世界禁煙デー2001
Second-hand smoke kills. Let's clear the air
吸わない人にも命取り きれいな空気の中で生きよう
受動喫煙(たばこの先から立ち昇る煙と喫煙者の吐いた煙を、非喫煙者が吸わされること)は、社会全体の健康への重大な脅威となっている。最近20年間に蓄積された科学的根拠に支えられて、科学の世界では、受動喫煙にも安全な基準はないという合意が成立している。
受動喫煙は一般に肺がん、心臓病など、いのちを脅かす病気を招く惧れがあるが、子どもにとってはさらに、深刻な影響がある。呼吸器疾患,中耳炎,喘息,突然死症候群などが、家庭内のたばこ煙によって引き起こされる。たばこ煙はもう一方で室内空気汚染の重大な有害汚染源である、目への刺激,のどの痛み,咳,頭痛を引き起こす。
根拠は明白だ。行動をおこそう。
たばこ会社の周囲に漂う欺瞞の空気を一掃しよう。
たばこ会社は二面性を持っている。内部的に認めたことでも、公けには否認する。受動喫煙は有害であることが、何十年間もの科学的に証明され、たばこ会社内部の科学者によって確認されていても、かれらは公けには、受動喫煙が死や疾病を招くことを否認する。しかし内部的には、受動喫煙がたばこ産業そのものの存続を脅かす、極めて重大な闘争の場であることを認めている。
彼らの秘密調査によると、「喫煙者が自分を傷付けることは本人の問題と言えるが,非喫煙者に対して害を与えることは、全く別の問題を引き起こすーーこれが
たばこ産業の存続にとって最も危険なことだ」 Roper Organization, 1978
たばこ会社は戦略の一環として、人々を受動喫煙から保護する規制や法律に対しては、常に反対の闘いを起こしてきた。かれらは莫大な資金と大勢のロビイストを使って、正当な科学的調査を攻撃し,科学者を買収して、いかがわしい研究をさせ,受動喫煙について異議をさしはさんできた。
たばこ会社数社による合同会議(1988)のメモによると、
「フィリップモリスの世界戦略は多数の科学者を雇い、国際ベースで組織して、受動喫煙を招く環境煙の害は,まだ解明されていないと言いつづけることである。」
私たちは彼らの戦略を知っている。それへの対抗手段をとろう。世界禁煙デーを公表宣伝し、活性化し、組織しよう!
WHOと協力者は、受動喫煙についての真実がはっきりとわかるように広める責任を負う。私たちは公衆衛生を前進させ,人々を受動喫煙から守る責任がある。私たちは受動喫煙が非常に重要な問題だと認識する社会的雰囲気を、とくに政策決定者、マスメディア、地方自治体行政官の間に作り出さなければならない。マスメディアによるキャンペーンや教育プログラム、の役割は大きく、健康団体,各種NGO、民営部門、国連機関などが協力し合う体制を作ることが重要だ。
私たちは.
この問題の深刻さを真剣に受け止め,たばこ煙のない地域環境、公共の場所、職場、家庭環境を作り出すため、法規制と教育のコンビネーションが必要なことを浸透させるべきだ。
世界禁煙デーは、あなたの企画を実行するものです。世界禁煙デーはWHOによって組織され,世界的な広がりで実行される。しかし持続的で成果のあがるキャンペーンは、地域がどれだけ活性化して取り組めるかにかかっている。地域の女性団体,青少年育成団体、実業団体,労働組合,消費者団体,地方自治体などが、受動喫煙への取り組みにイニシャチブを取るべきだ。あなたの地域に最も適した企画を考え,実行に移してほしい。.
地方自治体の首長は、公衆衛生政策で、決定的な役割をになう
WHOは、世界中の市町村の首長が「吸わない人も命取り。きれいな空気の中で暮らそう」キャンペーンを一斉に初め、受動喫煙の問題に継続的に取り組むことを強く要請する。このキャンペーンで最も有効なキャンペーンを行なった首長を、WHOは特別表彰する。コンテストへの応募は,WHOの地域オフィスが受け付ける。
たばこ規制は、実行する過程である。
首長は今すぐにキャンペーンを始め、持続させなければならない。あなたの町とその首長がたばこ規制のキャンペーンの目標を適切に設定し,進めることができるよう、助力してほしい。たばこ煙の追放が職場、レストラン、学校、病院、空港、市庁舎、議会などを、どのように禁煙化していくか、あなたの声を首長に届けよう。
さらに詳しい資料は次のサイトから
What can be done
about second-hand smoke?
Second-hand smoke and
the tobacco industry,
How second-hand smoke harms
and kills non-smokers,
as well as
Frequently asked questions
about second-hand smoke.
健康な社会を実現しよう
WHOの191のメンバー国は、世界初の法的規制を伴う健康条約、「たばこ規制国際枠組み条約」(FCTC)の交渉を始めた。条約は世界の国と人々を、たばこ関連病の膨大な出費と健康上の損失から守るものだ。あなたとあなたの団体が、人々を受動喫煙から守るために,行動を起こすことが,枠組み条約の交渉への大きな助けとなる。
訳 仲野暢子喫煙と健康女性会議・禁煙教育をすすめる会