平成10年(1998年)9月16日
日本航空 御中
全日本空輸 御中
日本アジア航空 御中
たばこれす
全国禁煙・分煙推進協議会
航空機全席禁煙のお礼とお願い
謹啓,9月9〜10日にビッグニュースが飛び込んで来ました。国内線に続き,御社国際
線を来春より全席禁煙にしていただけるとのこと,欣喜雀躍しております。長年にわたり,
「喫煙者に一方的に我慢を押しつけられ」,タバコの煙に苦しめられてきた,赤ちゃん・
子どもを含め国民の4分の3以上を占める非喫煙者(年間利用者約8000万人)にとっ
て,また御社搭乗員にとっても,やっと意に反した煙苦から救われる日が間近になったこ
と,これに優る喜びはありません。どうぞこの禁煙措置(コクピットも含め)を徹底し,
共同運行便も早期に全席禁煙とし,各地の国際・国内空港内を含め,乗客が煙に煩わされ
ることなく快適で素敵な空の旅ができるようお願いいたします。
またこの禁煙措置は,タバコをできれば止めたいと思っている大部分の喫煙者にとって
も禁煙支援になる絶好の機会です。飛行時間中タバコが吸えない状態が続いてみて初めて
喫煙者も「タバコはなくってもどうってことない」と気付くまたとない機会になります。
長い目で見て,禁煙を促し健康づくりに寄与し喫煙者からも家族からも感謝される措置で
もあります。
しかるに,新聞報道では,JTは「喫煙者への一方的な我慢の押しつけ。再考をお願い
したい」とこれにクレームをつけ,全席禁煙の中止を御社に要請するようです。またエー
ルフランスは,喫煙ブースを設ける旨の報道もされています。
しかし航空機は,言うまでもなく,他の交通機関と違い,大変気密性が高く,換気回数
が低く,かつ喫煙席と禁煙席を分離しても仕切りがないので煙は拡散還流し,分煙の実効
をあげることが不可能なことは,日本航空がJTの協力でエアカーテンを喫煙席と禁煙席
の間に設置すること等で区域を区切ることを試行する,と1995年春に報道されたものの,
結局はこの方法による分煙の実効性がなかったことからも明らかです。
JTなどタバコ産業の理不尽な要請をはねつけ,どうぞ近郊電車内の全面禁煙が常識と
なっていると同様,航空機内の全席禁煙が当然となるよう,御社のなお一層のご尽力をお
願い申し上げます。
敬 具
平成10年(1998年)9月16日