行政対応の甘さに批判も 五輪前に受動喫煙対策強化

2019/7/1 19:34 日経 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46811880R00C19A7CR8000/

 

受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が1日、一部施行された。2020年東京五輪・パラリンピックを前に、世界最低水準と批判される日本の受動喫煙対策の強化が狙いだ。開催地の東京都は改正法より厳しい規制を導入したが、他の自治体や国の省庁では屋外喫煙所の利用を続ける対応も目立つ。

病院や学校が取り組みを進める中、がん患者団体から「行政は率先して対策を取るべきなのに残念」と批判も出ている。

都は五輪のホストシティーとして受動喫煙防止の取り組みを強化する。6月最後の平日の28日には都庁の敷地内に設けられていた喫煙所6カ所を全て閉鎖した。地上45階に地下3階の第1本庁舎を含む広大な敷地にたばこが吸える場所はどこにもない。五輪開催地の拠点として「本気度」を示した形だ。

さらに20年4月までに改正法より厳しい規制の条例が段階的に施行される。19年9月には子どもの出入りする幼稚園や保育所、小中高は屋外でも喫煙所設置が認められなくなる。従業員を雇う店では店舗面積にかかわらず最終的に原則屋内禁煙が義務化される。

改正法は、喫煙者以外立ち入らない区画を設けるなどの要件を満たせば、屋外に喫煙所を設置できるという例外を設けた。都のように敷地内全面禁煙に踏み切るのは少数派で、北海道など37道府県は「現状では全面禁煙は難しい」などと屋外喫煙所の利用を選んだ。国の省庁も同様の対応だ。

病院では早い時期から禁煙を推進、敷地内全面禁煙の実施率も行政機関より高い。国立がん研究センター中央病院は06年から全面禁煙で、「改正法施行による大きな変化はない」としている。

大手外食チェーンでは、20年4月の法全面施行に向けて準備が進む。分煙で喫煙スペースを設置していた飲食店では改装や清掃が必要な店舗もあり、対応を急いでいる。

ファミリーレストランのサイゼリヤは6月から全店舗で全席禁煙化した。家族連れから早期の禁煙化を望む意見が多く、当初計画より3カ月前倒しした。ガストなどを運営するすかいらーくも9月1日から系列全店を禁煙化する予定だ。〔共同〕

新設された財務省の屋外喫煙所=1日午前