喫煙などの店頭表示で「がん患者守れるのか」 - 塩崎厚労相が自民案に疑義

医療介護CBニュース 2017/5/23(火) 14:00配信 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170523-14000000-cbn-soci 



 塩崎恭久厚生労働相は23日の閣議後の記者会見で、受動喫煙防止対策の自民党案について、店頭に「喫煙」などの表示を出して喫煙を認めた場合、がん患者や喘息患者を「表示義務で本当に守れるのか」と疑義を呈した。

 受動喫煙防止対策をめぐっては、厚労省がまとめた強化策を盛り込んだ法案が、自民党との調整がつかず、国会に提出できない状況が続いている。

 自民党との調整について、塩崎厚労相は「現在、党側と合意を目指して、踏み込んだ調整を行っている」と説明。「理解が進んだ点もあるなと思う一方で、まだ少し隔たりがあるのかなという思いを持っているのも事実」と述べ、自民党内での今後の議論を注視していく考えを示した。

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※厚生労働大臣記者会見で、自由民主党の厚生労働部会での議論などに関する一連の経緯について、塩崎恭久・厚生労働大臣は「弱い立場の方々が働いている際の健康を守る」という観点から以下のコメントをされ、改めて受動喫煙防止対策の推進を訴えられたとのことです。

 

「厚生労働部会で大西議員がご発言をされた件については、国会議員の発言でありますから、私がコメントする立場にはないのかなと思います。

ただ、その前提となった三原先生の発言は、大変大事な問題を指摘されたと思っています。

すなわち、がん患者あるいはぜんそく患者、こういった方々、弱い立場の方々が働いている際の健康の問題をどう考え、そして望まない受動喫煙をどう防止をするのか、これはみんなで考えなければならない大事な問題を指摘をされたと思っています。

我々厚生労働省としても、働くがん患者、あるいはぜんそく患者の皆様方などのように、あるいはおつき合いでお店に行く場合というのがしばしばあり得るわけですので、そういうときに、喫煙店にめぐり当たってしまったというようなときのがん患者の皆様方などの受動喫煙について、以前から申し上げているように、表示義務でほんとうに守れるのかということを私たちはよく考えなければいけないと思います。

健康増進法の改正につきましては、望まない受動喫煙をなくすということと、 今国会に法案を提出するということでは、自民党側と厚生労働省側は意見が全く一致をしていまして、現在、党側と合意を目指して踏み込んだ調整を行っています」

「一方で、今回のやじと言われている発言については、私にも直接その声明文が来てますけれども、がん患者の皆さん方が随分傷つかれた。そういうメールを私も頂戴いたしております。

さっき申し上げたとおり、三原さんが指摘された問題というのは極めて本質的な、この受動喫煙対策で解決しなければいけない大事な問題で、飲食店で働いていらっしゃるがん患者の皆さん方をどう守るのかという提起でございました。

必ずしも働くだけではなくて、職場の送別会とか、いろんな形でみんなで行くというときは、自分の意思ではなく、そういうお店に行ってしまう可能性があるわけですね。そういうことを考えてみると、表示義務を課すということで、がん患者の皆さん方を含めて、人知れず病気と闘っている方々、あるいは妊娠をしているけれども、まだ職場にはお話をしていない、

そういう方々に不自然ではない、言ってみれば、形で望まない受動喫煙から解放するということをどうやったらいいのか、ということはやはり真剣に考えて、そういう可能性がない、そういう対策を私たちは持つべきなんだろうと考えておりまして、これは部会でもご説明申し上げたところでございます」