「一服ごとに毒」 カナダ、たばこ1本ごとに健康被害の警告を印刷へ

2023年6月1日 6時53分 朝日 https://digital.asahi.com/articles/ASR6124FNR61UHBI002.html



 カナダ保健省は31日、国内で販売される紙巻きたばこについて、一本ごとに健康被害の警告の印刷を義務づける規制を発表した。世界でも初めての取り組みという。「たばこはがんを起こす」「一服ごとに毒」などのメッセージが入る予定で、喫煙者が警告を避けられないようにする狙いがある。

 新しい規制は、来年販売される紙巻きたばこから適用が始まる。カナダでは既に、写真を用いた健康被害の警告をたばこ製品に表示することが義務づけられているが、この警告の面積を大きくし、警告内容も強める

 新しい規制の発表にあたって、ベネット・メンタルヘルス・依存症担当相は「たばこ使用は現在も、年間4万8千人のカナダ人の死亡につながっている」と指摘。「さらに多くのカナダ人が喫煙をやめ、若者がたばこのない、健康な生活を送れるよう、必要な手段を取る」とコメントを発表した。(ニューヨーク=中井大助

 

たばこ一本一本に警告表示 カナダ政府「世界初」

配信 共同 https://news.yahoo.co.jp/articles/8116bfd62793ee2ef4b936638069b7329d1b3aed

  カナダ政府は世界禁煙デーの5月31日、禁煙支援や受動喫煙防止のため「世界で初めてたばこ一本一本に健康被害を警告する表示を義務付ける」と発表した。種類ごとに段階的に実施する予定で、2025年4月までに店頭に並ぶ見通しだ。

  ベネット・メンタルヘルス・依存症担当相は「たばこはカナダで年間4万8千人の命を奪っている」と指摘し「この大胆な措置で健康被害の警告が事実上避けられないものになる」と意義を強調した。35年までに喫煙率5%未満を目指す政策の一環としている

 カナダ政府によると、同国は2000年に世界で最初にたばこの製品パッケージに健康被害を警告する画像表示の導入を決定した。その後もパッケージの警告表示部分を増やしたり、販売・宣伝を制限したりして、規制を強化していた。

写真・図版
「たばこはがんを起こす」「一服ごとに毒」など、健康被害警告が印刷された紙巻きたばこのイメージ=カナダ保健省提供

カナダで義務付けられる、たばこの健康被害警告のイメージ画像(Health Canada/The Canadian Press提供・AP=共同)カナダで義務付けられる、たばこの健康被害警告のイメージ画像(Health Canada/The Canadian Press提供・AP=共同)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カナダ政府がたばこ1本単位で健康被害警告の表示を義務化へ

2023年6月15日  毎日 https://mainichi.jp/premier/health/articles/20230612/med/00m/070/001000d

 カナダ政府でメンタルヘルス・依存症担当大臣兼保健副大臣を務めるCarolyn Bennett氏は、世界禁煙デーに当たる531日に、カナダでは間もなく、紙巻きたばこ11本への健康被害警告の表示が義務付けられるようになると発表した。このような警告表示の義務化に踏み切るのは、世界でカナダが初めての国となる。

 Bennett氏は「この思い切った措置により、たばこ製品を使用する誰もが健康被害に関する警告を目にすることになる。こうした警告は、パッケージにともに表示される最新画像とともに、喫煙がもたらす健康被害について、リアルで衝撃的な注意を喚起することになるだろう」と述べる。同氏はさらに「我々は今後も、より多くの人が喫煙をやめ、また若者がたばこを吸わずに健康的な生活を送るのに役立つことは、何でもするつもりだ」と話した。

 カナダでは、喫煙により毎年約48000人が死亡しているとBennett氏は指摘する。今回の「Tobacco Products Appearance, Packaging and Labelling Regulations(たばこ製品の外観、パッケージ、表示に関する規制)」は、成人の禁煙を支援し、また若者や非喫煙者をニコチン中毒から守り、さらにはたばこ製品の魅力を減じるようとする、カナダ政府のたゆまぬ努力の成果の一つだ。また、この規制はCanada’s Tobacco Strategy(カナダのたばこ戦略)と2035年までに喫煙率を5%未満にするという同戦略の目標を支援するものでもある。

今年8月以降、段階的に実施

 規制は、202381日より段階的に施行される。小売業者は244月末までに新しい健康に関するメッセージを付したたばこ製品のパッケージを取り扱うことになる。次いで、247月末までにキングサイズのたばこで健康被害警告の表示が義務化される予定だ。その後、254月末までに、同様の警告が表示されたレギュラーサイズのたばこ、チッピングペーパー付きリトルシガー(葉巻の一種)、およびチューブ(手巻きたばこ用のさや紙)が販売されることになる。

 AP通信は、メッセージには「たばこの煙は子どもに有害」「吸うごとに毒も吸入」などの文言が使われる予定だと報じている。そのほか、健康被害に関わるメッセージの義務化には、たばこ製品のパッケージへのメッセージを強化・更新する、健康被害のメッセージをあらゆるたばこ製品のパッケージに表示する、メッセージを定期的に変える、の3要件を満たすことが求められる。

 カナダ肺協会の会長兼CEOであるTerry Dean氏は「本日発表されたたばこ製品の表示強化のための大胆な措置は、肺の健康に対するたばこ製品の危険性を喫煙者が確実に目にするようにするためのものだ。紙巻きたばこの11本に直接、警告を表示することには、たばこの魅力を減じる効果があり、特に若者に対する効果は高いだろう」と述べる。そして、「カナダは、たばこの使用を減らすために断固とした行動を取り続ける必要がある」と強調している。

HealthDay News 202361日)