大阪府福祉のまちづくり条例改正の
(コメント・要望,2001.11.20)
分煙設備基準についての意見1.案では,分煙設備について,「誘導基準」になっていますが,「整備基準」とすべきです。
- 理由は,環境たばこ煙による健康被害は,喫煙者から非喫煙者への一方的な健康加害行為で
あって,しかも喫煙者はその結果的な加害行為をほとんど認識しておらず,大阪府民の4分
の3以上を占める非喫煙者は,きれいな空気が共有されるべき公共の場所・施設で,全く意
に反して有害なたばこ煙を吸わされて健康を害しています。
- これは大阪府民及び通勤・通学者,来府者の健康づくりを大きく阻害しているだけでなく,
害が特に乳幼児・胎児・子ども・妊婦に及びやすいことから,福祉のまちづくりの上から
も抜本的対策の急がれる必要不可欠なことです。
- このような観点から,公共の場所・施設は,原則的に「禁煙」を義務づける方向が必要です
ので,誘導ではなく,「整備基準」とすべきです。2.誘導基準の内容が,「環境たばこ煙の拡散に配慮した喫煙場所を設置」となっていて,また配
慮事項として「分煙機器の設置」が述べられていますが,公共の場所・施設は原則的に「禁煙」
を基調とし,「必要により(可能かつ必要な場合),たばこ煙を非喫煙者が吸わされないよう
完全分離された「喫煙場所の設置」を義務づける」方向性が不可欠です。
- 分煙機器と称して販売されている機器は,オープンスペースで使用される限りほとんど役に
立たないものです。理由は,たばこの燃焼部分から立ち昇るたばこ煙は熱を持っているので
上に拡散しますし,喫煙者の吐き出すたばこ煙もすぐに周りに拡散します。従って分煙機器
はそのほんの一部を吸着するに過ぎません。それに吸着は完全ではなく,一酸化炭素などガ
ス状物質は必ずしも吸着除去しません。
- 空気清浄機についても全く同じことがいえます。これら分煙機器や空気清浄機は,喫煙室内
など閉鎖された場所に設置した場合にのみ,その室内空気を幾分か吸着除去するに過ぎませ
ん。
- これら効果の薄い機器を誘導基準や配慮事項として盛り込むことは,管理者にとって費用の
無駄使いとなるので,大きな批判・クレームを浴びることになりかねませんし,非喫煙の府
民もたばこ煙から健康を守れないので,多くのクレームが来かねません。3.公共の場所・施設でたばこ煙を非喫煙者が吸わされないために,完全分離された喫煙場所を設
置する方法は,喫煙室内の空気が外にもれないよう天井から床まで仕切をし,陰圧状態で,換
気を別排気ですることしかありません(できれば浄化した空気を外に排気するようにする)。
- これが設置できない個所では(例えば理髪店など比較的狭い施設),「禁煙」を整備基準とす
べきです。
- クリーニング店なども,店内のたばこ煙は,商品にたばこ臭が染みつくので,「禁煙」を整備
基準とすべきです。4.歩道(道路)も今回の条例に含まれていますが,道路や商店街の管理者に対し,「歩きたばこ
の禁止」を整備基準とすべきです。
- 歩きたばこは,やけどや服焦げなどで危険ですし(特に幼児・子ども・車椅子の方には危険
この上もない),たばこ煙が周りの歩行者に健康被害を及ぼします。ポイ捨てにつながるの
で,防火面や美化面でも迷惑です。地下街通路やビル内通路も含め,歩道は公共の場所・施
設そのものですので,この整備基準は必要不可欠です。
- 歩きたばこの制限については,例えば大阪市の市政モニターでも,約9割の人が制限の必要
を回答している,との調査結果があります。5.映画館,劇場,売場,ドーム球場など,消防法及び火災予防条例で禁煙となっている場所につ
いては,現状ではロビーなどが喫煙場所になっていますが,オープンスペースなので,迷惑こ
の上もありません。これらにも今回の整備基準を適用することが必要です。