受動喫煙対策

五輪相に抗議 禁煙学会「IOC裏切る」

毎日新聞

 

 2020年東京五輪・パラリンピックの受動喫煙対策を原則禁煙ではなく分煙とする見解を示した鈴木俊一五輪担当相に対し、一般社団法人「日本禁煙学会」が10日、早急な撤回を求める緊急抗議声明を出した。「IOC(国際オリンピック委員会)、WHO(世界保健機関)に対する大変な裏切り行為」と非難している。

 IOCとWHOは「たばこのない五輪」を推進しており、4月には来日したWHOの生活習慣病予防部長が、政府に屋内の完全禁煙実施を求めた。声明は「世界から集まるアスリート、数十万人の観客が受動喫煙を浴びる国際的な問題。多くの人が集まる屋内での完全禁煙を守るのが五輪担当相の役目だ」と訴えている。

 鈴木氏は9日の報道各社のインタビューで、飲食店内の原則禁煙を掲げる厚生労働省に「与党と調整を」と注文を付け、五輪の受動喫煙対策は「禁煙を原則とするのではなく、徹底した分煙で実現すべきだ」と語った。