広島県議会棟に喫煙室 4月、医師会「受動喫煙防げぬ」
2020/2/20 中國新聞 https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=614793&comment_sub_id=0&category_id=112
広島県議会は4月1日、県議会棟に喫煙の専用室を設置する。最大会派の自民議連が応接室としている1室を充て、県議や県職員のほか、一般の来訪者も出入りできるようにする。改正健康増進法が4月に全面施行されるのに沿った措置だが、設置に反対してきた県医師会(広島市東区)は「望まない受動喫煙を防ぎきれない」と反発した。
中本隆志議長が19日に県議会棟であった各派代表者会議で方針を示し、異論はなかった。中本議長は「不特定多数の人が出入りする場所であり、喫煙者にも人権がある。非喫煙者にも引き続き配慮する」とした。
喫煙専用室となる応接室は県議会棟2階の本会議場の東側にあり、広さは17・8平方メートル。室内の煙などを屋外に出す換気扇を2台備える。厚生労働省が定める基準を満たしており、改装する必要はないという。
改正健康増進法は、県庁など行政庁舎を「第1種施設」とし、敷地内を原則禁煙にする。一方、議会棟は排気などの基準を満たせば建物内に専用室を置けるとする。広島を除く中国地方の4県議会は既に県議会棟を全面禁煙としており、屋内で喫煙できる仕組みが残るのは広島だけとなる。
広島県医師会は、県議会が専用室の設置方針を決めた昨年9月以降、撤回を求める要望書を県議全員に送るなどしてきた。津谷隆史副会長(65)は「他人のたばこの煙を吸い込むなどの受動喫煙を防ぎきれず、納得できない。室内の掃除を担う人をはじめ、建物内を行き交う子どもや妊婦への配慮が欠かせない」と指摘する。