政府税制調査会(首相の諮問機関)の
2005年のタバコ税関連の論議の動き・発言
1.
税制調査会第33回総会(平成17年10月25日開催) 議事録
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/gijiroku/b33kai.htm
○井上裕之委員(愛知産業(株)代表取締役社長)
一方、私はいつも言っているのですが、たばこの税金、これはあまりにも安すぎると
いうことであります。今、いろいろな官庁にしてもどこにしても、鳥小屋みたいなところ
に入ってたばこを吸っている。非常にみっともないわけでして、あれを高くすればいいわ
けです。禁止税ということを会長はよく言われるわけですけれども、500
円までは上げて
も大丈夫だというふうに思うわけで
す。1本1円上がれば2,000
億あがるわけでしょう。どうしてもっと早くこれに手をつけ
ないのか。癌になる人は女は1.9 倍、男性は1.6
倍ということからすれば、医療費も削減
できる。そういうところにも全部つながるわけです。それなのに何で上げないのかという
ことを私は不満に思っているわけです。ぜひともこれは検討していただきたいというふう
に思います。
○石会長
来年度なのか今年度なのか、いずれ仕切りはつけなければいけませんけれども、検討課
題に取り上げたいと思います。
2.
たばこ税上げも議題に−政府税調議論開始
『第3のビール』増税も
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20051026/mng_____sei_____003.shtml
(東京新聞10/26朝刊)
政府税制調査会(首相の諮問機関)は二十五日、総会を開き、二〇〇六年度税制改正に
向けた議論を始めた。定率減税の〇七年全面廃止方針の確認や低税率の「第三のビール」
増税を視野に入れた酒税制度改革のほか、たばこ税引き上げを求める声もあり、総会後の
記者会見で石弘光会長は「今後、議論の頭出しをしておくか(検討する)」と応じた。
たばこ税をめぐっては、尾辻秀久厚生労働相も二十日の参院厚労委員会で、医療制度改
革に伴う生活習慣病予防対策の財源確保に、たばこ税の引き上げを検討する必要性を指摘
しており、政府内でたばこ税引き上げが急浮上する可能性も出てきた。
総会で委員の一人が「たばこ税は(欧米より)安すぎてみっともない。(税を)高くす
れば医療費も削減できる」と指摘した。
一箱二百七十円のたばこのうち、約百七十円が税金(消費税を含む)。年間の国の税収
は一兆円強で、たばこ一本につき税金を一円上げると国の税収は約三千億円増える。た
だ、国の歳入に占める割合は小さく、政府内ではここ数年内での税率アップには否定的な
声が多かった。政府税調は十一月末にまとめる答申で、定率減税の廃止などを提言する。
3.
上記の石会長の記者会見ですが,以下のサイトに全文載っていて,
税制調査会総会(第33回・10月25日開催)後の石会長記者会見の模様
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/kaiken/b33kaiken.htm
7段落目で,以下のように言っています。
「三つ目は、予定したもの以外に新しい検討をしてはどうかというご提案もありまして、
例の特別会計にまつわる税の問題も一つなんですが、(略)それはいずれ、一回税調の場
で議論して検討したいと考えております。あるいはお一人でしたが、たばこ税というのは
どうかという議論、まあ個別消費税の世界で酒税が出て、ガソリン、いわゆる揮発油税が
出ましたので、これはおそらく、来年6月以降に出すであろう中期答申等々あたりの問題
として本格的に取り上げるにしても、今年度頭出しをしておくかどうかという問題です
ね。」
4.
税制調査会総会(第34回・11月15日開催)後の石会長記者会見の模様
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/kaiken/b34kaiken.htm
で,11/15に石会長は以
下のように言っています。
(記者)たばこ税についてなんですが、一部にいろんなねらいからたばこ税の増税はどう
かということがあるかと思いますけど、会長自身のお考えと、今回の答申での対応と、2
点を教えて下さい。
(石会長)今回の答申には、たばこ税は姿をあらわしておりません。お一人からそのご要
望があったんですが、まあ酒までですね。たばこはやっておりません。恐らくたばこは、
新しい視点からいろいろ問題が提起されていると思います。例えば健康問題であるとか、
あるいはペナルティ的に高くしてもいいじゃないかということだと思います。私は個人的
には日本のたばこというのは安いと思ってますから、少し上げてもいいかと思いますが、
今回、残念ながらその議論をする余裕もなかったし、資料を作成してもらうだけの時間も
なかったので、将来の課題として、なるべく近い将来議論したいと思ってます。
5.
税制調査会総会(第35回・11月22日開催)後の石会長記者会見の模様
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/kaiken/b35kaiken.htm
で,石会長,以下の発言しています。
(記者)もう1点、たばこに関してなんですけれども、前回のときには、たばこに関して
は、これはちょっと盛り込めそうにないなという感触を示されていたんですが、自民党の
厚生部会のほうでもたばこ税を来年出してはどうかという意見が出ていますが、今のとこ
ろ、どうお考えでしょうか。
(石会長)たばこ税が突然浮上したときは、我々はもう起草の段階に入っておりまして、
資料をベースにして議論を取り交わしたということをやっておりません。したがいまし
て、たばこは将来の課題になる。それで、例の自民党云々のところのご議論は、たばこを
どちらかというと特定財源化という形のお考えのようにマスコミで報道されておりますけ
れど、将来課題としてやるにしても、恐らく一般財源という形でやるのが筋だと思ってま
すので、そういう議論になってくると思いますが、今回はたばこについては触れる機会と
時間がなかったということです。
6.
関連情報:平成18年度の税制改正に関する答申
政府税調の答申に盛り込まれていない主な意見11/25
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/tosin/171125ik.htm
(最後の行)
その他
イ
たばこの税金は低すぎる。大幅な税率引上げを検討すべき。
7.
税制調査会総会(第36回・11月25日開催)後の石会長記者会見の模様
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/kaiken/b36kaiken.htm
(記者)税調の方針を出しました。土俵を提示して、ボールは党税調に投げられたとおっ
しゃいましたが、たばこ税だったり環境税だったり、党のほうが逆に税に関して主導して
いるというか、これからの方向性を主導してきている流れもあるのではないかと思うんで
すが。
(石会長)結構じゃないですか、大いに。たばこに関していえば、この間ご説明しました
ように、我々として時期が遅れてしまって、起草段階で起こった話でありますので、本格
的に参画はできなかった。環境税については今申し上げたように、方向は決まりましたけ
ど、どういう形になるかについては税調の中でも議論がまとまっていませんから、このぐ
らいの程度になったということで、政府税調が土俵を決めて、そこで党税調なり与党税調
がそこの土俵の中でいろいろ議論を詰めてもらうというのは、いつものスタイルですか
ら、一向に構わないと思っています。