大阪市長選挙について,この度本会は,以下の公開質問を送付し,両候補から回答が届
きましたので,以下に紹介します。
本会はこの問題について,当選後の市長に再度対策要請を行っていきたいと考えています。
1999.11.20

1999.11.7送付

 大阪市長候補  磯村 隆文 様
 大阪市長候補  井上 賢二 様

                                                                             たばこれす

 「歩きタバコ等,公共の場における喫煙制限」に関する
   公開質問への御協力のお願い

 謹啓,大阪市長選挙への立候補に敬意を表します。
立候補されるにあたり,標記の件について公開質問をさせていただきたく,ご協力をお願
い申し上げます。
 ポイ捨て防止条例が1995年11月より施行されていますが,罰則規定がないに等しい
(違反者の氏名公表を定めているが実行例なし)本条例は,市の調査でも,特にタバコの
ポイ捨てはあとを絶たず,「啓発だけでは効果を望めない」(環境事業局,資料同封),と
報じられていますので,今回は特に,歩きタバコを中心に,質問させていただきます。
 ご回答は,ご多忙の折に恐縮ですが,11月20日までにいただければ幸いです。回答結
果は,マスコミ,及び本会会員に知らせる他,本会のインターネット・ホームページ(http:
//www.nttl-net.ne.jp/smokefree/tobaccoless.html)で紹介させていただきます。

 「たばこれす」は「非喫煙者がタバコの煙に煩わされない社会と人間関係の確立」をめざ
して活動を行っている市民団体(1982年6月設立)で(資料同封),前回の市長選挙のとき
にも全般的なタバコ対策の公開質問をさせていただき,ご回答をいただきました。

 末筆ながら,選挙でのご健闘を祈念申し上げ,当選後におかれましては,この問題を含
め,みんなが住みやすい大阪市のためにご尽力いただけますようお願い申し上げます。

                                               敬 具

「歩きタバコ等,公共の場における喫煙制限」に関する
 公開質問への回答結果集計 
               99.11.20

問の内容 磯村隆文
候補
井上賢二
候補


 
路上における歩きタバコは,傷害・服焦げや防災上,危険であるとお考えですか。
その他@
 

 はい
 


 
歩きタバコの煙は,周りの歩行者に健康上有害で迷惑であるとお考えですか。
その他@
 

 はい
 

大阪市は,歩きタバコの人に携帯灰皿を配っていますが,ポイ捨てをなくす行政施策上,有効な方法であるとお考えですか。
はい
 

 いいえ
 


 
この携帯灰皿の配布には,年間1000万円余(人件費は別に6700万円)を大阪市はかけていますが,この携帯灰皿の配布は,税金の無駄使いとお考えですか。
いいえ

 

 はい

 


 
携帯灰皿の配布は,一面で,歩きタバコを助長しているとお考えですか。
いいえ
 

 はい
 

歩きタバコを制限すれば,ポイ捨てに大きな比重を占めるタバコのポイ捨て防止に,効果が上がるとお考えですか。

その他@

 はい



 
ポイ捨て防止だけでなく,危険防止や周りへの健康迷惑のために,歩きタバコを制限する条例制定(あるいはポイ捨て防止条例を衣替えする)が必要だとお考えですか。

その他@

 はい

大阪市ポイ捨て防止条例は環境事業局が所管していますが,ポイ捨て防止だけでなく,防災対策や,健康対策面から歩きタバコの制限を盛り込むために,消防局や環境保健局等も共同所管する総合的な条例制定が必要とお考えですか。


その他@


 はい

オリンピック誘致等の国際都市化に当たり,路上を含め,公共の場における喫煙制限が必要だとお考えですか。

その他@

 その他A
10 大阪府は,今年5月に,「大阪府たばこ対策行動計画」を策定しました(資料別添)。大阪市でも,同様の計画を策定することが必要だとお考えですか。

その他@

 はい

自由回答,及びコメント・意見

磯村候補→問1,2,6〜10の
           その他(自由回答)@
井上候補→問9のその他(自由回答)A
    及びコメント・意見

 喫煙が喫煙者の健康に悪影響を及ぼすのみならず,副流煙などにより家族や周りにいる非喫煙者の健康にも影響を及ぼすことは,今日広く知られており,改めて言うまでもありません。
 しかしながら,喫煙は個人の嗜好や本人の自覚に負うところが多大であり,健康の問題から条例等により一律に規制することは困難であると考えております。
 このため,大阪市では,地域の健康づくりの拠点である保健所が中心となり,地域へ出向いての健康教育など様々な機会をとらえて,家族そろっての禁煙を呼びかけるとともに,生活習慣病にも大きな影響を及ぼす喫煙について,助言・指導を行っております。
 今後さらに,市民の健康を守る立場から,禁煙に向けた個別指導の充実はじめ,関連団体との連携も図りながら,喫煙が及ぼす影響について,積極的に啓発活動を推進してまいりたいと考えております。
 あわせて,市民の快適な生活環境を確保し,国際都市にふさわしい美しいまちづくりを推進するために,空き缶等の投げ捨て及び自動車の放棄の防止について必要な事項を定めた「ポイ捨て防止条例」を制定しています。また,ポイ捨て防止の効果を上げるためには,市民啓発の推進と同時に,灰皿の設置や形態灰皿の配布なども有効であると考えています。
 この条例の趣旨を徹底し,美しいまちづくりを促進するために,大阪市一斉清掃「OSAKAクリーンピック99」を開催し,数多くの市民の皆さんの参加をいただくなど,今後とも,より一層市民啓発に努め,市民のまちの美化意識の高揚を図っていく必要があると考えています。
 また,火災が発生した場合,直ちに人命,財産に危険を及ぼす場所を対象に火災予防条例に基づき,劇場・映画館などでは喫煙を制限していますが,多数の国民に喫煙という習慣があることから,すべての場所において喫煙を禁止あるいは制限することは現実的ではなく,今後,状況の推移を見極めつつ検討されるべきではないかと考えます。

 都市や街が,その住民や滞在者にとって,安全で快適であるためには,公共の場における喫煙の制限が必要です。ただし,オリンピック誘致をすることと,大阪市の国際都市化は別の次元のことと思われます。

【以上に関連して,コメントやご意見などございましたら…】

 大阪市が保健所を24箇所から1箇所にへらそうとしていますが,市民の健康を守るためには,現在の各区の保健所を存続・充実させることが必要です。
 とりわけ,市民の健康をたばこの害から守るためには,防煙対策,分煙対策,禁煙サポートが必要です。保健所は,禁煙希望者をサポートする役割や,指導者の育成など,重要な役割をもっております。この点でも保健所機能の充実が求められます。