⇒ 回答結果一覧 とコメント (4ページ目に記載) 2007.7.20掲載
平成19年(2007年)7月8日
国民の健康を喫煙及び受動喫煙から守る対策についての 公開アンケートにご協力を
NPO法人「子どもに無煙環境を」推進協議会 〒540-0004 大阪市中央区玉造1-21-1-702 Tel・Fax 06-6765-5020 http://www3.ocn.ne.jp/~muen/ NPO法人 日本禁煙学会 〒162-0063 東京都新宿区市谷薬王寺町30-5-201
謹啓,私たちの団体は,子どもと非喫煙者の健康をタバコから守る啓発活動,および禁煙推進事業を全国的に行っているNPO団体・学術団体です。(同封の啓発ポスターをご覧ください) 参議院議員選挙にご多忙の折,誠に恐縮ながら,標記アンケートへのご協力をお願いいたします。これまで,過去の参議院・衆議院選挙の折には,全候補者に,あるいは政党にアンケートをさせていただきましたが,今回,政党にアンケートさせていただきたいと存じます。
既にご存じのとおり,「WHOたばこ規制枠組条約」が,2005年2月に発効し,国際的に遅れていたわが国のタバコの健康対策は,徐々に進みつつありますが,なお多くの課題を抱え,行政サイドだけでなく,国会サイドで,より高い見地からの立法を含む取り組みが必要とされているところです。どうぞ,アンケートにご理解,ご協力をよろしくお願い申し上げます。
ご回答は,遅くとも,7月20日までにいただければ幸いです。結果は,マスコミ及び本会会員に知らせる他,本会ホームページで紹介し,各地の多くの方々にお知らせしたいと存じます。 末筆ながら,選挙での貴党のご健闘を祈念申し上げ,選挙後は,この問題を含め,国民みんなが住みやすく,健康的な生活ができるよう,国政にお力をお願い申しあげます。 敬 具
以下の質問のご回答に○を付け,またご記入くださり, 7月20日までに(出来るだけ早めに)返送いただければ幸いです。Fax06-6765-5020
政党名 ご担当部局:
問1 2003年5月に「健康増進法」が施行され,第25条で受動喫煙防止の努力義務が定められ,学校・病院,自治体庁舎,金融機関ロビーなど,全面禁煙・敷地内禁煙が広がっている一方で,レストランや,タクシー,職場,公道などの受動喫煙対策が進まない所や不十分なケースも少なくありません。 WHOは今年2007年の世界禁煙デーのテーマとして「タバコの煙のない環境〜室内は禁煙 完全禁煙環境を実現しよう」を掲げ,かつ各国に「屋内全面禁煙」を勧告しています。 公共の場では,施設管理者の自主性に任せるのではなく,原則全面禁煙とすれば,皆遵守しますし,国民の75%以上を占める非喫煙者の健康を受動喫煙から守り,かつ出来れば禁煙したいと思っている喫煙者の禁煙を促す良策ともなります。法改正あるいは新たな法律制定により,努力規定ではなく,義務規定として受動喫煙防止を徹底することについて,どうお考えでしょうか。
1.賛同する 2.検討する 3.現状でよい 4.その他(自由回答)
問2 健康増進法の受動喫煙防止規定により,また貴党国会議員や職員・訪問者等の健康のために,貴党会館・事務所内(地方支部も含め)は禁煙としていただくことが社会の流れから望まれると考えますが,どうお考えでしょうか。
1.実施済み 2.検討する 3.現状でよい 4.その他(自由回答)
問3 千代田区と同様な,過料付きの路上喫煙禁止条例が全国各地に広がっていますが,公道(歩道・路上・広場・屋外施設の通路等)における受動喫煙防止と危険防止のために,法律制定による対策とサポートが必要とされています。 健康増進法による受動喫煙の防止規定は「屋内の多数の者が利用する施設」とされていますが,路上喫煙を規制するために,公道もこれに含めることとするか,あるいは新たな法律制定が必要と考えますが,いかがでしょうか。
1.賛同する 2.検討する 3.現状でよい 4.その他(自由回答)
問4 未成年者の喫煙防止,喫煙者の禁煙促進,がん対策とタバコの健康対策費(禁煙教育や啓発等)への充当,タバコ耕作の転作支援やタバコ販売店の転業支援充当などのために,タバコ税・価格を順次大幅に引き上げる施策が諸外国で実効性をあげており,たばこ規制枠組条約でも提案されていますが,如何でしょうか。
1.賛同する 2.検討する 3.現状でよい 4.その他(自由回答)
問5 喫煙者に喫煙のリスクを正しく伝える一方法として,タバコのパッケージに健康警告のビジュアル(画像)表示と50%面積での表示の義務付けを導入する動きが国際的に進んでいますが,どうお考えでしょうか。
1.賛同する 2.検討する 3.現状でよい 4.その他(自由回答)
問6 昨年秋の健康日本21の中間評価で,喫煙率の低減目標の設定がJTの強い反対で見送られ,今年春には,がん対策推進基本計画も,同様に喫煙率の低減目標の設定がJTの強い反対で見送られました。マスコミも批判的な報道をしましたが,このようなことが起こる基本要因は,「たばこ事業法」を財務省が所管し,JT株の半分を国(財務大臣)が所有していることにあると指摘されています。所管替えを含む「たばこ事業法」の抜本的な見直しと,JT株の全株放出が必要な時期が来ているように考えますが,いかがでしょうか。
1.賛同する 2.検討する 3.現状でよい 4.その他(自由回答)
★以上に関連して,コメントやご意見,ご助言などございましたら,ご記入をお願いします。
参考1:【健康増進法(2003年5月1日施行)】 第五章 第二節 受動喫煙の防止 第二十五条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
参考2:【たばこ規制枠組条約(2005年2月27日発効)】
第八条 たばこの煙にさらされることからの保護 http://muen2.cool.ne.jp/fctcyakuword.doc り明白に証明されていることを認識する。 2 締約国は、屋内の職場、公共の輸送機関、屋内の公共の場所及び適当な場合には他の公共の場所におけるたばこの煙にさらされることからの保護を定める効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置を国内法によって決定された既存の国の権限の範囲内で採択し及び実施し、並びに権限のある他の当局による当該措置の採択及び実施を積極的に促進する。
|
1.賛同する(実施済み) 2.検討する 3.現状でよい 4.その他(自由回答) [自由民主党からの各問の記載意見] 問1 受動喫煙の防止措置の義務化については、第2回締約国会議において採択された「受動喫煙 防止に関するガイドライン」をはじめ、今後の受動喫煙防止対策の進捗状況等を踏まえ、必要 に応じて、検討すべきであると考えます。 問2 必用に応じ、受動喫煙防止対策に努めていきます。 問3 たばこの健康影響に関する普及啓発や受動喫煙対策等、今後のたばこ対策の進捗状況等を踏まえ、自治体 において必要に応じて検討すべきと認識しています。 問4 近年、国際条約の発効や国民の健康増進の観点から、たばこ消費を積極的に抑制すべきとの 指摘も出てくるなど、たばこをめぐる環境は変化しつつあります。このような指摘は、財政物 資というたばこの基本的性格に係わるものであることから、たばこに関するあらゆる健康増進 策を総合的に検討した結果を受けて、たばこ税等のあり方について、必要に応じて検討します。 問5 たばこ事業法施行規則において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の規定に沿っ た表示面積を確保することを義務付けるとともに、大きく、明瞭に、読みやすく表示すること を義務付けています。注意文言の記載面積等についての現行規制は、枠組条約に即したものと なっており、適切なものと考えています。また、威嚇的な表現となる画像を注意表示に採用す ることは適当ではないと考えます。 問6 JTの完全民営化については、国産葉たばこ問題が解決されることが前提条件であると考えて おり、この問題がまだ解決されていない今日においては、完全民営化をはかることは適当では ないと考えます。 [公明党からの各問の記載意見] 問3 公共の場・職場における分煙の取り組みが進んできている中で,たばこの健康に与える影響 の普及・啓発等を強力に推進し,検討すべきと考える。 コメント 貴会の取り組みを,今後とも広げるためにも,がん対策とも併せて受動喫煙の防止に全 力で取り組んで参ります。貴会の益々のご活躍を心より祈念申しあげます。 [民主党からの各問の記載意見] 問2 党本部では,事務局内を禁煙とし,喫煙できる場所を限定しています。 問3 2004年に民主党は,路上喫煙を規制する内容の「軽犯罪法の一部を改正する法律案」を議員 立法提案しましたが,与党の賛同が得られず,廃案となりました。 問4 喫煙が原因と考えられる疾病を予防するために,喫煙率を減少させることが重要です。タバ コ税値上げを含めた総合的な喫煙率減少対策を検討します。 問5 タバコを購入する人が,喫煙の健康被害について,正しく理解できる表示方法について検討 します。 問6 現段階では検討を行っていませんが,財政健全化の観点も含めて検討することは否定しませ ん。 [日本共産党からの各問の記載意見] 問2 大半は実施済み。地方支部等にも徹底するよう促している。 問6 ただし全株売却により,JTが利益第一主義にならないように配慮すべきです。 コメント 今後とも,みなさんと力を合わせて,たばこ問題に取り組みます。 [社会民主党からの各問の記載意見] コメント 日頃のご活躍に敬意を表します。
【本会コメント】 1.主要政党より,多忙の中,ご回答をいただきありがとうございました。タバコの健康 問題に社会的・国際的関心が高まっているため,ご回答いただけたものと思います。 2.いずれの問も「検討する」との回答が多くあったのは,今後の私たちや保健医療団体 などの,より一層の要請や情報提供を進め,実現を促していく必要性があることを示 しているかと思います。 3.問1の「 受動喫煙防止の義務規定」については,自民党が,7月初めに採択された
第2回締約国会議の「受動喫煙防止に関するガイドライン」(→参考リンク)を把握 期待したいところです。 4.問4の「タバコ 税・価格の順次引き上げと対策充当」は,各党とも概ね検討するとの ご回答でしたが,国際的動向 はこの方向に進んでおり,今後,喫煙率低減を含め総合 的対策の中で,引き上げの論議と実現が進められることが期待されます。 5.問5の「 パッケージの健康警告表示」については,自民党は現状,公明党と民主党は 検討,他は賛同,と回答が分かれましたが,今後の各党と国会論議などを期待したい と思います。 6.問6の「 たばこ事業法の抜本的見直しとJT株の全株放出」についても回答が分かれ ましたが,国会や高度な政治判断が必要とされる課題ですので,今後の各党と国会論 議などを期待したいと思います。
7.前回の衆院選挙で初めて政党への公開アンケートを実施し,それまでは過去4回の衆 今回の政党への公開アンケートでは,今後の対策・検討にそれなりに期待や課題とな る回答をいただき,タバコの健康問題に取り組む諸団体と連携し,これらを含めた包 括的なタバコ対策の実現に向け,なお一層の努力と情報 発信・提供を続けたいと考え ます。
|