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表表紙 (カバー) |
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(1) 動物村のもくもく大事件 はじまり、はじまりー − ぬく − |
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(2) あるところに動物村がありました。
− ぬく − |
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ばあちゃんがおりました。 ていました。 − ぬく − |
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家族でした。 − ぬく − |
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住人たちは、なぜかその煙に近づくと、せきが出て、子どもた ちも、昔のように、外で遊ぶことができなくなりました。 − ぬく − |
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(6) 数日後、犬の老夫婦の家で、事件が起きました。
おじいちゃんとおばあちゃんは大あわてで、病院に電話しまし た。 「もしもし、大変です。家のかわいいゲン太が病気になってし まったんです。急いできてください。」 − さっと ぬく − |
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(7) しばらくして、病院からドクター犬が到着しました。
ドクター犬は、つぶやきました。 「おかしいなぁ。最近、原因不明でせきが止まらない患者さん が増えている。なんとか原因をみつけなければ…」 − ぬく − |
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(8) 一方、村長も頭を悩ませていました。 最近,引っ越してきたあの家から出る煙について、村の住人た ちから苦情がたくさん来ていたからです。 村長は、村の平和を守るために、村一番の長老である、クスノ キ博士に相談に行きました。 村長の話を聞いて、ゆっくりとクスノキ博士は答えました。 「村をおおう煙を出している家は『もくもく家族』じゃ。はる か遠くにある『たばこの国』の住人で、今までいろいろな村を 転々としては、煙を出して村を滅ぼしてきたということじゃ。 あの煙を吸い続けると、目やノドが痛くなり、ぜん息になった り、やがて肺や心臓や脳までも病気になってしまうことがある んじゃ。 何せあの煙の中には、中毒をおこすニコチンだけでなく、酸素 のじゃまをする一酸化炭素や、がんをおこすタールがたくさん 含まれているんじゃ。 そんなわけで村人がみんな逃げてしまい、そのうち誰もいなく なってしまうそうじゃ。」 とゆっくり話しました。 − ゆっくり ぬく − |
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(9) それを聞いた村長は考えこんでしまいました。 気になる人が多く、隣村に行くと病状が軽くなることがわかっ たんです。」 − さっと ぬく − |
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(10) それを聞いた村長は、 ガーン!! とショックを受けて、ヘナヘナと座りこんでしまいま した。 「やはり病気はの原因は、あの煙だったとは…もうだめだぁー」 ドクター犬は、そんな村長に 「村長さん、村の一大事なんです! しっかりしてください!」と叫びました。 − ぬく − |
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した。
− ゆっくり ぬく − |
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村に残った住人をクスノキ博士のもとに集め、村始まって以来 の一大事を、どうやって乗り切ろうか、話し合うことにしまし た。 犬のおじいちゃん、おばあちゃんも、ゲン太を助けるためならと参加しました。 − ゆっくりとぬく − |
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(13) 村の住人たちは、まず、どうしたらもくもく家族の煙を止める ことができるか、クスノキ博士の意見を聞くことにしました。
力を合わせて、もくもく家族を追い出したという話があった。 しかし、わしは、それだけではまだまだ甘かったと思っている。 そこで、皆で力を合わせて、もくもく家族にホースで水をかけ て、巨大なせんぷうきで、遠くまで吹っ飛ばす、という方法は どうじゃろうか・・・」 − ぬく − |
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(14) それを聞いた犬のおじいちゃんは、「吹っ飛ばしただけでは、ま た違う村が、わしらと同じように悲しい思いをしてしまう。 もう、誰もこんな思いをしないように、もくもく家族の煙が完全になくなるように考えなくてはダメじゃ。 − 間 − 私たちがゲン太をかわいく思うように、あの家族にも子どもが おった。 追い出す方法ではなくて、お互いにとって、よい方法を考えられんだろうか…」と村人たちに訴えました。 − ぬく − |
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(15) ドクター犬は、おじいちゃんの肩に手をかけて、 「村長さん、おじいさんの意見にわたしも賛成です。無理に追 い出しても、また、どこかにたどりついたもくもく家族は、同 じことを繰り返し、苦しむ村が出てしまうでしょう。 皆でもくもく家族と話し合って、私たちの気持ちを伝えてはど うでしょうか? うまくいくかどうかわかりませんが、村人が一つになって心を こめて話せば、きっとうまくいくはずです!!」 村長は 「よし、ドクター君。皆で協力してがんばろう!」と言って、 村人たちといっしょに、もくもく家族の家に向かいました。 − さっと ぬく − |
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(16) もくもく家族の家に着いた村人たちは、皆、余りの煙たさにマ スクをしていました。 そして、皆の訪問に迷惑そうなもくもく家族に、皆の気持ちを 伝えました。 犬のおじいちゃんは、涙を浮かべていっしょ懸命に話し始めま した。 「あんたたちには悪いが、あんたたちが出す煙を吸った者たち が、皆、次々とせきが止まらなくなり、気分が悪くなったり、 病気になってしまうんじゃ。 家のかわいいゲン太も、かわいそうに、この前からせきが止ま らず、夜も眠れず、御飯も食べられない…」 と大きな声で泣きました。 それに続いてドクター犬が話し始めました。 「あなたたちにも、かわいい子どもがいるなら、私たちの気持 ちもわかっていただけると思います。皆、大切な家族を病気か ら守るために、必死なんですよ。」 村の住人たちは、皆で心からお願いしました。 「どうか、 煙を出すのを止めて下さい!」 − ゆっくり ぬく − |
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(17) すると、驚いたことに、さっきまで恐い顔をしていたもくもく 家族のお父さんが、突然泣き出しました。 「そうだったんですか。 今まで、どこの村に行っても、突
然村人に追い出されたり、私 たちをさけるように、村から出て行ってしまったりしたので、 私たちは自分たちに原因があると知らずに、勝手に村の人たち を憎んできました。 でも、皆さんの話を聞いて、私たちの出す煙が、皆さんにとっ て、身体に良くないものだということがわかりました。 これ以上、皆さんに迷惑をかけるわけにはいきません。
私た ちは、自分たちの国に帰り、誰にも迷惑をかけないように暮ら していきます。」 と言いながら、ポロポロと涙を出しました。 これには、村人たちもビックリしました。 − ゆっくり ぬく − |
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(18) そして、もくもく家族は、早速荷作りをして、村人に手を振っ て旅立ちました。 犬のおじいちゃんも、ドクター犬も村長も、ホッとしていました。 「やれやれ、村始まって以来の大事件も、おかげで、どうやら無事に解決できた。これで、また平和な村にもどることができる。」 村人たちは、だんだんと小さくなっていくもくもく家族を、い つまで も見送っていました。 − ゆっくり ぬく − |
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(19) 動物村には、また前のような平和がもどって来ました。 村長も、その様子をながめながら、いつまでもこの平和が続く ことを願っていました。 − ぬく − |
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(20) 犬のおじいちゃん、おばあちゃんも、元気になったゲン太と以前 のように、幸せに暮らしていました。 「ゲン太や、元気になって良かったのう。 あれから、もくもく家族のうわさはどこからも聞かないし、無事に自分たちの国に着いて暮らしているのじゃろう。 わしらも、いつまでも元気でなか良く暮らしていこうなぁ。」 といつものように、ゲン太の頭をなでながら言いました。 |
制作・発刊 NPO法人「子どもに無煙環境を」推進協議会 (2001年11月発刊)