「次世代育成支援に係る大阪府行動計画」(素案)に対する意見募集について
http://www.pref.osaka.jp/fumin/html/04782.html      2004/11/15必着
に関して,本会は以下の意見を申し述べました。


【若い世代の喫煙と受動喫煙防止の重要性について,意見を申し述べます】

次世代育成支援に係る問題は多岐にわたりますが,たばこ問題について以下
申し述べます。

たばこ問題については,2章6で未成年者や妊産婦の喫煙率の上昇を述べ,
4章(3)ア や ク で,たばこ対策の推進が述べられていますが,具体的な
内容にふれられていませんので,これらについて以下意見を申します。

【若い世代の喫煙防止に関して】
1.妊産婦や若い女性の喫煙率上昇は,「スリム,痩せ」志向と密接な関連が
  あります。この「スリム,痩せ」志向は作られた幻想です。「スリム,痩せ」は
  健康的でない,不健康である,との啓発や世論形成が必要です。
 (ちなみに,近年未熟児出産も増えていて(約10%以上),これは上記1項,
  下記2項と密接な関連があります)

2.スリムになるためには,喫煙することが有効,との作られた幻想があります。
  これは間違った理解であり,不健康な生活習慣であり,若い時にいったん
  ニコチン依存(中毒)になれば,いざたばこを止めようと思っても止められなく
  なることの,効果的な啓発や教育が必要です。

3.妊産婦の喫煙は,胎児や幼児虐待になり,早死産や低体重児,突然死症候
  群,また不妊などが医学的に明らかになっているのですから,次世代出生と
  育成支援にとってその防止対策が必須です。小学校時からの,上記1,2と
  リンクさせた教育が不可欠です。

4.若い男性の喫煙についても,精子損傷が医学的に明らかにされ,妊産婦の
  喫煙と同じリスクがあるのですから,3項と同様のことが必要です。

5.「健康大阪21」,及び国の「健康日本21」で,2010年までに「未成年の喫煙をな
  くす」目標が掲げられています。しかしこの数値目標の達成は絵空事の現状です。
  この阻害要因は言うまでもなく未成年者が自由にたばこを買える「たばこ自動販
  売機」にあります。若い世代が未成年時から喫煙を開始していて,その入手方法
  の大半が自販機です。大阪府としても,抜本的対策を進めるとともに,国にも抜
  本的対策を強く要請することが必要です。

6.若い世代の遵法精神の涵養は大事なことです。この観点から考えるに,
  未成年者がきわめて自由にたばこを買うことができる自販機の違法状態が放置
  されることは,未成年者の遵法精神を蝕み,健全な心身の育成を阻むことにつな
  がっています。未成年者が自由にたばこを買える状態は,未成年者自身が社会
  的に守られていないことになっているとの認識につながり,それが若い世代・未成
  年者の問題行動や生活習慣につながっていることに思いを致すべきです。

【乳幼児・児童・母性の受動喫煙防止に関して】
7.両親や祖父母など,家族の喫煙は,上記3,4項にも述べましたが,子どもの
  肺炎,気管支炎,喘息,耳鼻喉目の病気,風邪引き,成長の遅れなどを引き
  起こします。
  次世代の健康的な育成にとって大きな阻害要因です。食育なども大事なこと
  ですが,受動喫煙防止にも重点的な対策が必要です。
 (4章2(3)(イ)でシックハウス対策が述べられているが,受動喫煙対策は費用
  効果からも,また目に見える対策からも,有効性がより高いのでは)

8.子どもにとって家庭は公共の場と同じであり,親には,家庭で,子どもの受動喫煙
  防止の責務があります。健康増進法第25条(下記)の趣旨を踏まえ,家庭の受動
  喫煙防止の周知・啓発を至急に進める必要があります(府や保健所だけでなく市
  町村や医師会等と連携して採りうる様々の対策があり得ると思います)。

     第二十五条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示
     場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利
     用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、
     受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの
     煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講
     ずるように努めなければならない。

9.第3項の妊産婦の喫煙と同じく,妊産婦及び若い女性の受動喫煙も,防止対策
  が,必須です。家庭だけでなく,特に職域等で受動喫煙防止がはかられる必要
  があります。この受動喫煙防止は国民・府民に等しく必要ではありますが,次世
  代育成支援に関連して,母性保護のために重点的な対策をお願いします。

10.上記の喫煙対策は,次世代の健康リスク対策にとって,また費用効果の点からも,
  極めて有効な方法です。若い世代や喫煙家族の禁煙サポート(ニコチン代替療法)
  を組み合わせ,また健康保険使用が可能となるような施策により,具体的対策が
  可能となります。

発信者−−−−−−−−−−−−−−−−−−
NPO法人「子どもに無煙環境を」推進協議会
Tel,Fax06-6765-5020
〒540-0004 大阪市中央区玉造1-21-1-702          ホームに戻る
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