喫煙可150平方m以下の案 厚労省、当初から大幅緩和

2017年11月16日14時54分 朝日 http://digital.asahi.com/articles/ASKCJ3DBNKCJULBJ002.html?_requesturl=articles%2FASKCJ3DBNKCJULBJ002.html&rm=572 

 

 受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正について、厚生労働省が店舗面積150平方メートル以下の飲食店の喫煙を認める案を検討していることがわかった。2020年の東京五輪パラリンピックに間に合うよう与党と調整して来年の通常国会への提出を目指す。床面積約30平方メートル以下のバーやスナックのみで喫煙を認める当初案から大幅に緩める案で、患者団体などから反発の声が上がっている。

 新たな案では、店舗面積150平方メートル(客席100平方メートル、厨房(ちゅうぼう)50平方メートル)以下であれば、飲食店側の判断で喫煙を認める。喫煙専用室も設置できる。そのエリアや喫煙店への、20歳未満の客や従業員の立ち入りを禁止する。また、一定の歯止めをかけるため、新規店や大手チェーンなど大手資本の店は喫煙を認めない方向で検討している。面積による線引きは臨時措置とするが、見直しの時期は設けていない。

 法改正をめぐっては、飲食店の規制が焦点になっていた。厚労省が3月、今年の通常国会での法改正を目指し、床面積約30平方メートル以下のバーやスナック以外は原則屋内禁煙とする案を公表。自民党は、「喫煙」や「分煙」などの表示をすれば、床面積150平方メートル以下の店舗で喫煙を認める案をまとめた。通常国会では厚労省自民党の折り合いがつかず、法案を提出できなかった。

 今後、厚労省は与党との調整を進めるが、自民党内にも全面禁煙にすべきだとする規制推進派と、規制は不要とする反対派がおり、調整の難航が予想される。

 受動喫煙対策では、東京都は30平方メートル以下のバーやスナックなどを除き、飲食店は原則禁煙とする条例案を検討。来年2月の都議会への提出を目指している。

 海外では、14年時点で49カ国が飲食店を含む公共の場を屋内禁煙とし、04年以降の五輪開催都市では罰則付きの受動喫煙対策がとられてきた。世界保健機関(WHO)の受動喫煙対策の4段階評価では現在、日本は最低ランクに分類される。今回の案が実現すればランクは一つ上がり3番目になる。厚労省が検討する案は、海外の主要国と比べても規制が緩い。