電子たばこ ニコチン販売サイトを閉鎖 厚労省が違法判断 

2017/11/15 19:35 日経 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23509960V11C17A1CC1000/ 

 

 禁煙ツールとして人気の電子たばこを巡り、国内で販売や製造が規制されているニコチン含有商品が無許可で流通していることが分かった。海外製のニコチン含有商品を「個人輸入」形式で入手できるサイトがインターネット上に乱立。厚生労働省はサイトを違法と判断し、ネット大手のヤフーは同省の要請を受けて15日、出店業者のサイトを閉鎖した。

ヤフーが15日、削除したニコチン製品販売業者のサイト(一部画像処理しています)

 厚労省はサイトでのニコチン含有商品の掲示について医薬品医療機器法(旧薬事法)が禁止する「未承認医薬品の広告」にあたると判断した。同サイトは日本語で掲載されており、個人業者とみられるが、サイト上の説明では米カリフォルニア州に拠点を置く。同国産のニコチン入り製品を日本へ輸出販売していた。国外の業者へ直接閉鎖を要請できないため同省はヤフーへ依頼した。

 ヤフーは「今後、出品業者向けのガイドラインを改訂して、電子たばこ用のニコチン製品も禁止する」としている。

 電子たばこは、本体と別売りの液体を熱して発生させた蒸気を吸い込むことで本物のたばこを喫煙している感覚を味わえる。葉タバコを使う加熱式たばことは異なる。

 ネット上では液体にニコチンを含んだ海外製の商品が多数紹介されており、今回、削除されたサイトは「氷山の一角」(同省監視指導・麻薬対策課)。「米国メーカーと代理店契約を結んでいる」「海外直送」などの文句で個人輸入の形式をとって購入できるサイトは多い。

 規制を逃れようと、今回のように拠点を国外に置く業者がほとんど。なかには日本の法人が海外子会社を立ち上げて手がけるケースもある。

 ニコチン含有の液体は煙臭くならずに摂取できるとして米国や欧州で普及した。日本でも電子たばこの人気が高まるにつれてサイトが次々に新設。好みに応じて液体のニコチン含有量を調整できるサイトもある。30ミリリットル入りの場合で配送費も含めて3千~4千円程度で買える。

 電子たばこの専門店も街中に増えており、国内には現在、約150店あるといわれる。専門店ではニコチン含有商品を店頭に置けないため、店舗によっては店員が個別に販売サイトを紹介することもある。