欧州委員会は6月29日、がん予防対策の一環としてフレーバー付きの加熱式たばこの販売禁止を提案した。ロイター通信などが伝えた。
欧州委が販売禁止を呼び掛けているのは、葉たばこを加熱して発生した蒸気を吸引する加熱式たばこで、葉たばこではなくカートリッジ内の液体を蒸気化させて吸引する電子たばこの販売は規制の対象に含まれていない。
キリアキデス保健衛生・食の安全担当委員は声明で、域内の肺がんの9割は喫煙によって引き起こされていると指摘。「フレーバー付きの加熱式たばこを市場から排除すれば、2040年までに喫煙者を域内人口の5%未満に減らす目標を後押しできる」と述べた。また、「喫煙行為は魅力的ではないというイメージが定着すれば、欧州連合(EU)市民の健康や命を守ることができる」と説明。特に若者の喫煙を阻止することが重要と話している。
加熱式たばこの製造業者は今回の提案に対し、加熱式たばこは他のたばこ代替製品と比べて健康被害は少ないと反発している。
EUが先に公表した調査によると、域内の少なくとも5カ国でフレーバー付き加熱式たばこの販売量は18~20年に10%超拡大。たばこ販売全体に占める割合は2.5%を超えている。[EU規制]