2019415日 

日本禁煙学会「母子保健部会」設立趣意書

                  日本禁煙学会理事長 作田 学   

会員各位

1.
妊婦の喫煙や受動喫煙は母体の産科合併症のリスクとなるだけではなく、胎児の成長発達を妨げ、出生後のさまざまな健康被害のリスクとなることが明ら
かにされています。

・禁煙補助薬の使用が困難な妊婦の体系的な禁煙支援を構築し、妊婦の生活環境からタバコを完全に排除する必要があり、そのためには、妊婦自身への禁煙支援と並行して、パートナーや家族の禁煙支援が重要です。

2.
現在、妊婦の喫煙による周産期合併症や次世代への健康被害がクローズアップされる一方で、喫煙者であることを申告できず、禁煙できない妊婦も少なくなく、産後の再喫煙率の高さも問題視されています。日本には、妊婦や子どもの禁煙プログラムが普及しておらず、有用な禁煙支援を提供することが急務とされています。

3.
また、両親の喫煙は次世代の健康被害に加え、若年から喫煙習慣をもつ傾向が高く、強度のニコチン依存症の形成にともなう喫煙習慣の連鎖につながります。特に、妊婦の喫煙率の高い家族は、社会経済的背景(学歴・世帯所得・職業)による健康格差があり次世代へ負の連鎖を生じさせています。妊娠期から切れ目のない支援策が重要であり、喫煙対策のみならず次世代の健康に関わる社会的決定要因Social Determinants of Health)を理解し、次世代の健康問題の予防や低減のためには、保健医療以外の分野との幅広い協働が必要とされています。   

・日本禁煙学会において母子の禁煙支援活動、防煙対策に対して関心の高い、医師、助産師、保健師、看護師をはじめ医療職だけでなく、養護教諭、教師、保育士の教育職、また心理職などの方々との情報交換や活動は、次世代支援に関わる多職種の学会参加を促進し、母子保健対策として重要であると考えます。

4.
上記の趣旨に基づいて、日本禁煙学会内に新たに「
母子保健部会」を設立いたしたいと思います。つきましては、職種や専門資格は問わず、母子保健ならびに防煙対策の実施や学習に関心をお持ちの方々のご参集を呼びかけ、会員の方々のご参加・ご連絡・ご協力をお願いし、お待ちしております。

 

母子保健委員会 (予定)

山岡雅顕(洲本市応急診療所長;学会理事、兵庫県) 委員長

山下 健(大和郡山病院 産婦人科診療部長、奈良県立医大非常勤講師;奈良県)

酒井ひろ子(関西医科大学看護学部看護学研究科・教授、助産師・看護師;

            学会評議員、大阪府)

足達淑子(あだち健康行動学研究所、医師;福岡県) 

中村礼子(なかむら助産所院長、助産師・看護師;大阪府)

杉本哲夫(関西医科大学看護学部看護学研究科・教授、医師;大阪府)

西村美里(生長会ベルランド総合病院、助産師・看護師;大阪府

平間敬文(無煙世代を育てる会・代表、平間病院院長;学会理事、茨城県)

森島 真(森島医院;学会評議員、栃木県)

伊藤真理子(真理子レディースクリニック理事長、産婦人科医山形県)

野上浩志(子どもに無煙環境を推進協議会・代表理事;学会理事、大阪府) 

連絡先・部会参加登録:以下のhttpsへ https://notobacco.jp/jstcboshi/