「受動喫煙防止」道が条例案提出 来年度 議員提案は断念

2018/12/01 05:00  北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/253584?fbclid=IwAR3kM8Z1aKHPSbq5mtXcy4FjZGN5NAvN6pZiohwLiC5-gV18cv5l05fQ2K8 

 

 道は30日、受動喫煙防止条例案を来年度中に道議会に提出する方針を固めた。道議会全5会派が議員提案による条例制定を目指していたが、喫煙する道議を中心に異論が浮上し、議論は中断。受動喫煙対策を盛り込んだ改正健康増進法の2020年4月の全面施行を控える中、道医師会やがん患者団体から条例の早期制定を求める声が強まり、道が条例案の策定作業を引き継ぐ。

 東京五輪・パラリンピック開催に向け、今年7月に改正健康増進法が成立し、病院や学校の敷地内禁煙などが定められた。道がまとめる条例案は、法を上回る喫煙場所の制限などは設けないとみられる。

 条例案を巡っては、全道議で構成する「がん対策北海道議会議員の会」が16年12月、5会派による条例検討委員会を設置。17年5月に、医療施設や小中高校などは敷地内禁煙、高齢者福祉施設や官公庁などは施設内禁煙とすることなどを盛り込んだ原案をまとめ、同年9月の定例道議会に議員提案する方針だった。

 ところが自民党会派内で喫煙する議員らから、原案の説明が不十分などとして異論が噴出し、作業が中断。今年7月の道議会で「受動喫煙ゼロの実現を目指す決議」を可決したが、喫煙場所の制限などはなく、原案より後退した内容となった。

 これに対し、がん患者や医師らの道内14団体でつくる、北海道がん対策「六位一体」協議会(会長・長瀬清北海道医師会長)は11月26日、大谷亨道議会議長や高橋はるみ知事に条例の早期制定を強く要望。長瀬会長は両者に対し、「道民の健康を守るために必要な条例」と強調し、「きょう明日にでも作っていただきたい」と求めていた。