「健康日本21地方計画」に意見を提出
昨年国から出された「健康日本21計画」を受けて,都道府県と市による各地の「健康地方21計画」の策定が出そろいつつあります。問題はその方策にあります。国の10年計画でも,喫煙率半減をスローガンに、「たばこの害の知識普及」「未成年の喫煙をなくす」「分煙の徹底」「禁煙希望者への支援」の4点が柱とされていますが,喫煙率半減や未成年の喫煙をなくす方策は全くふれられていません。
大阪府や大阪市などの計画でも同様です。本会は,これらの計画に対して,いくつかの意見を出しましたが,以下は大阪府の計画に対して出した意見の概要です。
健康大阪21(案)の「たばこ対策」についての意見
(2)歩きたばこの健康被害防止には「歩きタバコ禁止条例」が必要です。市町村と連携して,歩きタバコの禁止条例の制定を進めてください。
(3)非喫煙者を守るためには「非喫煙者健康保護条例」などが必要です。本来国が定めるべき法律ではあっても,都道府県レベルで条例を作って,未成年・妊婦を含む非喫煙者を守り,また喫煙者の禁煙支援を進めるために,このような実効性のある条例制定をセットにしたたばこ対策の推進を具体策に盛り込むことが不可欠です。
(4)禁煙支援の最も効率的な方策は,吸えない環境を整備することです。その環境が整備されてこそ,禁煙支援プログラムは実効性の上がるものとなり得ます。上記法的・条例対策なしの目標設定では実現は困難と思います。
U.大阪府関係機関の禁煙・分煙対策推進の率先垂範が必要不可欠です。
(1)大阪府関係機関(府の庁舎,出先機関)の禁煙・分煙対策は,余りに不十分で,非喫煙者の健康が守られているとはとうてい言えない現状です。新庁舎建設を待つことなく,早急な抜本的対策が必要ではないではないでしょうか。(2)大阪府の関係機関は,未だに(数年来)禁煙タイムによる分煙とのことですが,禁煙タイムは無意味です。対策導入における一時的な(精々数カ月の)手段に過ぎず,未だに禁煙タイム方式を取って,非喫煙の職員の健康が守られるはずがありません。
(3)たばこ対策はお金はそんなにはいらないのです。健康づくりの中で,最も費用効果の高いものです。関係機関の禁煙・分煙対策など,微々たる費用で実現できるものです。取りあえず喫煙場所を分離し,たれ壁と換気扇を設ければ,それだけでも十分に効果的です。要は非喫煙の職員なり外来府民の健康を守る気構えがどれだけあるか,につきます。
(4)自らの関係機関すら不十分な対策のままに放置し,こんな微々たることも実行できないでいる大阪府行政の姿勢で,果たして健康大阪21のたばこ対策を推進しうるのか,危惧を抱かざるを得ません。大阪府には1999年に策定された「大阪府たばこ対策行動計画」があるのに,その存在はほとんど周知されていないし,対策が進んでいるとは言えないのですから,計画倒れになる心配はないのでしょうか。
(5)東京都や愛知県は,既に関係機関のたばこ対策を進めつつあります。国際都市を標榜する大阪府が,こんな有様で,本当に大阪府民の健康づくりを10年で進めうるとは信じられないことです。