本会は,2003年2月17-28日にジュネーブで開催される第6回(最終)政府間
交渉会議を前に,以下の要請書を日本政府に提出しました。
英文(pdf)
平成15年1月16日
WHO-FCTC(たばこ対策枠組条約)日本政府代表団 御中
特定非営利活動法人「子どもに無煙環境を」推進協議会
WHO-FCTCでの厳しい国際条約策定のお願い
謹啓,本会は,国民の健康をタバコの害から守るための意見・提案を,2000年10月のWHO-
FCTC公聴会で発表し,政府代表団にもお届けしましたが,来月,WHO-FCTCの政府間交渉会
議がジュネーブで開催されるにあたり,特に以下の点について,日本政府として強く主張
し,国際条約に盛り込んでいただけますよう,お力をお願い申しあげます。
記
わが国の「未成年者喫煙禁止法」と同様の未成年者喫煙禁止を,各国でも法制定する
ように条約に盛り込み,未成年者への違法販売には厳罰を課するようにしてください。
未成年者がタバコを自由に買うことのできる「自動販売機」は,わが国では「未成年
者喫煙禁止法」に違反していて,タバコ業界は年齢識別機能付きの自動販売機の導入
でこの違法性を切り抜けようとしていますが,未成年者がタバコを自由に買える自動
販売機の早期の撤去・禁止を進める条約にしてください。
未成年者喫煙防止と,喫煙率の大幅な低下のために,タバコ税の大幅な段階的増税を
盛り込み,その増税収入分を,喫煙対策費(特に未成年の),及びタバコ耕作や小売
販売の転業支援などの対策費に充てるようにしてください。
タバコの健康警告表示について,タバコの害(能動及び受動喫煙の害)の真実を伝え
る,国際的に共通の厳しい表示としてください。(「たばこには依存性があります」
「たばこは肺ガンなどガンのリスクを高めます」「たばこは心臓病や脳血管障害のリ
スクを高めます」「妊婦の喫煙は低体重児出産のリスクを高めるので喫煙はやめまし
ょう」など,イラスト入りで)
ライトやマイルド等の銘柄名は,喫煙者だけでなく非喫煙者に,タバコの主要成分で
あるニコチンやタールが少なく,健康に害が少ないとの錯覚と誤解を与える表現とな
っていて,「不当表示」にあたりますので,この銘柄名を使うことを禁止するように
してください。
(銘柄タバコ葉のこれらの含量は,ライトやマイルド以外のものとそう大差はありま
せん。フィルター部分にピンホールをあけ,薄めることによって表示含量を低くして
いるに過ぎません。従って,タバコの先から立ち昇る副流煙中のニコチンやタール量
は,ライトやマイルド銘柄は,喫煙者の喫煙本数が増える分だけ,受動喫煙濃度はよ
り高くなっています。)
メディアやイベントでのタバコ広告の禁止,及びタバコ会社のイベントスポンサーの
禁止を国際条約に盛り込んでください。
国民の健康を受動喫煙から守るために,受動喫煙の防止を義務づける法律の制定を,
各国で足並みを揃えて進める条約文としてください。国際的にも人の行き来が増えて
いるのですから,そのような内容の法律を各国で作る条約内容が是非必要です。
タバコ産業の完全民営化を進め,かつタバコに関する所管を,国民の健康を所管する
省に移管する条約文にしてください。
敬 具