え方』のとりまとめ への意見・コメント |
大阪府『「屋外分煙所」整備の基本的考え方』のとりまとめについて 2019年9月9日
http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=35681
「屋外分煙所」整備の基本的考え方
http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/attach/hodo-35681_4.pdf
へ意見・コメントを送りました。 子どもに無煙環境を推進協議会
吸える場所をわざわざ屋外に作るべきではない
1.「屋外分煙所」はヘンな言い回しです。「屋外喫煙所」と明確に表現すべきです。
文中の、分煙所の整備等 もヘンです。
※「屋外分煙所」とは 上記趣旨に基づき、屋外に整備する分煙施設のことをいいます。
⇒
分煙とは言えないので、あやふやとせず、屋外喫煙所 と明記すべきです。
2.2ページに
【たばこ事業者】
・たばこを吸う人、吸わない人の双方を考慮した空間造り、双方が共存できる社会の実現に向けて、「分煙」の支援に取り組まれている事例がある。
⇒
これはタバコ事業者が勝手に言っているだけで、「双方を考慮」「双方が共存できる」は、喫煙者側の勝手な言い分で、一方的に危害を受ける側の非喫煙者は思いもしない表現で、
府側がこのような表現を引用したり、列挙したりすべきではありません。
3.【民間企業等】
・たばこ販売を行う事業者が、街の美化や顧客サービス向上、販売促進の観点から店頭に消火用灰皿を設置するなどの対策を講じている事例がある(コンビニ等)。
⇒
これは全くの事実誤認です。対策などでは全く無い。
コンビニ等が店頭に灰皿を置いているのは、基本的にはコンビニでタバコを買う喫煙者のためのものです。しかもJTなどから寄贈を受けているとしても、
コンビニ側が置いているものです。そしてこのコンビニ店頭の灰皿のために、子ども・学童・妊婦を含め、どんなに多くの非喫煙者が危害を受けていることか。
この撤去要請が、コンビニ各店や会社に無数の声が寄せられています。
本会は以下の申し入れを何回もし、また呼びかけもしているところです。
http://www.jstc.or.jp/uploads/uploads/files/essay/conbini2019722.pdf
https://notobacco.jp/pslaw/conveniencechirashi1908muen.html
4.7ページに (例)公園緑地 とありますが、公園は例示すべきではありません。(10ページも)
兵庫県や広島県受動喫煙防止条例では、子どもらも遊ぶ公園は禁煙が規定されているし、
市の条例でもそのような規定があります(四條畷市など https://www.city.shijonawate.lg.jp/site/kosodate/10896.html )。
公園 を例示するなど、あってはならない論外なことです。
5.屋外喫煙所をどうしても作るのであれば、(喫煙者が減ってゆき、禁煙が遠からず定着していくまでの)一時的な経過措置として位置づけるべきです。
改正健康増進法は施行の5年後に見直しされ、府条例は公布の3年後です。
喫煙が許される環境は、その間に急速に変わっていくことでしょう。
6.厚労省の通知によれば
「喫煙場所を施設の出入口から極力離すなど、必要な措置が講じられるよう、」
とされ、これは「喫煙所を通路などから極力離すなど、必要な措置が講じられるよう、」
とも理解されるべきであり
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/tobacco/dl/renraku-100730.pdf
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/tobacco/dl/renraku-130227.pdf
また
改正健康増進法 第二十五条の三(喫煙をする際の配慮義務等)
(1)何人も、喫煙をする際、望まない受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならない。
(2)多数の者が利用する施設を管理する者は、喫煙をすることができる場所を定めようとするときは、望まない受動喫煙を生じさせることがない場所とするよう配慮しなければならない。
これらのことからも、『「屋外分煙所」整備の基本的考え方』では、「屋外喫煙所」から流れて来る受動喫煙から、
通行人や周りの非喫煙者の健康が守られる基本設計とは、とても思えません。
7.3ページの
「多数の人々が行き交う「飲食店などが密集する繁華街」、「鉄道駅舎」周辺を整備場所の対象とする。」
など、改正健康増進法や大阪府受動喫煙防止条例で、受動喫煙の危害を防止するという基本理念を逸脱し、
子どもや学童、妊婦を含め、多くの非喫煙者の健康が守られない環境がそこかしこに出現することが強く懸念されざるを得ない。
8.大きな問題の一つが、喫煙所が、人が通行するのと同じ高さの地面にあることのように思われます。
どうしても喫煙所を設けなければならないケースがあるのであれば、
煙は上へと流れて行くので、周りにビルなど構造物がない場所では、
2〜3階建ての上部に喫煙所を設けるのを基本仕様とすれば、危害の及ぶ範囲は、多少は改善されることかも、、
(天に向かってタバコ煙が行くように、上方に扇風機を設置することを含め)
9.そして、喫煙所の内外の壁に、喫煙と受動喫煙の害のポスター、禁煙外来の紹介ポスター
などの掲示を義務付けることを必須とすべきかと。
10.「「原則屋内禁煙」が進むことにより、施設周辺においては路上等での喫煙が増加する懸念があることから、…「屋外分煙所」の整備促進を図り、」
とのことですが、
ホントに「施設周辺においては路上等での喫煙が増加する懸念がある」は正しいでしょうか?
(1)確かに大阪府庁が敷地内禁煙となって、周辺の大阪城公園や路上で、喫煙する府職員が喫煙場所に集まって…
などが報道されたことはありましたが、それも一時的なことだったようでした。
(2)7月1日から、第一種施設の施設内・敷地内禁煙で、職員や外来者が、周辺のあちこちで喫煙しトラブルが発生しているとの報道は殆ど無いかと思います。
(「熊本県警は、7月の改正健康増進法の一部施行に伴い施設内全面禁煙にした運転免許センターに、喫煙所を暫定的に再設置すると発表した。芝生へのポイ捨てや敷地外での喫煙が相次いだためで、県警は「火災発生や周辺の景観悪化が懸念され、やむを得ない判断だ」と説明している。」が例外的なようで)
(3)第二種施設の裁判所は大半が敷地内禁煙を7/1より実施しましたが、特にトラブルは無いと聞いています。
(4)病院なども多くが敷地内禁煙としてきて、患者の一部が路上などで喫煙することはあっても、敢えて「喫煙所」を作るに至ったケースは無いのではないでしょうか?
(5)要は「禁煙」となれば、大多数の人は守っている訳で、「路上等での喫煙が増加する懸念」ってホントにあるでしょうか?
たとえ一時的にそういうケースがあったとしても、やがて減っていくのではないでしょうか?
(6)喫煙者の大半は、吸える場所があるから吸う訳で、そんな場所がなければ皆控えるし、やがて禁煙に至る人も少なくありません。
吸えないなら吸えないなりに、皆は守るものです。飛行機でも、電車でも、病院でも、劇場でも、、
わざわざ「屋外喫煙所」を作ることは、喫煙者を減らしていくという、がん対策推進目標や、成人の喫煙率の減少目標(2022年までに12%)を妨げることになります。
吸える場所を無くしてあげることが、結果的に喫煙者の禁煙を促がし、助け、健康のためになります。
改正健康増進法の制定目的は、そのことも視野に入れていたはずです。
(7)例えば、ナンバの高島屋前に、巨大な難波喫煙所(60平方m、灰皿10)がオープンスペースにあり、終日タバコ煙を周りに振りまき続けています。
(大阪市内に既に屋外喫煙所が6か所あり、近々+2か所)
このように周りに危害を及ぼし、喫煙者に喫煙を続けさせることになる屋外喫煙所が果たしてホントに必要と言えるのでしょうか?
健康づくりの原点から、再考すべきではないでしょうか?
(8)府内20〜30カ所を想定、とのことですが、
喫煙者が、わざわざそれを探して吸いに行くことはあり得ないし、近場の喫煙者が吸いに寄るだけでしょうが、
そのために、わざわざ多額の費用をかけ(メンテナンス費用も含め)、必要性がそもそもあるものかどうか?
単に「数少ないですが一応喫煙場所を用意しました」のポーズでしかないのではないでしょうか?
(9)そのような企画に、大阪府が音頭を取って、自治体や施設管理者、商店街、鉄道や駅、民間などに呼びかけていくことがホントに良いのかどうか?
疑問を持たざるを得ません。
※今一度立ち止まって、そもそも必要なのかどうか、の基本部分から見直し、検討が必要ではないでしょうか?
11.2019/9/10に公表された
愛知県「蒲郡市受動喫煙防止条例(仮称)の考え方について」のパブリックコメント募集結果を公表します
http://www.city.gamagori.lg.jp/site/hokencenter/judoukitsuennpuburikkukomenntobosyuukekkanokouhyou.html
の市の回答の中で、http://www.city.gamagori.lg.jp/uploaded/attachment/60788.pdf
7ページ目に
寄せられた意見の概要
キ 敷地内禁煙や屋内禁煙を厳しくすることで敷地外でのポイ捨てによる環境美化の悪化と火災が懸念される。
本市の考え方
…本条例が規定する屋外喫煙場所を設けないこととする施設は、既に敷地内禁煙となっている施設が多いのですが、吸殻が多数であったり、ポイ捨てにより迷惑を感じている施設はありません。
近年では、喫煙マナーが相当程度普及しており、喫煙所がないことを理由にところかまわず喫煙しポイ捨てが急増することは考えておりませんが、喫煙者へのマナーについて再度周知してまいります。
とのことです。
従って、上記でも申し上げたように、
「「原則屋内禁煙」が進むことにより、施設周辺においては路上等での喫煙が増加する懸念があることから、…「屋外分煙所」の整備促進を図り、」
の「施設周辺においては路上等での喫煙が増加する懸念がある」
は、実態なり事実に基づいたエビデンスがあるものでは必ずしもなく、架空の思い込み、ではないでしょうか?
何のエビデンスもなく、架空的な推測で、自治体や施設管理者、商店街、鉄道や駅、民間などに呼びかけていく壮大なプロジェクトを大阪府が進めるのは、とても危ないし、多額の費用とマンパワーの空費とならないでしょうか?
〔ツリー構成〕
【368】 大阪府『「屋外分煙所」整備の基本的考え方』のとりまとめ への意見・コメント 2019/9/9(月)23:22 tobaccofree (4011) |
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