9.メッセージの部 (1)匿名希望 (入賞,鳥取県鳥取市,北中学校2年,父の死から禁煙について, T18)  私の父は昨年、肺癌で亡くなりました。47さいでした。肺癌にかかった理由は、おそ らく、仕事のストレスとたばこの害によるものだと思います。  以前、父の朝食は、コーヒーとたばこ1服でした。「父=たばこばかり吸っている人」 と言っても嘘ではないようなほど、いつもたばこを吸っていました。  1度、母が「禁煙したら?」と勧め、禁煙を試みていましたが、続かず、車内やベラ ンダなどの私達の見ていない所でたばこを吸っていました。  私が小学校4年生の終わりのころ、背中が痛いと言って入院しました。母は病名を私 には教えてくれなかったけれど、何回も祖父と母と主治医で長時間話し合いをしていた ので、治りにくい、大変な病気なんだろうとうすうす感じていました。  それから父は,手術を受けました。手術後はICU(集中治療室)にいた父は、酸素 やいろいろな種類の点滴などたくさんのチューブや心電図など機械の線につながれて いるのを見て、その時本当に、私はすごくおもい病気だと感じました。  その後入退院を繰り返していましたが、私が6年の春頃、癌が副腎に移転しているこ とが分かり、主治医からは「あと1週間でもおかしくはない。」と言われました。  それから1年間、私の家では残り少ない父との思い出をたくさんつくっていきました。 家にいる時は、クリスマスパーティーや卒業パーティーなどもしました。  しかし父は、だんだん歩くこと、立ち上がること、起き上がることが出来なくなって いき、話すことも難しくなって、帰らぬ人となったのでした。  私にとって「たばこ」というものは、人の体を着々とこわしていき、最後にはその人 を、そして周りの幸せをもうばっていく恐しいものだと思います。あなたは、それを吸 いますか?でも、もしあなたの体がたばこの害に蝕まれたとしたら、悲しむのはあなた だけではないはずです。あなたよりつらい思いをする人が必ず、いるはずです。  そういう人がいることを知ったなら、もう自分で自分をこわすようなことはしないで 下さい。その1服のたばこがうばっていくものは、取り返しつかない大切なものばかり。 それでもたばこを吸い続けるのですか?  私は今、こんな呼びかけをする事くらいしか出来ないけれど、この呼びかけを聞いて くれる人が、1人でもいれば、そして「たばこは止めよう!」と言ってくれる人がいれ ば、私の父のような苦しみ、私達のような残された者の悲しみが少しでも減っていくと 思います。  これからの世の中を造るのは私達全員です。1人1人が協力すれば、たばこによる悲 しみのない世界がつくれるのではないでしょうか?    (2)長田 怜(入賞,静岡県静岡市,大里中学校2年,あとで悔やまぬために, T29)  (ご本人のご希望により,インターネットでの紹介は割愛させていただきました。 ただし3/29のサミットでの発表はあります)   (3)坂井百合奈(入賞,新潟県新潟市,万代長嶺小学校2年,たばこびょうの みなさんへ,T2)  今から7年前、わたしはこの世にたん生することによって、大切な人もいのちをすく うことができました。水原町にすんでいるじいちゃんは、わたしのおかあさんの父おや です。じいちゃんはむかし、たばこをすうのが大すきでした。おかあさんが子どものこ ろ、じいちゃんは1日に何十本もたばこをすっていました。おかげで家の中は、いつも けむりでまっ白だったそうです。  そしてある日、じいちゃんはたおれてしまいました。入院した時、おいしゃさんが「も う二どとたばこをすわないでください。」と言いました。でもじいちゃんは、たいいん しても、たばこをやめませんでした。  へいせい6年にお父さんとおかあさんがけっこんして、わたしがおかあさんのおなか にめばえました。おかあさんはわたしを生む前、水原町にさと帰りしました。じいちゃ んはその間、ばあちゃんにちゅういされて、たばこをすう時は、外に出てすっていまし た。へいせい7年3月にわたしは生まれました。じいちゃんにとってわたしは、はつま ごでした。じいちゃんは、わたしをとてもかわいがってくれました。そしてついにみん なに「かわいいまごのためだ。」とせんげんして、たばこをやめました。  わたしのお父さんも、じいちゃんと同じで1日に何十本もたばこをすっていました。 でも、わたしがおかあさんのおなかにめばえたことを知ったその日から、きっぱりたば こをやめました。じいちゃんもお父さんも、たばこをやめることは、とてもつらかった そうです。でも、たばこよりもっとわたしの方が大切だと思ったので、がんばってやめ ることができました。  今、わたしのかぞくでたばこをすう人はだれもいません。でも町に出ると、歩きなが らたばこをすう人や、レストランなどでたばこをすう人に会うことがあります。  わたしが赤ちゃんのころ、ベビーカーにのっていた時、おかあさんは何どもきけんな 思いをしたそうです。歩きながらたばこをすう人のはいや火のこがわたしの方にとんで きたからです。また、レストランに行った時、たばこのけむりがながれてきて、せっか くのごちそうがまずくかんじたことがあります。  この前、わたしは新聞で、たばこには本人がすう「しゅりゅうえん」と、くゆらして いるじょうたいで出る「ふくりゅうえん」があることを知りました。つまり、いくら自 分がたばこをすわなくても、まわりにたばこをすう人がいたら、すわない人の体の中に までわるいけむりが入ってくるのです。また、たばこにはゆうがいぶっしつがふくまれ ていて、ダイオキシンのうどは、ごみしょうきゃく場の3ばいいじょうもあることが分 かりました。  わたしはこのきじを読んだ時、たばこをすうことは、はんざいのいっしゅだと思いま した。どうしてかと言うと、たばこをすう人はまわりにいるつみのない人やしぜんにま でひがいをあたえるからです。たばこをすうなら自分のことだけでなく、まわりにいる 人たちのことも、きちんと考えなくてはいけません。それは、たばこをすう人の、さい ていげんのぎむだと思います。  たばこには、いいところは1つもありません。たばこをすう人の体をこわし、すって いないまわりの人にひがいをあたえ、かんきょうおせんにもなるからです。そして、た ばこをすうということは、がいを人にうつすりっぱなびょう気だと思います。  そこでわたしは、たばこびょうの人に言いたいです。やさしい心があるなら、まわり の人のために、大すきな人がいるならその人のために、そして自分のためにたばこをや めてください。そして自分がすむ大切なちきゅうをまもるためにもです。ぜひつよい心 で1日も早くたばこびょうからぬけ出してください。わたしは、みらいがたばこのけむ りのないせかいになることをねがっています。 (4)亀田まなみ(入賞,兵庫県加西市,九会小学校1年,おっちゃんたばこす わんといて,T17)  わたしのかぞくは、だれもたばこをすいません。それは、たばこがからだにわるい ものだとみんながしっているからです。おとうさんは、しごとからかえってくるとた ばこのにおいがついたふくをベランダにほします。たばこのにおいが、わたしやおか あさんにつかないためです。そして、そのにおいで目やのどがいたくならないためで す。わたしは、みんなのからだをまもってくれているおとうさんが大すきです。  ずっと前、おかあさんといっしょにおとうさんのおべんとうをもって、おとうさん のかいしゃへいきました。わたしは、びっくりしました。おとうさんがいるじむしょ にはいると、へやはたばこのにおいやけむりでいっぱいだったからです。そのへやの 中で、おじさんやおばさん、おねえさんがしごとをしていました。そして、おとうさ んも。  おかあさんがおべんとうをわたしたとき、わたしは、「おとうさん、こんな中でたべ たらたばこのけむりがおかずにまじってしもて、おべんとうがどくになっちゃうよ。」 と、いいました。おとうさんは、こまったみたいにわらいながらわたしのあたまをな でてくれました。おとうさんのつくえのむこうでたばこをすっているおじさんが、ち らっとわたしをみました。わたしは、「おっちゃん、たばこすわんといて。けむりがお へやいっぱいにひろがって、たばこをすわへんおとうさんも、たばこをすっているの とおんなじや。びょうきになってしまう。」と、こころの中でさけびました。こえにで なかったんです。  わたしは、かえりのくるまの中でなきました。 「おっちゃん、たばこすわんといて。」と、いえなかったのがくやしかったんです。い つも、いつも、「みんな、けんこうであたたかいきもちのかぞくでおろうなぁ。」と、 はなしてくれるおとうさん。そんなおとうさんが、びょうきになりそうなけむりの中 でしごとをしているのをおもいだすと、なみだがとまりませんでした。  いまでも、おとうさんは、しごとからかえってくると、たばこのにおいがついたふ くをベランダにほしています。そんなおとうさんをみると、たばこのけむりでいっぱ いだったじむしょや、たばこをすっていたおじさんのことがあたまにうかびます。そ して、「おっちゃん、たばこすわんといて。」と、いえなかったわたしをおもいだしま す。  でも、いまは大きいこえでいえます。だって、わたしにもおとうさんのからだをま もってあげたいってきもちがいっぱいあるから。  だから、いま大きいこえでいいます。 「おっちゃん、たばこすわんといて!」 (5)木村直人(入賞,宮城県仙台市,五橋中学校1年,子どもの健康と生命を 守る環境を,T11)  僕たちの住む仙台市の市立の幼稚園・小学校・中学校、そして高校までのすべての学 校内でのたばこが2003年10月4日の二学期から全面禁煙となります。  学校の教職員はもちろん、学校を訪ねる保護者なども禁煙の対象となります。学校の 中を禁煙とするのは、「仙台市の将来を支える子どもの健康を守り、市民が健康につい て考えることが目的です。」と仙台市長が語っていたことが新聞に報じられていました。  2002年度から和歌山県の小中学校や高校の中で全面禁煙となっていますが、幼稚園ま でを含めた禁煙の完全実施は、仙台市が全国で初めてなのだそうです。  僕はとてもうれしい出来事だと思いました。というのも、僕の祖父はたばこの吸いす ぎが原因と考えられる肺ガンで亡くなっているからです。僕の祖父は戦後ずっとたばこ を吸い続けていました。  祖父は70歳を過ぎた頃から、時々胸のあたりを押さえ始め、何か苦しみを抑えるよ うな仕草をしていました。その後、夜の間に、三度も四度も風呂に入るようになり、お かしいと気づいた祖母が病院に連れて行った検査をした時には、末期の肺ガンで、あと 6カ月の生命と診断されました。  祖父が夜中に何度も風呂に入っていたのは胸の痛みをやわらげるためだったのです。  祖父が胸の苦しみを周囲に洩らさなかったのは、シベリアでの抑留生活が長かった為、 苦しみに耐えることに慣れていたためではないかと思います。僕の父が祖父のレントゲ ン写真を見た時、肺を囲む胸の骨の一部が消えていることに気づき驚いたそうです。  肺ガンが進行し骨の一部が溶けていたのでレントゲン写真には映らなかったのです。  祖父は健康がとりえで、病院に行ったことがないことを自慢していました。でも、長 い間たばこを吸い続けていた結果、祖父の体の中でゆっくりと肺ガンが進行していたの です。  たばこを長時間吸い続けていると健康を害し、少しづつ体をむしばみ、ついにはその 生命をも奪ってしまうことを祖父を通して知りました。僕の家では、両親を含めたばこ を吸う人はいません。家の中でたばこを見ることはありませんが、家から一歩外へ出る と、たばこの自販機がいっぱいあります。  この前、買物の帰り道、仙台駅前の路上でたばこを吸っている高校生の生徒が警官に 補導されているのを見ました。  高校生がたばこを吸って補導されると「停学処分」になることが多いそうです。  インターネットで高校生とたばこの関係を調べてみました。  大阪府が2000年4月に発表した資料では、過去3年間で、停学等の処分を受けた生 徒16、288件のうち、たばこを吸っていたことを理由とするのが、49.5パーセントの8,056 件だったそうです。つまり、高校で停学等の処分を受けた人の半数はたばこを吸ってい たことが原因だったのです。  国立公衆衛生院が、たばこを買ったことのある高校3年生の男子生徒について調査を しています。それによると、たばこをどこで買ったかについては、74パーセントの人が自動 販売機で購入したと答えています。  多くの高校生がたばこを吸って補導され停学などの処分をされている一方で、販売し た大人は自動販売機の陰に隠れて誰も責任をとらずいるという社会はどこかおかしい と思います。大人の人たちには、子どもの健康と生命を守るために、子どもがたばこを 吸わないですむような社会環境を整備する大きな責任と義務があると思います。  僕は、日本中のすべての子どもが、たばこを吸わないですむような社会を実現してほ しいと大人たちに強く訴えたいと思います。 (6)森田真穂(入賞,東京都荒川区,峡田小学校3年,おいしさの味をそこね るけむりいわく!,T27)  それはみんなで楽しく食事に出かけた時の事だった。何を食べたいか、何がおいし そうなのか色々と考えてやっと決まったのは、「天せいろ。」冷たい日本そばと、あげ たてのえびや野菜の天ぷらが、「ジューッ!」という音とともに、「おまたせしまし た!」というおいしそうな声とにおいといっしょに、はこばれてきた。お茶を飲んで、 まだかまだかと、やっときたときには、ウキウキした。  いつもは、「どうせのこすのだから、はじめからわけておきなさい。」とお母さんに 言われているけれど、その時だけはとてもおいしそうなので、全部食べられそうもな いけれど早く口に入れて、味わいたいなぁ〜と思った。  そしておいしいおそばを全部たいらげて、「まほちゃん!すご〜い!」って言われて、 体は小さいけれど、おいしいものは食べ切れるものだと、自分でもびっくりした。そ して、楽しみにとっておいた天ぷらを、「ニターッ」としながら、まずはしその葉を「パ リッ!」そしてししとうを「サクッ!」と食べて得意じゃないナスにもちょうせんし た。今まで「グジャッ!」としている感じが好きではなかったけれど、けっこういけ る感じがした。どうしてかなぁ〜と思って聞いてみたら、やっぱりあげたてはちがう と言われた。最後にエビにガブリ。やっぱりおいしい幸せだなぁ〜と思った。今日は いい日だなぁ〜とも思った。  でもエビをひと口、入れたところで気持ちがわるくなった。今までの空気とちがう においが、やってきた!「あーっ!たばこ?」って言ってけむりの方向を見て、「あそ こ!」って言って指をさした。せっかく一番大好きでおいしいエビを最後にとってお いて、楽しみに1口食べたところで、そのおいしいにおいや、ふんい気は、一しゅん にしてなくなってしまった。とってもざんねんだった。私のおなかの中に入るはずの、 のこりのエビも、なぜかションボリしている感じだった。手でけむりをよけても、ど こからともなくやってくる。とってもがっくりしたし、むねがいたくて苦しくて、気 もちが悪くなった。楽しくおいしく食事をしているのに、どうしてそのせいで最後ま で食べられないのか、とてもくやしく思った。食事の前のルンルンした気分は、いっ ぺんになくなっていくし、おいしいものもおいしくなくなってしまった。  きんえんせきはきちんと作ってある。それなのに、そのけむりが、「フワーッ!」と わたしたちの方へきた時、そのすっている人にお店の人は何も言ってくれなかったし、 すいはじめた人も、もう少し考えてけむりがきんえんせきの方に、こない方法を考え てほしいなぁ〜とも思った。けむりの方向ぐらい考えてからすいはじめていいのにな ぁ〜とも思った。わたしは、わるい事をしたわけでもないのに、なんでイヤなけむり をすわなければならないのか、どうしてもなっとくできない。  自分が「ホーッ!」としたくてすったとしても、そのけむりは、私のような小さい 子どものむねをまっ黒にしてしまう。私が指をさしたところで、そのおじさんは火を けしていた。でも、そのけしたあとも、けむりのにおいはのこっていたし、すってい る人も、「あっ!」と気づいたのなら、周りの事を考えて、これからはやめてほしい。  自分でいくら気をつけていても、心ないおとなのたばこのけむりって、わたしのよ うなゼンソク児や、小さい子供には、とても苦しいものなんだって、これからも言い 続けていきたい。知らない人にかかわると何をされるのかわからないから、今はいつ もにげる事ばかりしているけれど、きちんとしたマナーの食事の仕方を、まずは大人 の人たちがしてほしい。そうしないと、子供たちはどこにもにげる場所が、なくなっ てしまうから。こんな21世紀のはじまりは、悪い事が、自分の勝手な自分につごうの 良い方にばかり考えられて、ふつうに息ができない時が多いけれど、わたしの未来に はきっと、たばこのけむりは、この世の中から、なくなっているといいなぁ〜と思い ます。 (7)安井美貴(入賞,和歌山県田辺市,長野中学校3年,親のタバコの幼児へ の影響,TD85) 私は最近「えっ」と思う光景を見ることが多くなりました。それは妊娠中の人がタバ コをすったり、赤ちゃんをだきながらタバコをすっている人たちが多いということです。 ちょっと家から出たらそういう光景が目にとびこんできます。私はその人たちはすって いてなにも思わないのかなと思います。タバコはすっている人よりその周りの人の方が 体に悪いのです。話しができるようになれば「いやだ。」とか「くさい。」などいうこと 親にいえます。でも赤ちゃんはそういうわけにはいきません。いやでもタバコの煙をす わなくてはいけません。  タバコの煙をすっているということは、毒をすっているのと同じようなことなのです。  そういうことをかんがえてみるとすごく残酷のことをしているなとつくづく思いま す。父親なのになぜそんな子どもに悪いことと知っていながらタバコをすうんでしょう か。私は理解ができません。そうんなことは生まれてきてからだけではありません。 お腹の中にいるときからタバコの害を受けている場合もあります。それは妊娠中の人が タバコを吸っている場合です。母親と胎児はへそのおでつながっています。母親がすっ たタバコの毒がへそのおを通って胎児の体内に吸収されていきます。その結果未熟児で うまれてきたりします。最悪の場合は流産や死産などを引き起こしてしまいます。  自分のかわいいかわいい子どもを自分の手で命をおとすようなことをしなくていい のにと思います。せっかくさずかった子どもなのにとすごくかなしく思います。もっと 自分のお腹の中に子どもがいるということを意識してほしいです。  こどもの受動喫煙と云えば、家族が吸っているタバコの煙を直接、すうことだけを考 えがちです。その結果、子どもの前でタバコをすわなければ子どもの受動喫煙を減らせ ると誤解されています。私もタバコの煙を直接すうことだけを受動喫煙だと思いこんで いました。しかし本当はちがったのです。  受動喫煙の大半は室内に滞留しているタバコの煙を知らないうちに長時間にわたっ て吸うことによっておこります。子どもがいないといって家の中でタバコをすっても子 どもの受動喫煙は消えません。なにげなくタバコをすった部屋で子どもが数時間いると 直接、タバコの煙をすったのと同じ、場合によっては何倍もの煙をすいこんだことにな ります。  子どもがいるときだけを禁煙にするのではなく子どもがいないときも禁煙してほし いです。  私は禁煙者の人たちにいいたいです。大人の人たちは自分からタバコをすっているか らいいかもしれないけどこどもたちはそうではありません。すうならすうでもうちょっ と場所を考えてすってほしいです。そういう人たちがいるから子どもの受動喫煙はなく なりません。年間約千人の小さなこどもが受動喫煙によって命をおとしていると聞いた ことがあります。もう少しタバコをすうことはどういうことなのかを考えてほしいです。 (8)松村 恵(入賞,北海道松前郡福島町,吉岡小学校5年,たばこは、悪い 物だよ!,TD157)  私のお父さんは、大のたばこ好きです。私の生まれる前は、トイレでもねる時でもず っとたばこをすっていたといわれるほどです。  でもある時、お母さんが、「赤ちゃんだっているんだから、トイレやねる時ぐらいは やめてよ。」と言うと、お父さんはやめたということです。自分の子どものことを考え、 きっぱりとやめてくれたお父さんってすごいなぁと思いました。だって1日にあの小さ い箱、1箱を全部すってしまうほどだったのですから。  たばこをためたお父さんは、よく、「ごはんもおいしくなったし、やっぱりやめてよ かった。でも、他の人がすっている時のけむりのにおいくさいな。」と言います。すっ ていた時にはかんじなかったけむりのくささがやめてしまうと、人には不快なものだっ たとつくづく感じたようです。  私は、お父さんみたいにやめる人がどんどんふえていってほしいと思います。だって たばこは、とても体に悪いものだからです。中には、それが原因で体をこわしてしまう 人だってたくさんいると思う。お父さんが、早いうちにやめてくれて、本当にうれしい です。  しかし、やめる人がいる一方で、テレビでは中学生がたばこをすっているという話を 聞きます。私は、この話を聞いてとてもがっかりします。なぜ、体に悪いものを、中学 生という若い年れいで、すってしまうのでしょう。法律でも、未成年のたばこは禁止さ れています。  1番上のお姉ちゃんは、残念なことにすっています。でも1日3本ぐらいで、多いと きは5、6本すいます。お父さんもすわない人だから、お姉ちゃんにもやめてもらいだ いと思います。体に悪いたばこは、自分の体のことを1番に考えたら、やめて当然のこ とだと思います。たばこをすっている人は、やめられなくなってすっているようですが、 体の中はぼろぼろだと思います。また、すう人は、そのまわりにいる人の気持ちをかん がえたことは、あるでしょうか。前に先生がたばこをすっている人よりそのけむりをす っているまわりの人達が体に悪いと話をしてくれたことがあり、その時私は、少し(ド キっ)としました。それからはなるべくたばこをすっている人のそばには、行かないよ うにしました。すっていない私の体がボロボロになってはいやだからです。そっちの方 が「やめて」と言うより自分にとってはいいことだと思います。でもこのようににげて ばかりもいられません。「やめてほしい」という声をどんどん出していきたいと思いま す。  これから自分でも大人になってたばこをすわないようにしたり、たばこをすわないで と言う方になりたいとおもっています。若い人のたばこをすう数がどんどん多くなる中 で少なくなっていってほしいと思います。われが私達の願いだからです。 (9)佐藤智代(入賞,熊本県熊本市,熊本大学1回生,たばこの煙で大学に行 けない,T25)  私は大学一年生です。けれども,現在はほとんど大学には通えていません。  私がなぜ大学に通えないのか―それは大学のキャンパス内がたばこの副流煙であふ れているからです。構内ではとりあえず喫煙所が設けてあるものの、その数は異様に 多くまた、設置場所は大学生活を送る上で必ず通らなければならない場所、例えば校 舎の入口、掲示板のあるロビー、教室へ行く廊下、食堂などです。廊下やロビーに喫 煙所があるせいで、教室にも副流煙が入ってきます。また、歩きながらタバコをすう 学生や教授も多く,副流煙を吸わずに大学で勉強するのはまず不可能です。  私は気管支ぜんそくを患っています。そのため、たばこの副流煙を吸うと呼吸が出来 なくなり、ひどいときには発作を起こして動くことすらできない状態になってしまいま す。実際大学に入ってからも何回も発作を起こしてしまいました。だからこそ、私はな んとしてでも副流煙を吸うのを避けたい―けれども現実的には大学に通う上でそれは 無理である―結局、私は大学に行かない、いや行けないという選択肢をとるしかないの です。  大学に入って、本当にやりたいと思えるような学問もみつかり、心から尊敬し、信じ られる親友もでき、本当に幸せに思います。けれども、授業にすら出席することができ ず、せっかく出会えた親友にも多大な迷惑をかけてしまっている現在、この大学に入学 したことに対して後悔の念があることも確かで本当につらい気持ちでいっぱいです。そ して何よりも、親元をはなれ1人暮らしをしている私のために、私が生活や勉強をする のに困らないようにと毎日仕送りをしてくれる両親に対して申し訳ない気持ちで胸が 押しつぶされそうになります。  たばこの副流煙を吸うことのない環境下で勉強したい―これは単なる私のわがまま なのでしょうか?私ががまんすれば、それで全てがおさまるのでしょうか?我々嫌煙者 は喫煙者に対してなすすべなくだまっているしかないのでしょうか?  たばこを吸う人に知っていてほしいことがあります。それは、あなたがたが何気なく 吸っている1本のたばこが、嫌煙者、特に私のように気管支が弱い者にとっては死活に かかわるほどの脅威であるということ。副流煙には主流煙以上の害があるということ。 吸っている自分自身は自分の意志に基いて吸っているのかもしれないけれど、周りにい る人々は副流煙を吸わされることによって自分の意志とは無関係で健康を害されガン などのたくさんの病気へのリスクを負わされるということ。  最近、世の中でもたばこの害についてさかんにさけびはじめられ、一部では歩きたば こを禁止にする条例が出されたりするなど、法的な措置がとられたりしつつあります。 このような世の中の動きは、嫌煙者の私にとっては本当にうれしい、生きる支えともな ります。どうか、これからもこのような世の中の動きが続いてほしい。そして、せめて、 私達の子供が世の中に出るころまでには、嫌煙者が副流煙にさらされることなく快適に 過ごせるような世の中になってほしい。それが私の願いです。 (10)三谷 光(入賞,福岡県北九州市,横代小学校6年,みんなのために,お願 い,TD130)  私のお父さんは、今までたばこを吸っていました。でも、今は、もう吸ってはいませ ん。なぜなら、お父さんは、私とお兄ちゃんのためにお願いをきいてくれたのです。今 までは吸っちゃダメと言っても、やめてくれませんでした。でもちゃんと、やめてくれ たのでよかったです。  私のお父さんは、「くぎりがないとやめれんのよ。」と言っていました。  私は、なんでくぎりがないとやめれないのかな、健康じゃないのを吸うのかなと思い ます。たばこを吸って、周りの人の方が、病気などになりやすいそうです。お父さんは、 40才になってたばこを吸うのをやめました。なぜお父さんが40才になって、たばこを やめたかというと、20才のはんぶんは、40才だからです。やっぱり20才のはんぶんの 40才でたばこをやめたので、お父さんもくぎりでやめていました。私のお父さんもおな じパターンでした。私は、このことでくぎりがないとやめれないことがわかりました。 でも、私は、こんなに体にわるいものすぐにやめればいいのにな!! たばこを吸ってい る人たちは、そういうことがわからないのかなぁと思いました。たばこを吸っている人 だけの問題ではないということをわかってほしいです。私は、1人でも多くの人に“た ばこ禁止”“吸わないで”という気持ちがわかってほしいです。なぜなら、たばこを吸 っている人たちも、周りの人たちも健康になってほしいし、元気になってほしいからで す。私は、たばこを吸っている人たちは、ずっとたばこを吸っていると、たばこをはな せなくなると思います。でも、がんばってやめてほしいです。“みんなのために”  道を歩いているとき、たばこを吸っている人がよくいます。私は、そういう人は、や めればいいのにと思う。とくに、にんぷの人。にんぷの人がたばこを吸っているとした ら、私はその人に、「ぜったいに、たばこは吸わないで。赤ちゃんが、かわいそうだよ!! もう吸っちゃいけないよ。」といいます。  なぜなら、赤ちゃんがかわいそうで、生まれてきて、体重が増えなかったり、心臓に しょう害をもったり、ひめいをあげたりするからです。健康な赤ちゃんが生まれてきて ほしいので、にんぷの人も、たばこを吸っている人も、たばこは、吸わない方がよいで す。そこでみなさんに、ちょっと質問します。  みなさんは、たばこのことをどう思っていますか?  「たばこは吸わないで!!」と言ったらやめられますか? 私は、たばこのことを、みんなの“てき”だと思います。 たばこを吸っている人のてきだけど、まわりの人も、吸っていることになるので、ま わりの人も、においたくてにおっているわけでもないので、てきだと思います。 最後に、たばこを吸っている人も、吸っていない人にも、お願いです。ぜったいにた ばこは、吸わないでください。吸っているあなたにも、まわりのあなたも、体の毒です。 みんなのために、お願いです。 たばこは、吸わないでください。   (11)中廣 遊(入賞,東京都杉並区,公文国際学園中等部1年,たばこをやめ て若くなったおじいちゃん,T13)  先日、僕がまだ赤ちゃんだった頃のアルバムを見ていて気づいたことがあります。 今年70歳になった祖父が、その頃よりも今のほうが若々しく見えたのです。写真の祖 父は、今よりやせていて、何となく顔色もよくありません。今は髪こそ白くなっていま すが、頬がふっくらとしていて顔色もよいように感じます。一緒にアルバムを見ていた 両親にそのことを言うと、確かにそのとおりだという話になりました。  なぜだろうと話をすすめるうちに、祖父は60歳をすぎてからタバコをやめたから じゃないかということになりました。僕は祖父がタバコを吸っていたことをまったく 知らなかったのでびっくりしました。僕が生まれてまもない頃、遊びにきた祖父はベ ランダや台所の換気扇のところでタバコを吸っていたそうです。そのうち、遊びにきて もタバコを吸わなくなったので、どうやってやめたかをきいてみると、遊―僕のことで す。―に嫌われたくないし、健康のためにやめたとの返事がかえってきたそうです。  同じころ、母方の祖父もタバコをやめたので、母親は孫の力って偉大なんだなと思った そうです。続いて、父も母もタバコの煙がうずまいているのが日常的な子ども時代を 送ったので、脳細胞がずいぶん死滅してしまったはずだと冗談とも思えない口調でい っていました。それをきいて、2人の祖父はもう30年早くタバコをやめる意識をして いたらよかったのになと両親に同情しました。そして自分は、そういう意味では幸せ なんだなと思いました。家族中、誰もタバコを吸わないので1日のうち大半はクリー ンな空気の中で生活できるからです。困るのは、道路、レストランなどでタバコを吸 う人が近くにいる時です。日本ではまだまだ愛煙家がのさばっているのです。東京都 千代田区では歩きタバコ禁止条例ができましたが、まだまだ手ぬるいと思います。本 来なら全国で、公共の場所では全面禁煙にしてほしいところです。しかし、千代田区の 条例が最初の一歩となってどんどん禁煙地帯が広がっていってくれることを期待して います。タバコの煙はまちがいなく、まわり中の人たちに迷惑をかけているのですか ら。  話は少しそれますが、そういう意味ではタバコ社会の宣伝文句の「あなたの健康のた め吸いすぎには注意しましょう。」のフレーズには本当に腹がたちます。  僕はあと8年足らずで大人の仲間入りをするのですが、決してタバコは吸わないと 心に決めています。はじめから吸わなければやめるために苦しむ必要がありません。 僕の両親もそうでした。だから友だちがもしも好奇心にかられてタバコに手をだそう としたら必ず止めます。それが真の友情というものだと思います。そして現在吸って いる人には、二人の祖父の例をあげて、やめるのはいつでも遅すぎるということはな いと伝えたいと思います。祖父が60歳をすぎてタバコをやめたことは称賛に値する ことです。若さと健康を取りもどした意志の固い祖父をもったことを誇りに思ってい ます。おじいちゃん、ありがとう。