2019年12月14日 中日新聞 https://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20191214/CK2019121402000031.html
県議会は十三日の本会議で、「日本禁煙学会」(東京都)とNPO法人「『子どもに無煙環境を』推進協議会」(堺市)からそれぞれ提出された県議会棟の全面禁煙を求める陳情を反対多数で不採択にした。議会棟での全面禁煙は全国的に進むが、実現しなかった。
県議会事務局によると、改正健康増進法が七月に施行され、行政庁舎の敷地内は原則禁煙となった。ただ、庁舎と一体ではない議会棟は行政庁舎には該当せず、たばこの煙が外に漏れないなど「分煙」が徹底されれば、棟内で喫煙所が設置できる。
県議会では、各会派の申し合わせで、議会棟二階に喫煙専用室を設置し、各会派室での喫煙ができないよう合意。だが、今回の陳情では喫煙専用室も認めず、棟内の全面禁煙を求めていた。
本会議に先立つ議会運営委員会では、小林東一郎議員(改革・創造みらい)が「議会の傍聴には子連れの人も訪れる」と継続審査を求めた。だが、丸山大輔議員(自民党県議団)は議会の傍聴者には喫煙者もいるとして、「現在の状況は法律の範囲内だ。範囲を超えて全面禁煙にするのは、喫煙者の権利を侵害する」と反論した。
県議会事務局によると、九月一日現在、全国では約二十の都府県議会が議会棟での全面禁煙を決めている。
中部地方では、滋賀県議会が議会が入る県庁敷地内を全面禁煙とし、岐阜、富山の各県議会は長野県議会と同様、議会棟に喫煙専用室を設けている。愛知県議会の議会棟には喫煙所が設けられているが、各会派室での喫煙は会派に委ねられている。
議会棟の喫煙専用室=県議会で