2012年5月30日 大阪府知事 松井一郎 様 大阪府衛生対策審議会受動喫煙防止対策検討部会長 祖父江友孝 様 〒540-0004 大阪市中央区玉造1-21-1-702 NPO法人「子どもに無煙環境を」推進協議会 理事 野上浩志 2012.5.25 第1回大阪府衛生対策審議会受動喫煙防止対策検討部会 を傍聴して(要望書) 受動喫煙防止対策で影響を受ける団体等のヒアリングをすべきではありません、他 前略、大阪府におかれては、受動喫煙防止対策の推進、ご苦労様です。 標記の第1回検討部会の傍聴をいたしましたが、大阪府民及び府内勤労者・来府者等の健康を守るための検討部会に、今回いくつかの不安を持たざるを得なかったので、以下要望書の形で提出させていただきます。 1.健康増進法第25条の「受動喫煙の防止」と2010.2.25の厚労省健康局長通知の「原則全面禁煙であるべき」を踏まえて、FCTC第8条の受動喫煙防止のためのガイドライン(「分煙の不可」を含め)を参照しながら、受動喫煙防止の具体的な方策を検討するために本検討部会が設置されたはずで、検討委員の方々には、それを充分に理解し協力をいただくことで、委員の委嘱がなされたはずでは無かったのでしょうか? 2.本検討部会の委員で、衛対審委員でもある方が、「(禁煙場所で喫煙者に)吸うなと言えるのか?」と発言され、会場がどよめきましたが、受動喫煙の健康危害を真っ向から否定されることは、委員としては全く相応しくないし、とうてい許されないのではないでしょうか? 3.また地方行政機関を代表する立場で委員になった方(健康部局のトップでもある方)が、喫煙者であって、「家では換気扇の下で吸っている」と発言され、またもう一人の代表する立場の方が「分煙の徹底」と発言されるなど、本検討部会委員としての見識・姿勢・立場が根本的に疑われるのではないでしょうか? 4.受動喫煙防止対策については、当初は、(家庭や)職場も含め、公共の場の対策についての論議を広くしていただく方向性だったはずが、(家庭や)職場を除外した方向へ行きかけるなど、上記1項の基本が定まっていないようで、今後、本当に受動喫煙防止の正しい方向性への論議に進むのか強い不安をいだかざるを得ません。 5.部会の終わりかけになって、事務局から、第2回検討部会(7/19)までに「受動喫煙防止対策で影響を受ける団体等のヒアリングを行います」(2012/6/6補足)、と初めて突然のご発言があり、当日の配布資料(資料4などにも)に何の記載もなかったし、かくも重要な内容が、口頭で突然に入れ込まれた事には、強く抗議し、絶対に反対します。 ・「影響を受ける団体」がどういう団体か判りませんが、そもそも飲食店レストラン・旅館・ホテル・交通機関に関しては本検討部会委員として入っていることからすれば、もしかしてタバコ関連業界からのヒアリングを考えているのでしょうか? 万一にもそうであるなら、これらの業界が受動喫煙対策に反対するのは「自分たちの販売・収益減になるからとのエゴ丸出しの反対であって、国民の健康・福祉がそのエゴの犠牲となるべき、との論」であり、決して容れるべきではありません。このような健康施策への介入・横やりに、本検討部会が進んで門戸を開くようなことが万一にもあるとすれば、恥ずべきこととして、許されざることで、今年の世界禁煙デーのテーマが「たばこ産業の干渉を阻止しよう」であることを想起して下さい。 ・それにそもそも、検討部会がこれから本格的にされていく前に、「受動喫煙防止対策で影響を受ける関係団体等のヒアリング」で、検討委員に予断を与え、委員に枠をはめ制約をかけることが必至な(避けられない)ことはすべきではありません。 ・そんな間違ったことよりも、優先的かつ建設的なこととして、「全面禁煙の飲食店レストラン、旅館・ホテル、交通機関」などから、うまく行っており、売上げが落ちていない、などの実態把握をこそ情報収集し紹介すべきです。 ・法や条例施策などによる一律的な同時禁煙の義務付け・勧奨があれば客離れの心配は全くなく、むしろ受動喫煙がなくなることによって、それまで利用を控えていた人たちや家族づれなどの利用増で、むしろ客は増加すると思われ、諸外国でその実績報告が数多くあります(JTはこれら店の売上げが減ると根拠のない論を言っていますが間違いです)。受動喫煙防止を支持する世論調査はいずれも9割前後以上はあって、国民・府民の広い支持・賛同が可能な施策です。(ちなみに喫煙者は、2011年で約2,200万人、日本国民12,800万人の約17%で1/6に過ぎません.) なお、本要望は本会ホームページに掲載しますが、ご回答をいただけるようであれば、早めによろしくお願いいたします。 参考資料 ・2012.4.20 大阪府衛生対策審議会 ・2012.5.25 大阪府衛生対策審議会 受動喫煙防止対策検討部会 http://www.pref.osaka.jp/kenkozukuri/tabacco/jyudokitsuenbukai.html 草 々 補足−タバコ関連業界からのヒアリングはすべきでない・反対です(2012/6/6記載) 6/6に事務局担当者とお話する機会があって確認したところ、このヒアリングは、事務局担当者が個別に関係団体に会って話を聞き、あるいは文書回答を依頼し、その取りまとめを次回検討部会(あるいは委員)に提出する、とのことです。 しかしそうであったとしても、国民・府民の健康よりも自分たちのエゴ的利害を上位に置くタバコ関連業界からのヒアリングは間違いであって、すべきでありません。反対です。 聞き取りをするのであれば、上記記載のように「全面禁煙の飲食店レストラン、旅館・ホテル、交通機関などから、うまく行っており、売上げが落ちていない、などの実態把握」、また受動喫煙で健康危害を受けている多数の立場に立つ関係団体等からの実状・論拠をこそ把握する情報収集をすべきです。 |