2019/10/03 08:44 更新 北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/350935
来年1月完成の道議会新庁舎への喫煙所設置について、自民党・道民会議(53人)が1日にまとめたアンケート結果で、所属議員の6割が賛成したことで、同党を支持する北海道医師会など議会内外に反発が広がっている。医師会の長瀬清会長は2日、「悪い前例になる。恥ずかしいことだ」と喫煙所設置を強くけん制した。自民党は3日にも最終判断する見通しだが、設置を押し通せば世論の批判がいっそう強まりそうだ。
「耳を疑った。すごく残念だ」。道庁で緊急記者会見した長瀬会長は険しい表情で語り、あらためて全面禁煙を求めた。アンケートは役員会でまとめられ、喫煙所設置への賛成は31人、反対18人だった。長瀬会長が委員長を務める医師会の政治団体・北海道医師連盟は自民支持。長瀬会長は「31人は名乗り出るべきだ」とし、次の道議選に向けて所属議員に意向調査をし、賛否を問う考えも示した。
自民会派内には、道議選で医師会の支援を受けている道議も多く、医師会の反発は、会派としての判断に影響する可能性がある。
また、日本禁煙学会道支部の松崎道幸支部長は取材に対し「世論とかけ離れている」と指摘。喫煙所が設置されれば一度取り下げた住民監査請求を再び行う構えで、「道議会の権威をおとしめてはならない」と話した。
喫煙所設置の流れができつつあることに、自民会派内にも不満がくすぶる。中堅道議は「このまま設置を決めれば地元で厳しい批判を受ける」と話した。道議会では希望する会派控室に喫煙所を設ける取り決めがあるが、民主・道民連合は設けない方針。他3会派は敷地内全面禁煙を訴えている。