「喫煙目的」飲食店、3割超で主食提供 明確な基準なく、指導に苦慮

  朝日 https://digital.asahi.com/articles/ASV2S23C6V2SUTFL007M.html

 屋内を原則禁煙とした改正健康増進法で、例外的に喫煙が認められる「喫煙目的施設」にあたる飲食店の3割超が、原則は認められていない主食を提供していることがわかった。都道府県などが調査し、厚生労働省が公表した。喫煙目的施設はバーやスナックが想定されていたが、居酒屋や食堂なども一定数ある実態が明らかになった。

 改正健康増進法は20年4月に全面施行され、屋内は原則禁煙となった。施行時点ですでにある客席面積が100平方メートル以下の小規模な飲食店は、経過措置として屋内喫煙が認められている。喫煙をサービスの目的にする喫煙目的施設という例外も設けられている。

 喫煙目的施設はたばこ販売店や公衆喫煙所に加え、バーやスナックなどの飲食店も含むが、たばこを対面販売していることや、米飯やパン類など通常主食と認められる食事は提供しないことなどが要件になっている。

 都道府県などは昨年5~6月、喫煙目的施設の可能性がある1134の飲食店を対象に調べ、299店が「喫煙目的施設」と回答した。「バー、キャバレー、ナイトクラブ、スナック」が55%、「居酒屋」が25%、食堂やレストランなどの「その他の飲食店」が12%だった。

 この299店のうち、106店(35%)が主食を提供していると回答。主食の提供は、ランチ営業で電子レンジでの簡易な調理といった特定の条件のもとで認められてはいるが、106店の8割超にあたる90店は常時またはランチ以外の時間帯でも提供し、78店は厨房(ちゅうぼう)で調理していた。

 喫煙目的施設の要件には明確な基準がなく、届け出も必要ない。このため、指導にあたる自治体も対応に苦慮している。また、制度が飲食店側に理解されていない面もあり、喫煙目的施設と答えた299店のうち95店(32%)が、同法を「どちらかというと」または「よく」認知していないと答えた。

 厚労省では昨秋、施行から5年経った同法の見直しに向け、専門委員会で議論を始めている。喫煙目的施設の要件に加え、既存の飲食店の経過措置をどうするかも議題となっている。今後、飲食店やたばこ産業の関係団体へのヒアリングや自治体との意見交換をして議論を進める予定だ。

 改正時は受動喫煙の健康への影響が明確でなかった加熱式たばこの扱いについても、その後の研究データをふまえ、4月以降に議論するとしている。

居酒屋が立ち並ぶ繁華街には、「喫煙目的店」「喫煙OK」などと掲げる店も多い=東京都内