2019/07/06 08:26 北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/322566
来年1月完成予定の新しい道議会庁舎(札幌市中央区)に、一般の傍聴者が利用する喫煙所は設置されないことが分かった。最大会派の自民党・道民会議(53人)は会派控室に議員用の喫煙所を設けると決めており、「議員特権」との批判が強まりそうだ。
新庁舎は来年6月ごろに利用を始める予定。地上6階、地下1階。道議会事務局によると、設計段階で会派控室は3、4階にあり、両階以外で喫煙スペースを想定していない。傍聴者は1階の玄関から入り、エレベーターで6階の傍聴席に移動するため、控室のある3、4階には立ち寄れない構造になっている。
自民会派は1日の議員総会で新庁舎への喫煙所設置を決定。第2会派の民主・道民連合(27人)は対応を検討している。他の3会派は全面禁煙を主張する。
自民会派の控室に喫煙所ができた場合、利用するのは議員か、議員の関係者に限られる。喫煙する会派幹部は「他会派の議員が来ても、吸わせない」と話す。
現庁舎には自民、民主両会派の控室に喫煙所があるほか、地下1階に傍聴者用の喫煙所がある。ただ、利用者の大半は道職員で「道庁本庁舎が建物内禁煙であることを考えると、廃止するのが当然だ」(道幹部)との声がある。
改正健康増進法で今月から行政機関は敷地内禁煙となったのに対し、議決機関である道議会庁舎は、規制対象外。新庁舎に「議員専用」喫煙所ができることに、北大公共政策大学院の山崎幹根教授(地方自治論)は「時代の流れに逆行しており、傍聴者と議員で対応が異なることは輪を掛けて問題だ」と指摘する。