本会は以下の要望を提出しました。厚生省メールアドレスは→ www-admin@mhw.go.jp
                 
(送る時は,件名に「健康日本21」と必ず記載)       
  

                                                      平成12年2月21日

厚生大臣  丹羽 雄哉 様

         全国禁煙・分煙推進協議会   会長 市来英雄
         たばこれす   代表  福田守男
          特定非営利活動法人「子どもに無煙環境を」推進協議会
             〒540-0004 大阪市中央区玉造1-21-1-702

「健康日本21」のたばこ対策の半減削除の抗議と
 半減復活のお願い

 謹啓,2月17日の健康日本21企画検討会で,「健康日本21」のメインな柱であった喫

煙率と消費量の半減目標が削除されたことについて,この経緯は余りに密室的であり,この

ことを含め,強く抗議し,半減復活をお願いします。理由等は以下の通りです。

1.報道を読む限り,当初のたばこ半減目標に対し,たばこ栽培・製造・販売の利益業界の

  意向を受けて,自由民主党政務調査会のたばこ・塩産業特別委員会,葉たばこ価格検討

  小委員会,総合農政調査会,農林部会が,連名で反対決議を厚生大臣あてに提出し,こ

  れら関係議員が,「原案のままでは『健康日本21』全体に自民党が反対し,閣議など

  で了解が得られないぞ。そうする『健康日本21』の予算や事業がストップしかねない

  ぞ。」と強く迫ったことがうかがえます。このため厚生省上層部は半減目標の削除へ方

  向転換を決め,委員の個別根回しを行った,ということがうかがい知れます。

2.省庁が新たに再編され,新たに迎える新世紀の初年の「健康日本21」が,このような

  たばこの販売拡大の利益のみを代弁する議員の理不尽な圧力に押されて,全面後退する

  ことは,国民の健康づくりに責務を持つ国及び厚生省として,余りに期待と信頼を裏切

  る姿勢ではないでしょうか。

3.昨年8月に原案が発表された時,これについての意見公募や公聴会があり,当初,この

  意見については公表・公開する旨の案内がありました。私たちは当然公表され,これら

  を参考に,半減するための具体策が論議され,計画案が進められるものと理解していま

  した。しかし,寄せられた意見は結局公表・公開されず,たばこの販売拡大の利益のみ

  を声高に叫ぶ側のみの意見を容れる形で,計画策定検討会と企画検討会を厚生省は押し

  切りました(たばこ対策案を立案した委員達の削除反対を数で押し切って)。

   どのような意見が寄せられたのか,国民は全く知らされないまま,そして委員も納得

  しないまま,水面下の動きで半減削除が決められたことは,不可解,不明朗というほか

  ありません。

4.たばこの販売拡大の利益業界やこれを代弁する自民党政調4会の意見を含め,早くに公

  表がされるべきでした。そうすれば国民世論が,どちらの言い分に理があるかを論議出

  来得たはずです。今回の半減削除のマスコミ報道は,「健康日本の名が泣く」などのよ

  うに,いずれも厚生省の動きに批判的です。半減削除を支持する記事は一つとしてあり

  ません。ということは,早くに意見を公表しておれば,自民党政調4会に関係する議員

  の動きは世論に押されて身動き出来なかったはずです。なぜ,公表すると案内されてい

  たのに公表されなかったのか,納得がいきません。この責任は重大です。

5.「未成年の喫煙をなくす」について,成人の喫煙を半減するという目標の中でこそ,未

  成年の喫煙はなくせるのです。その意味でも,半減削除は誤っています。

6.たばこ事業は,長い目で見れば斜陽産業です。今回のような横やりがまかり通れば,た

  ばこ事業が国民の支援を得て徐々に転業していく道を自ら閉ざすことになります。国民

  の健康づくりが後退させられれば,国民大多数の反感をかってしまい,たばこ栽培・製

  造・販売業界にとっても損になることです。今回のマスコミの論調を世論の背景とし,

  半減計画を再度盛り込むことを,強く強くお願い申し上げます。
                                    敬 具