「体中、◯◯◯いやって言ってるよ」 日時 1998年2月18日(水) 2校時 児童 稚内市立稚内東小学校5年3組 男子15名 女子14名 計29名 授業者 船木 優
@ たばこの有害性について理解する。 ・ けむり中の有害物質(ニコチン、タール、一酸化炭素など) ・ 本人への健康影響 ・ 他の人(周囲、胎児)への健康影響 A 行動に影響を及ぼす要因について理解する。 ・ 周囲の人(親、友人など)の影響 ・ 宣伝の影響 ・ ニコチンの依存症 B 健康で明るい生活を送るために、害のあるタバコは吸わないほうがいいことがわかる。
授業の流れ ▼ めあて /2分
▼ 紙芝居 /20分 *紙芝居「体中、タバコいやって言ってるよ」 15場面 文絵:橘内兼広(福島県双葉町、養護学校教諭) 第9回「子供に無煙環境を!」コンクール紙芝居部門優秀作品 制作:「子どもに無煙環境を」推進協議会
▼ 予想をたてながら理解を深める /15分 <1−ニコチンの依存症について> 問題1 タバコを吸う人で、やめたいと思いながら吸っている人の割合はどれくらいだと 思いますか? ア、10% イ、30% ウ、50% エ、70% 問題2 タバコが悪いとわかっていいても、なかなかやめられない主な理由は? ア、タバコを吸う人は意志が弱いから イ、タバコは依存性(中毒性)があるから。 ウ、タバコの害をよく知らないから。 問題3 タバコはやめようとしたら、すぐやめられるものか。それともやめられないものか。 たとえば、一度禁煙して1年以内に再びタバコを吸う人は何%ぐらいいるのだろうか? ア、約20% イ、約50% ウ、約80%
<2−本人への健康影響について> 問題4 地球で一年間にタバコが原因で死んでいると推定される人の数は? ア、 5万人 イ、 10万人 ウ、 50万人 エ、 100万人 オ、 300万人 問題5 タバコのせいで死ぬ日本人は、1年間に約何人ぐらいだろうか? ア、 1000人 イ、 5000人 ウ、 10000人( 1万人) エ、 50000人( 5万人) オ、 100000人(10万人)
<3−周囲への健康影響について> 問題6 まわりの人のタバコのけむりは、実際に有害なのだろうか。 たとえば、タバコを吸う人と一緒に暮らすと肺がんによる死亡率はどうなるのだろうか? ア、変わらない イ、約1.5倍になる ウ、約5倍になる 問題7 主流煙(タバコの吸い口から吸い込まれるけむり)と、 副流煙(火のついた先から立ち上るけむり)では、どちらが有害物質を多く 含んでいると思いますか? またそれは何倍多いと思いますか? (1) ア、主流煙の方が多い イ、副流煙の方が多い (2) ・ニコチンは、 ( )倍多い。 ・タールは、 ( )倍多い。 ・一酸化炭素は、( )倍多い。 ・アンモニアは、 ( )倍多い。
<4−喫煙開始の影響について> 問題8 タバコを吸い始めるきっかけとなるもは、次のうちどれ? ア、まわりの人が吸っているのを見て イ、テレビの宣伝や雑誌の広告を見て ウ、人からすすめられて エ、自動販売機で売っているのを見て オ、ア〜オすべて 問題9 親が吸うと子どもも吸いやすくなるということはあるのだろか。 ア、確かに子どもも吸いやすくなる イ、逆に子どもは吸わなくなる ウ、親の喫煙と子どもの喫煙は無関係である 問題10 テレビやラジオによるCMを禁止している国は、世界に何カ国あると思いますか? ア、 35カ国 イ、 55カ国 ウ、 75カ国 エ、 95カ国 オ、 105カ国 世界でタバコのテレビCMを認めているのは、日本とフィリピンぐらい。 タバコ会社は広告の中で、タバコを「かっこいいもの」と印象づけようとしている。 「ライト感覚」や「軽さ」を強調しているのは、女性や若者に照準を当てているから。 問題11 未成年者でもタバコが買える自動販売機は日本全国で何台くらいあると思いますか? ア、 500台 イ、 5000台 ウ、 50000台( 5万台) エ、 500000台(50万台) イタリアをはじめアイスランドやアメリカの多くの州・ソウルでも 自動販売機は全面禁止。 問題12 次のタバコの箱の警告文の中で、日本のものはどれ? ア、「喫煙は肺がん、心臓病、肺気腫の原因であり、妊娠に影響を与える おそれがあります。」 イ、「若い喫煙者でも呼吸器系統の病的変化が起こることがあります。」 ウ、「タバコの煙は大気を汚染し健康の害となる。」 エ、「喫煙はあなたを殺すかもしれない。」 オ、「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに 注意しましょう。」 問題13 日本人でタバコを吸う人の割合は、男55.1%、女13.1%(1996年)ですが、 アメリカではどうでしょう? ア、男女とも約60%だと思う。 イ、男は約60%、女は約25%だと思う。 ウ、男女とも約25%だと思う。 エ、その他
研究問題: タバコをすすめられた場合どのように対応しますか。 ・ その場の雰囲気に合わせて対応する? ・ はっきりと「いらない」と答え、科学的事実をもとに話そうとする? ・ 無視して、さらにすすめるならば、力に訴える? 喫煙者は、自分の喫煙にたいして少し不安をもっているので、仲間を増やそうとすることが多い。 そのやり方は、次の3つのパターンにわけられる。 パターン1:はっきりとタバコをすすめたりしないが、それとなく仲間にはいってほしいような そぶりをする。(間接法) パターン2:「キミもタバコ吸わないか?」というように、直接タバコすすめる。(直接法) パターン3:タバコを吸わない人に、「いくじなし!」とか、「仲間じゃない。」などの 非難を行う。(攻撃法) これに対して、タバコを吸わないという自分の意志を通そうとするなら、次のようにするのがよい 第1段階:はっきりと意思表示する。 例「いらないわ」、「ぼくタバコを吸わないんだ」 第2段階:必要なら理由を言う。 例「健康に悪いから」、「自分の運動能力を大事にしたいから」 第3段階:さらに必要なら、科学的根拠を示す。 例 「タバコを吸うと、持久走の能力が約100%も落ちるんだよ」
▼ まとめ / 3分 将来ある体、元気で明るく生きていってほしい。限りない可能性に挑戦するためには 健康が何よりの基礎となる。これから体も心も大きく成長するあなたがたは、 害のあるタバコは絶対に吸わないでほしい。 CMをみたら「かっこいい習慣」のような印象を受けるけど、 欧米では「過去のカッコ悪い習慣」となってきている。 吸う、吸わないは本人の選択だが、日本ではそれを決める上でのフェアな情報が与えられていない。 健康にどんな大きな害があるのかが十分知らされていない。 TV新聞雑誌は広告収入が減るので、タバコ被害関連の情報を伝えない。 美化する広告であふれている。 (SMAP全員が日常タバコを吸っているシーンがTV放映された…。) あなたがタバコを吸えば、自分やまわりの健康が害されるだけでなく、 喫煙という文化が次の世代にも伝わっていく。伝えない努力をしてみませんか。
▼ 感想を書く /5分 〇 引用文献 監修:大島 明 著:中村正和、高橋浩之 『たばこを吸い始めないために…スモークバスター』 ぱすてる書房、1994年
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