厚生省 公衆衛生審議会 御中

                 特定非営利活動法人「子どもに無煙環境を」推進協議会
                          会 長  竹 村  喬 

「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」への意見書
 主にたばこ対策について

私たちの団体は,「子どもに無煙環境を 」をテーマに,子どもの周りにたばこの煙のな
い環境を整え,かつ来年2000年に制定100周年を迎える「未成年者喫煙禁止法」の社会
的実効性を求めた未成年の喫煙防止の啓発活動を行っています。この立場から,意見
を申し述べます。

1.「健康日本21基金」を設け,住民参加の健康づくりを

イ)家庭内を含め,様々の啓発を進めることが必須ですが,本会のような啓発だけでなく,
  全国各地や地域諸団体も連携した多様な啓発と取り組みが望まれます。そのために
  は,「健康日本21基金」を設け,たばこ問題以外も含めた助成制度を創設し(子育て
  支援基金のような。ただし21基金は10年間で使い切るような基金でも良いのでは),
  NPO団体や青少年団体,地域団体などの創意工夫をこらした活動に助成をすれば,
  「健康日本21」に沿った大きな果実を生むと考えます。

ロ)基金助成に含まれるかも知れませんが,喫煙防止や禁煙サポートの新たなツールの
  開発助成として,例えば劇や人形劇,紙芝居キャラバン隊,喉摘者などの禁煙講話の
  出前組織などを各地に作るようサポートし,各地の催し等に組み込んでいけば,子ども
  たちを煙害から守るだけでなく,未成年の喫煙防止,大人のたばこ離れも促し,かつ
  新たな文化活動の育成にもなるように思います。

2.未成年の喫煙を半減させるためには,未成年者がたばこを買えない社会のあり方が必
  須で,そのためにはたばこ自動販売機の撤廃が何よりも重要です。自販機は未成年を
  識別しないのですから,「未成年者喫煙禁止法」の趣旨からいっても,未成年がたばこ
  を買える自販機は最優先に撤廃されるべきです。

3.コンビニやたばこ店でも未成年者がたばこを買っています。「未成年者喫煙禁止法」に
  年齢証明の明示の義務づけと,違反業者への処置を盛り込むべきです。

4.若者向けの雑誌や新聞の広告,屋外広告塔,イベント広告など,たばこ広告を禁止
  べきです。タレントも登場するこれらたばこ広告は,未成年者や若者への影響が大き
  く,制限が必須です。

5.公共空間の禁煙のなかでも,特に,未成年者の喫煙防止の観点から,青少年・スポー
  ツ施設など子どもたちの利用施設の禁煙が急がれます(例えば高校野球大会の甲子
  園球場は未だに喫煙自由です)。これらの施設の禁煙義務の法整備をはかるべきで
  す。

6.以上の2〜5は厚生省の所管外との他省庁の抵抗があり得るかも知れませんが,国民
  の健康問題は厚生省の所管ですし,何よりも次代を担う子どもたちの健康を守るために
  最優先されるべきことです。是非強力に押し進めてください。

7.電波媒体やマスメディアでの,「子どもに無煙環境を 」や喫煙防止・禁煙メッセージの
  広告も望まれます。ただこれらは費用が非常にかかるので,たばこ問題以外のキャンペ
  ーンも含め,公共広告機構に協力を求めてはいかがでしょうか。
 
                                           以 上 1999.8.31