本会は,20081/27投票の大阪府知事選挙に,以下の公開アンケートを各候補者に

お送りしました。

→ 回答内容と本会コメント(主要3候補者からのご回答、後半に掲載、2008/1/17更新)

 

 

                           2007年(平成19年)1226

 

 大阪府知事候補  梅田章二 様

 大阪府知事候補  熊谷貞俊

 大阪府知事候補  橋下 徹 様 (五十音順)

            他の候補者 様

 

                      たばこれす

NPO法人 子どもに無煙環境を推進協議会

                           〒540-0004 大阪市中央区玉造1-21-1-702

                             TelFax 06-6765-5020muensilver.ocn.ne.jp

                           http://www3.ocn.ne.jp/~muen/

 

大阪府関係施設と公衆の集まる場等の全面禁煙と

条例制定に関する公開質問にご協力ください

 

 謹啓、大阪府知事選挙への立候補に敬意を表します。立候補されるにあたり、以下の動きを踏まえ、標記の件について公開質問をさせていただきたいので、ご協力をお願い申し上げます。

 

1.たばこ規制枠組条約(FCTC)の「受動喫煙防止ガイドライン」で、2010年までに「屋内完全禁煙」が定められました。

 

(1)このガイドラインは、20077月にタイ・バンコクでのFCTC第2回締約国会議で、日本政府を含む全会一致で採択されました。これに従い、FCTC発効5年以内の20102月までに、日本政府はこれらの全面禁煙の法的措置を採る必要があります。

 

(2)ガイドラインの24.「FCTC8条は、すべての屋内の公衆の集まる場所、すべての屋内の職場、すべての公衆のための交通機関そして他の公衆の集まる場所(屋外あるいはそれに準ずる場所)を完全禁煙として「例外なき(受動喫煙からの)保護を実施する義務」を課している。すべての締約国は、WHOたばこ規制枠組条約発効後5年以内に、例外なき保護を実現するよう努力しなければならない。」 

 

(3)ガイドラインの26.「受動喫煙からの保護は、職場として使用する自動車(たとえばタクシー、救急車、輸送車など)を含むすべての室内の、あるいは囲まれた職場において実現されなければならない。」 ガイドラインの27. 「本協定の条文は、すべての「屋内」の公衆の集まる施設だけでなく、「他の」(つまり屋外あるいはそれに準ずる)公衆の集まる施設も「適切な」場合は完全禁煙とするよう求めている。」

 

(4) ガイドラインの8.人々を受動喫煙から守るには法律(条例)が必要である。自主規制による禁煙対策は効果がなく、十分な保護が得られないことが繰り返し示されている。効果的な対策を行うためには、法律(条例)はシンプルで、明確な、施行可能なものにする必要がある。」、32.「この法律(条例)では、違反に対して罰金などの金銭的罰則を取ると明示すべきである。」

 

2.今月(200712月)に国立がんセンターが公表したJPHC study「肺腺がんのリスク2倍 夫から受動喫煙の妻 http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/59/passivesmoking_lung.html 」の成績を現実の我が国の女性の肺がん死亡数(2005年で16873人)に当てはめれば、夫が喫煙する非喫煙の妻の4千人前後が毎年肺線がんで亡くなっている(16873*0.7[7割が肺腺がん]*0.37[JPHC studyによれば37%が家庭での受動喫煙に起因する]4370人)という衝撃的数値となります。これらの受動喫煙危害のエビデンスに基づき、本ガイドラインの履行遵守を至急に進めるべきです。

 

3.諸外国でも禁煙法制化によって受動喫煙防止の徹底が実効性を上げていて、公共の場の全面禁煙で心臓発作などが減少している海外報告が相次いでいます( http://www.nosmoke55.jp/gakkaisi/200712/index.html#fujiwra )。

 

4.神奈川県では、今年2007年4月の知事の公約で2008年度を目途に「禁煙条例」制定の動きが進んでいます。 http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiidec0712156/

 

5.これらの国内外のタバコ規制の動きを受け、我が国でも、公共機関や公共の場、学校などの全面禁煙が急速に進みつつあります。大阪市立学校・園もようやく2008年4月から敷地内禁煙となり(全国的にも過半が敷地内禁煙)、自治体庁舎・出先機関内の全面禁煙も全国的に増えてきています(例えば府内では堺市役所や高槻市役所、兵庫県庁なども)が、大阪府庁には未だに喫煙室が残り(出先機関も多くが)大阪府立学校も大半は敷地内禁煙でなく(他の都道府県の大半は敷地内禁煙)、全国的に大阪府は対策の最も遅れている恥ずかしい状況です。

 

6.全国的趨勢となっているタクシーの全面禁煙も京阪神を除き、が現実の状況です。
 →
2008.1現在の都道府県別のタクシー禁煙状況マップ

 

 

7.本会が長年に亘って要請してきた過料付き「路上喫煙禁止条例」はようやく本年2007年4月より大阪市で施行されたものの、その喫煙禁止指定地区は御堂筋のみにとどまっていて、かつ府内市町村に広がる動きはありません(吹田市は過料なし)。

 

8.大阪府のガン死亡数(平成17http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/other/05sibou/03.html#2 )は、都道府県の中で、男は46位、女は最下位であり、平均寿命(平成17http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/tdfk05/index.html )は、男は36位、女は44位という悲しむべき状況で、この要因は複合的ではありますが、喫煙が予防可能な最大の要因であり、ガンのおよそ3〜4割は喫煙に原因があることが明らかになっていることから、禁煙推進がガン予防や寿命延伸の底上げに大きく寄与することは間違いなく、府民の健康増進施策にとって極めて重要な位置を占めています。禁煙推進は必ずや大きな実りをもたらし、行政施策の重点化が急がれる所以です。

 

 

本アンケート文は、以下のサイトにも掲載しています。

http://www.eonet.ne.jp/~shiryo/osakatijisen0801.htm

 

 

 以上の現状を踏まえ、以下の質問へのご回答を、ご多忙の折に誠に恐縮ですが、

1月16日を目途にいただければ幸いです(ご回答はファクスまたはメールで可)。回答結果は、マスコミ、及び本会会員に知らせる他、本会のインターネット・ホームページ(http://www3.ocn.ne.jp/~muen/)で紹介させていただきます。

 

 本会は「非喫煙者がタバコの煙に煩わされない社会と人間関係の確立」をめざして活動を行っている市民団体及びNPO団体で、前回の大阪府知事選挙のときも同様なタバコ対策の公開質問をさせていただき、ご回答をいただきました。参考までに、本会制作の啓発ポスターカレンダー2008年用を同封しました。

 

 末筆ながら、選挙でのご健闘を祈念申し上げ、当選後におかれましては、この問題を含め、みんなが住みやすい大阪府及び近畿圏のためにご尽力いただけますようお願い申し上げます。

 

                                                                敬 具

 


 

大阪府関係施設と公衆の集まる場等の全面禁煙と条例制定に関する
公開質問

 

ご芳名                             2008年1月    

 

以下の質問のご回答に○を付け、またご記入をお願いいたします。

(ご回答は、Fax06-6765-5020 または メール muensilver.ocn.ne.jp まで)

 

★問1 たばこ規制枠組条約の「受動喫煙防止ガイドライン」に沿って大阪府関係施設(庁舎、出先、学校、外郭団体等)について、少なくとも「屋内施設は全面禁煙(子ども・教育施設と医療機関は敷地内禁煙)」とし、先進的な模範となるよう、知事として指導性を発揮し進めていただけますか?

 

           はい   いいえ   その他(自由回答) 

 

 

問2 上記と重複しますが、大阪府立学校内は、全国的に大半の都道府県が実施している「敷地内禁煙」とするよう知事として指導性を発揮し進めていただけますか?

 

           はい   いいえ   その他(自由回答) 

 

 

★問3 たばこ規制枠組条約の受動喫煙防止ガイドラインに沿って、「大阪府禁煙推進(受動喫煙防止)条例」(仮称)を制定し、その内容として、少なくとも屋内(及び準ずる空間)について公衆の集まる場所(観光施設や飲食店を含む)、職場・事務所、交通機関(タクシーや停留所・ターミナルを含む)の禁煙、また子ども・教育機関(私学を含む)と医療機関については敷地内禁煙を定めるよう、先進的な模範をめざして、知事として調整し、指導性を発揮し進めていただけますか?

 

           はい   いいえ   その他(自由回答) 

 

 

★問4 路上喫煙禁止について、大阪市と同様に「大阪府路上喫煙禁止条例」(仮称)を制定し、人の通行の多い駅周辺、商店街、繁華街、アーケードなどを優先的に過料付き禁煙指定地区とし、受動喫煙と危害防止や防災上、至急に必要なことについて、知事として指導性を発揮し進めていただけますか?

 

           はい   いいえ   その他(自由回答) 

 

 

★問5 貴選挙事務所内は、運動員と支援者・訪問者の健康のために「禁煙」とされているでしょうか(予定を含む)?

 

           はい   いいえ   その他(自由回答) 

 

 

★問6 知事自らが、府民との対話や声を聞く機会を増やすために、定期的にそのような機会を設けていただくことについて、進めていただけますか?

 

           はい   いいえ   その他(自由回答) 

 

 

★問7 参考までに、あなたは、たばこを吸われますか?(このご返答は任意です)

 

           はい   いいえ   その他(自由回答)   無回答

 

 

以上に関連して、コメントやご意見などございましたら…

 

 


 

 

回答内容 2008.1.16現在(五十音順)   アンケート内容  先頭行へ

 

・梅田章二 候補

 

  問1〜7 いずれも 1.はい

 

コメント 大阪府関係施設と公衆の集まる場等の全面禁煙および条例制定について、

今後、貴団体はもちろん、関係団体とも協議を行っていきます。

 

 

熊谷貞俊 候補

 

  問1〜4  私は府民の健康を守るため、大阪府関係施設、府立学校内、多くの人が集

まるすべての公共的な施設や空間のいずれにおいても、喫煙や受動喫煙を減

らすべきだと考えています。

 府関係施設や府立学校内は一定の喫煙場所以外は終日禁煙とし、公共的な

施設や空間などにおいても分煙化に向けた積極的な啓発を行いたいと考え

ています。

 

  問5   選挙事務所は禁煙です。

 

  問6   府政は府民のためのものであるので、「徹底的な情報公開」のもとに透明性

の高い府政運営を行います。また、府民から政策提案などを受ける「目安箱」

を置いて、双方向のコミュニケーションを密にしていきます。

 

  問7   私自身は愛煙家です。マナーには充分気をつけています。

 

 

橋下 徹 候補   

 

 問1〜3 いずれも 1.はい

 

 問4   1.はい。各市町村長と協議します。

 

 問5   (私の)法律事務所は完全禁煙ですが、選挙事務所は分煙です。

 

 問6   1.はい。私は現実主義者であり、机上の空論よりも、現場の声を積極的にお聞きしたいと思っております。先日も、私の公約である公立小学校の芝生化を検証するために、芝生化を導入している小学校を視察しました(東大阪市立小阪小学校)。机上の空論で、反対論を唱える人も多いですが、実際、保護者や子どもたちの声を聞いて、芝生化は間違っていないと確信しました。今後もご意見よろしくお願いします。

 

 問7   2.いいえ。法律事務所は完全禁煙です。

 

 

 

本会コメント

   限られた選挙期間中に、対応いただき、ありがとうございました。

タバコの健康対策が、他の都道府県のなかで遅れている大阪府行政の中で、今後、重要課題の一つであるとご認識いただいたことと思われます。

当選された大阪府知事には、リーダーシップを発揮して、タバコの健康対策についても、国際標準と国内外の動向を真摯に見据え、施策を至急に進めていただくとともに、大阪府民のガン予防・健康増進、及び健康寿命や平均寿命の延伸などの基本的生活環境づくりの構築と密接にリンクさせた重要施策に、ご尽力を期待しています。

本会としては、ご回答を踏まえ、当選された大阪府知事に、改めて要請・提案書を提出し、対話と協議をお願いしたいと考えています。

 

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