平成13年(2001年)7月10日

 公正取引委員会 委員長 様
 財務省 財務大臣 様
 財務省 財政制度等審議会 たばこ事業部会 御中

            特定非営利活動法人 子どもに無煙環境を推進協議会
            たばこれす

ライト,マイルドの銘柄名の禁止等のお願い

 謹啓,本会は,「子どもに無煙環境を」の啓発事業や,非喫煙者が受動喫煙により
健康を害されない社会づくりを進めているNPO団体です。

 EUやカナダで,またWHOでも,ライトやマイルドの銘柄名を禁止する動きが広が
っています。この理由は,この表示が消費者(喫煙者)だけでなく,非喫煙者にも,い
かにも害が少ないかのよう錯覚させ,虚偽(不当表示)にあたるからです。

 これらの銘柄はニコチンやタール量が少ないことをうたっていますが,これら銘柄の
タバコ葉のこれら含量は,ライトやマイルド以外のものとそう大差はありません。フィ
ルター部分にピンホールをあけ,主流煙を薄めることによって,表示含量を低くしてい
るに過ぎません(表示含量は一定の方法で3cm吸った場合の主流煙中の量と決められて
いるため)。ライトやマイルドは,このピンホールを多くしているだけの場合が多いの
です。

 従って,タバコの先から立ち昇る副流煙中のニコチンやタール量は,ライトやマイル
ド銘柄は全く変わらない以上に,喫煙者の本数が増える分だけ,受動喫煙はよりひどく
なっています。

              

1.ライトやマイルドの銘柄名は,喫煙者だけでなく非喫煙者に,タバコ
  の主要成分であるニコチンやタールが少なく,健康に害が少ないとの
  錯覚と誤解を与える表現となっていて,「不当表示」にあたりますの
  で,この銘柄名を使うことを禁止してください。

2.副流煙中のニコチン,タール,一酸化炭素,及び他の有害成分の含量
  の表示を義務づけてください。

3.これらに併せ,「たばこには依存性があります」「たばこは肺ガンの
  リスクを高めます」「たばこは心臓病や脳血管障害のリスクを高めま
  す」「妊婦の喫煙は低体重児出産のリスクを高めるので喫煙はやめま
  しょう」などの正しい健康警告表示を義務づけてください

4.この健康警告表示の所管権限は,国民の健康づくりを所管する厚生労
  働省に移管してください。

5.併せて,未成年者が自由にたばこを入手できる「たばこ自動販売機」は,
  「未成年者喫煙禁止法」に抵触していますので,禁止してください。

                           
  敬 具