カラオケまねきねこが禁煙に。ビジネスの世界では禁煙の動きが着々と進んでいる?

2019/1/23(水) 11:40配信 The Page  https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190123-00010001-wordleaf-bus_all

 

 「カラオケまねきねこ」が今年の9月から、全店舗での禁煙に踏み切ります。居酒屋チェーンの串カツ田中も、ほぼ全店を禁煙にしましたが、一定の効果が得られています。2018年7月、受動喫煙の対策強化を盛り込んだ健康増進法が成立しましたが、事実上、骨抜きとなっており、政治の分野では完全禁煙は進んでいません。一方、ビジネスの世界では喫煙者の急激な減少という市場メカニズムに沿って、禁煙の動きが進んでいるようです。

 「カラオケまねきねこ」はフィットネスチェーン「カーブス」などを運営するコシダカホールディングスが展開するカラオケチェーンで全国に約500の店舗があります。同社ではすでに一部地域で全室禁煙を実施していますが、9月1日からはすべての店舗で全室禁煙とすることを発表しました。喫煙を希望する顧客に対しては、喫煙スペースを利用してもらうことで対応します。

 まねきねこの対応はかなり徹底しており、これまで喫煙利用していた部屋を単純に禁煙にするだけでなく、リニューアル工事を実施し、室内のカベや天井、エアコンに染みついたタバコ臭を除去した上で、禁煙のサービスを展開します。非喫煙者の中には、タバコの煙がなくても、部屋に残留したタバコの臭いや有毒物質で気分が悪くなる人もいます。最近ではこうした受動喫煙を「三次喫煙」と呼び、対策を強化するケースが増えています。

 カラオケ市場はそれなりに成長していますが、その利用形態は大きく変わっています。かつてはグループでの利用が多かったのですが、近年はいわゆる「一人カラオケ」に代表されるように個人での利用も増えています。数字の上では、喫煙者は激減している状況ですから、カラオケチェーンが非喫煙者に焦点を合わせるのは当然の結果といえるかもしれません。

 店内の禁煙化については、居酒屋チェーンの串カツ田中が、ほぼ全店の禁煙に踏み切りましたが、それなりの効果が上がっています。客単価は減少したものの、客数が増えたことで売上高が増加しており、今のところ業績への目立った影響は見られません。

 串カツ田中のケースを考えれば、まねきねこについても業績が大幅に落ち込む可能性は低いでしょう。今後も完全禁煙に踏み切る企業が増えてくると考えられます。
(The Capital Tribune Japan)