2018/06/12 05:00 北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/198430?rct=n_medical
札幌市は、現在は原則として喫煙室を設け分煙している市役所本庁舎と区役所について、来年1月から建物を含む敷地内を全面禁煙とする方針を固めた。受動喫煙防止策を盛り込んだ健康増進法改正案を先取りし、来年秋のラグビーワールドカップなど市内で開かれる国際スポーツ大会に備える。役所の禁煙が各地に広がるが、敷地も含めた禁煙は人口が多い10市で初めて。市は近く、市の諮問機関である中央安全衛生協議会に提案し、最終決定する。
市はこれまで市立札幌病院と市立学校などで敷地内を禁煙にしており、これを拡大する。市役所本庁舎の7カ所と、東区と南区以外の8区役所(11カ所)の喫煙所を、年末に撤去する。
札幌では、ラグビーワールドカップの後にも、2020年の東京五輪・パラリンピックで札幌ドームがサッカーの会場になる。五輪などは関連施設などを全面禁煙とする「スモークフリー」が一般的。市が目指す今後の冬季五輪・パラリンピックの招致にも役立てるため、早期に庁舎を禁煙化することにした。
現在は分煙の札幌ドームなど市有民営施設については、運営委託先の管理者が判断するが、市は市役所などと同様、早期に建物内禁煙か敷地内禁煙にすることを期待している。
健康増進法改正案は、2020年4月から職場や飲食店、ホテルは屋内を原則禁煙とし、学校や病院、児童福祉施設、行政機関では法の公布から1年半以内の政府が定める日に敷地内を禁煙とする内容で、今国会に提出されている。札幌市は既に学校や病院、児童関連施設の敷地内禁煙を実施している。
市議会からは改革(2人)を除く6会派と無所属議員が、庁舎禁煙の早期実施を求める要望書を市長宛に提出している。