米若者、コロナ感染者の3割が重症化リスク 主な要因は「喫煙」

2020.07.14  CNN https://www.cnn.co.jp/fringe/35156775.html

(CNN) 米国内の18~25歳の若者のうち、ほぼ3人に1人は新型コロナウイルス感染で重症化するリスクが高いとの研究結果が報告された。リスク因子の中でも、特に喫煙習慣の影響が大きいという。

米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のチームが、国民健康調査に協力した若者8000人余りを対象に、新型ウイルス感染症の重症化について米疾病対策センター(CDC)が示しているリスク因子の有無を調べた。

その結果、対象者の32%が医学上のリスク因子を持つことが分かった。ただし喫煙習慣の因子を除外すると、高リスク組の割合は16%に半減した。

対象者のうち、過去30日以内に喫煙した人は10人に1人、電子たばこを使用した人は14人に1人の割合を占めた。基礎疾患など、ほかのリスク因子を持つ人の割合は中高年層に比べて低かった。

男女別にみると、男性のほうが高リスクと判明した。ぜんそくや免疫不全というリスク因子は女性のほうが多かったが、男性の喫煙率の高さがそれをしのぐ影響を及ぼしている。

この研究では、人種別にみて最もリスクが高いのは白人という結果も出た。一般に特定の年齢層における新型ウイルス感染症のり患率、致死率は人種的少数派のほうが高いとされ、実際に若者の致死率は中南米系と黒人で最も高くなっている。

チームはこの食い違いについて、重症化には医学上のリスク因子以外の要因もかかわっていることがうかがえると指摘した。 

 

最大のリスクは喫煙! 18~25歳の若者の3人に1人は新型コロナウイルスで重症化する可能性あり

配信 Business Insider  https://news.yahoo.co.jp/articles/46615e17ab61ab527962296b1abf88bee8c21169

18~25歳の若者の3人に1人は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染、重症化するリスク因子を少なくとも1つ持っていることが最新の研究で分かった。

研究者たちは、1825歳の若者にとっては喫煙が最も一般的なリスク因子だと考えている。

基礎疾患や遺伝的差異といった別の因子も若者を重症化させる可能性があるという。

"若者は新型コロナウイルスで重症化しにくい"ということは、誰もが知る事実となりつつある。

米疾病予防管理センター(CDC)によると、アメリカでは3月、新型コロナウイルスで入院した患者の約25%1849歳が、約43%65歳以上が占めていた。また、2月から5月にかけて新型コロナウイルスで死亡した人のうち、1844歳は約3%で、65歳以上が約80%だった。

だが、ある因子が年齢に関係なく、重症化を招きかねないことが分かった。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者たちによる最新研究は、1825歳の若者の3人に1人はCOVID-19で重症化する可能性があると考えている。

 喫煙習慣や、心臓病、糖尿病、喘息、肥満、自己免疫疾患、肝機能障害といった持病などのリスク因子が少なくとも1つあれば、患者は重症化しやすいという。

 そして、研究者たちは喫煙が1825歳の若者にとっては圧倒的に最も一般的なリスク因子だと見ている。研究では、約8400人の若者のうち約25%が過去30日以内にタバコ、電子タバコ、葉巻を吸っていた。

 一方、持病があったのは約16%だった。中でも喘息が最も多く、1825歳の若者のうち9%が喘息持ちだと報告されている。過去30日以内にタバコを吸っていたのは約12%、電子タバコを使っていたのは約7%だった。

 「電子タバコの利用者を含め喫煙者をサンプルから除外すれば、医学上脆弱となるリスクは半減する」と研究者らは指摘する。喫煙しない若者の場合、新型コロナウイルスが重症化しやすいのは6人に1人になるという。

 この調査結果が出る数日前には、世界保健機関(WHO)も喫煙と新型コロナウイルスの重症化例のつながりに警鐘を鳴らしていた。

 「喫煙によって年間800万人が死亡している。だが、その習慣を捨てるのにさらなる動機付けが必要だというなら、パンデミックがそのインセンティブを与えている」とWHOのテドロス事務局長は710日の記者会見で述べた。

 「非喫煙者よりも喫煙者の方が、新型コロナウイルスが重症化しやすいことを研究結果が示している」という。

 

男女で異なる喫煙習慣

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究で、喫煙による新型コロナウイルスの重症化リスクが最も高かったのは、若くて比較的低所得の、少なくとも1年のうち一時期は保険に未加入だった白人男性だ。

研究は、白人は他の人種グループに比べて毎日喫煙をしている確率が高いことを示している。ただ、有色人種が直面する新型コロナウイルスの他のリスク因子は、この研究には含まれていない。例えば、黒人やヒスパニック系の人々は新型コロナウイルスにさらされるリスクの高いサービス業に従事している確率が高い。また、この研究では調査対象の多くをヒスパニック系(22%)や黒人(13%)でなく白人(55%)が占めていることから、結果に偏りが生じた可能性もある。 

この研究で、喫煙をしていると回答した若者の約16%は男性で、女性は9%だった。

ただ、同研究では喘息や、ループスまたは関節リウマチといった自己免疫疾患がある割合は女性の方が高かった。その結果、全体としては、若い女性の30%、若い男性の33%が新型コロナウイルスで重症化しやすいという。

 

遺伝的要因も重症化リスクを高める可能性

新型コロナウイルスはまず呼吸器系を攻撃することから、すでに喫煙に関連した肺障害または肺炎を患っている人は新型コロナウイルスに感染することでより深刻な呼吸障害に陥る可能性がある。 

また、喫煙者の気道にはより多くのACE2受容体 ── 新型コロナウイルスが身体に侵入するために使う ── が発現しているといい、ACE2受容体の多い人はCOVID-19が重症化するリスクも高いようだ。

だが、喫煙習慣も基礎疾患もない若い患者にも重症化リスクはある。アメリカでは、1829歳で新型コロナウイルスに感染し入院した人の数は数カ月前に比べて4倍以上に増えている。418日の時点で10万人あたりの入院患者数は9人だったが、74日時点で約38人となっている。

また、若くて健康な患者の中には、胸痛や息切れといった症状が何カ月も続いているという人もいる。これはACE2受容体の多さや免疫反応の強さなど、遺伝的差異の結果である可能性がある。

しかし、多くのリスク因子と異なり、喫煙は止めることができる。

「若者の間の喫煙や電子タバコの使用を減らすための取り組みは、病気が重症化する医学上の脆弱性を低下させるだろう」とカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者らは書いている。その上で、今回の研究結果は「喫煙の防止及び軽減の重要性」を浮き彫りにしているという。

[原文:1 in 3 young adults are vulnerable to severe coronavirus infections, a new study suggests. Smoking could be to blame.