平成13年(2001年)7月30日

 内閣府 未成年者喫煙対策主管部 御中
 警察庁長官 様
 青少年育成国民会議 御中

                 たばこれす
                 特定非営利活動法人 子どもに無煙環境を推進協議会

JT,及び販売組合の未成年喫煙防止広告の
連名中止の要請

 謹啓,未成年の喫煙増加が憂慮される中にあって,今年7月8日の新聞などに,内閣府,警察庁,
青少年育成国民会議,及び全国たばこ販売協同組合連合会,日本たばこ産業(株)の5者連名で,「未
成年者の,喫煙を,防ごう,止めさせましょう。」という広告が掲載されました。

 今回は何故か財務省の名前は入っていませんが,例年,上記5機関と大蔵省(現財務省)は連名で,
「11月は全国青少年健全育成強化月間−ハタチまで,たばこはぜったい吸わせない。」などの内容の
ポスターを毎年制作し,新聞・雑誌・テレビ等で広告する他,タバコ自販機やタバコ販売店に貼って
いました。本会は1999年5月に,この連名中止を要請しましたが,容れられませんでした。

 今回,財務省が連名を見送ったことでもあり,また何よりも,未成年者が自由にタバコを買える自動
販売機を放置しながら,「未成年者の喫煙を防ごう,止めさせましょう」と言うのは,ブラックジョークに
もならないことなので,今後このような連名を是非に中止してくださるようお願いいたします。

                                 記

1.自動販売機,及びコンビニ等で未成年者がタバコを極めて自由に入手できる環境を抜本的に改
  善せずに,このようなコピーの広告などをしても,いったい誰が耳を貸すでしょうか。このような主
  張をするのなら,JTや販売組合は,未成年者が自販機でタバコを買えないようにし,
コンビニや
  販売店でも買えないようにするのが先決であり,かつ社会的責務ではないでしょうか。

2.自動販売機やコンビニ等で未成年者がタバコを極めて自由に入手できる環境こそが,青少年の
  健全育成を損ねている大きな一因になっているのに,内閣府,警察庁,青少年育成国民会議と
  いう,全国レベルで青少年の健全育成の推進に責務をもつ公的機関が,上記の件を全く閑却し
  て,タバコ販売促進を進める私的営利のJT及び販売組合と名を並べてこのような内容の広告を
  するのは,利用されていることであり,節度上疑問を抱かざるを得ません。

3.財務省は,今回,JTや販売組合との癒着を断ち切って,けじめを示し,行政的中立を保持された
  のですから(少なくとも結果的に),貴台も今後は連名を下りていただきたいと思います。

4.それでもどうしても広告やポスター等を制作するというのであれば,JTや販売組合とは縁を切っ
  て,純粋に青少年の健全育成のための未成年者喫煙防止の広告やポスターを制作していただ
  きたいと思います。

                                        敬 具