<健康増進法改正案>屋内全面禁煙に黄信号 自民内対立過熱

毎日新聞 2/22(水) 23:08配信  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170222-00000118-mai-pol

 

 屋内でのたばこの受動喫煙対策を巡り、自民党内で推進派と慎重派の対立が過熱している。対策強化のため政府が提出を目指す健康増進法改正案に対し、たばこ生産者の支援を受ける慎重派は猛反発。危機感を抱く推進派の議員連盟は22日、国会内で会合を開いたが、妥協点は見つかっていない。

 推進派議連には自民、民進、公明の各党などから15人が出席。2020年東京五輪に向けた規制強化の必要性を確認した。ただ、自民内でたばこ規制を議論している渡嘉敷奈緒美厚生労働部会長は会合で「法案が部会を通るめどが立っていない。今は根比べの状況だ」と漏らした。

 焦点は規制対象となる飲食店の範囲だ。厚労省は飲食店を原則屋内禁煙(喫煙専用室は設置可)とし、酒類を提供するバーやスナック(延べ床面積30平方メートル以下)などは、例外的に換気設備の設置などを条件に喫煙を認める案を検討中だ。

 一方、慎重派の中核はたばこ業界の発展を掲げる党たばこ議連で、飲食業界の推す議員も側面支援する。9、15両日の厚労部会には慎重派議員が集結。たばこ議連の野田毅会長は「受動喫煙をなくすならば禁煙よりは分煙だ。世界に冠たる分煙先進国を目指すべきだ」と訴えた。

 安倍晋三首相は「対策の徹底」に言及しており、当面は論議を見守る姿勢だ。葉巻を手放さない麻生太郎副総理兼財務相は20日の衆院予算委員会で「たばこが吸えないシガーバーには行かないようにしたい」と規制への抵抗感をにじませた。

 ◇国民の多数「規制賛成」

 国会内では屋内喫煙規制強化に反対の声が強いが、国の調査で喫煙者が2割以下に減っている国民の声は「規制賛成」が圧倒的だ。

 製薬会社ファイザーが2012年に9000人に実施した調査では、喫煙を制限する公的なルール制定に75.2%が「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答。ヤフーニュースが実施中の「受動喫煙対策に例外を認めるべきか」という意識調査でも、22日までの回答16万件のうち、約6割が「飲食店は例外なしで禁煙」を選び、「小規模店は例外」「対策自体に反対」はともに約2割にとどまる。

 規制に反対する議員の多くは「小規模飲食店の経営が成り立たなくなる」と主張するが、全面禁煙を導入済みの海外の調査では規制後の方が売り上げが増加した例もあり、世界保健機関(WHO)は09年に「レストラン、バーを法律で全面禁煙にしても減収はない」と結論付けている。受動喫煙が健康に及ぼす影響についても、国立がん研究センターが昨年、「肺がんリスクを高めることは確実」と評価している。

 NPO法人「『子どもに無煙環境を』推進協議会」などが政治資金収支報告書を調べたところ、たばこ業界の政治団体から自民党や同党議員への献金は10~15年の6年間で1億円を超えるという。同会の野上浩志代表理事は「反対派議員の多くは政治献金を受けているか、自らが喫煙者だ。国民の意識とかけ離れている」と批判する。
 
http://notobacco.jp/seijikenkin/kenkin2010-15.pdf