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1)元気君は5才。
名前のとおり“元気”いっぱいの男の子。 |
2) ある日、元気君はパパが口にくわえているものを不思議に思いながら、じっとみつめていました。 それに気づいたパパが、「元気、何を見ているんだ?」と聞くと、元気くんは、パパのくわえているものを指さしました。 「パパ、何をくわえているの。ドーナツみたいなけむり、おいしい?」 とききました。パパは、
「これはね、タバコといって大人が吸うものなんだよ。」
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3) 「ふ〜ん」 元気君は「子どもは吸っちゃいけないの?」ときこうとしたらママに 「元気、はやくねなさい。明日、保育園におくれるわよ」 と言われ、 「はーい。パパ、ママ、おやすみなさーい。」 と言ってしぶしぶ部屋を出ていきました。 次の朝、元気君は、友達のるいちゃんと仲良く保育園に行き、門の所でママと別れました。 「ママ、バイバーイ」
昨日のタバコのことなどすっかり忘れていました。
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4) 部屋の中で元気君はみんなと遊んでいました。そのとき、るいちゃんが 「るいのパパねー。タバコっていうのを吸ってたんだよ。元気君のとこのパパは、タバコ吸う?」
「うん。でも、タバコって子どもは吸っちゃいけないのかなあー。」と元気君。するとるいちゃんは、「うん。るいもね、そう思ってね、パパにきいたの。そしたら、絶対子どもは吸っちゃいけないんだってー。」「どうして?」「大人だけあんなにおいしそうにすえるなんてずるいや!!」
と元気君、るいちゃんは不満そう。
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5) 「それじゃ、先生にきいてみよ!」 「うん!!」
元気君とるいちゃんは、先生のところに行って、さっきのことを聞きました。
「あのね先生、どうして大人はタバコを吸ってもいいのに子どもは吸っちゃいけないの?」
すると先生は、
「それはね…」 |
6) 先生が話そうとしたら、元気君の友達の健君と康君がやってきて、
「先生たち、なにを話してるの。ぼくたちも仲間にいれてよ。」といってきたので、先生は、みんなにもはなしてあげようと思い、 「みんなそこにすわって。いまからタバコについてお話しをします」
といいました。
「あのね。タバコっていうのはね。とてもからだに悪いの。タバコを吸うとガンという、こわい病気になったり、歯や指が黄色くなったりするの。それに地球全体で一年間で三百万人もの人が、タバコが原因で死んでしまうといわれているのよ。」
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7) 「それに吸っている人だけではなくて、近くにいる人も、のどが痛くなったり、いろんな病気になりやすいのよ。みんなもタバコを吸ってる人の近くにいって、目がチカチカしたり、気持ちが悪くなったりしたことあるでしょう。」 「それじゃあ先生、パパも病気になっちゃうの?」 「私達も病気になるの?」 「そうねぇ。すいすぎると病気になるかもね」 先生が言いました。 「えー!それじゃパパにすわないようにいわなくっちゃ!」と、元気君。
するとるいちゃんも、 |
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8) 「あのね、るい思ったんだけど、タバコを吸う人に、ダメだよってポスターにかいて 町中にはったらどうなるかな?」 といいました。 「そうね。それじゃみんなでポスターかいて、タバコを吸う人にやめるようによびかけましょう。」 と先生がいうと、みんなは「はーい!!」と元気な声でへんじをし、ポスターを書きはじめました。 「ねー。健くん、みずいろとってー」 「まおちゃん、あかのクレヨンちょーだい」 みんなは、クレヨンのとりあいなどで、部屋の中は大さわぎ。そんな中、元気君は、いっしょうけんめいポスターをかきました。 『タバコは×ペケ』と… |
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9) 「さあみんなおやつの時間よ。おかたずけしましょう。」
元気君は、おやつをたべながら、はやくポスターをはりたいと思いました。 「さあ、みんなきちんとならんで」 先生がそういうと元気君はまっさきにならびました。 みんなは、仲良く手をつないでいき、いろんな場所にポスターをはりました。
元気君は、タバコを吸う人がへるといいなあと思いました。ポスターをはりおわったみんなの顔は、とてもうれしそうでした。 |
10) 家に帰った元気君は、タバコを吸っていたパパを見て、 「タバコを吸っちゃダメだよ。パパもママもボクも病気になっちゃうんだよ!」 と言いました。それを聞いたパパは少しこまった顔で、「はい、はい、わかりました」 としょんぼりしながら火を消しました。元気君は、これでみんな病気にならなくてすむと思って、とてもうれしい気持ちになりました。
みなさんの近くにタバコを吸っている人はいませんか? いたら元気君みたいに注意してあげてください。
タバコは×ペケってね。 |
おわり |