道議、新庁舎で喫煙 「屋内禁煙」に違反 控室や地下駐車場で

2020/09/19 05:00 北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/461995 

 5月に利用が始まった道議会新庁舎内で、自民党・道民会議と民主・道民連合の一部の道議が法律に反して喫煙していることが分かった。道議ら複数の関係者が、北海道新聞の取材に対し、庁舎内の個室や駐車場で喫煙が行われていると認めた。改正健康増進法は議決機関について、喫煙所を除き屋内全面禁煙と定めており、庁舎に喫煙所はない。条例を定める立場にありながら、道議の法令順守意識の低さが浮き彫りとなった。

 庁舎は地上6階、地下1階建てで、喫煙が確認されたのは地下1階の駐車場と、3、4階の会派控室に設けられた個室など。いずれも出入りが制限され、日常的な利用は道議に限られる。一部道議は自らの喫煙を認め、他の道議も日常的に喫煙していると証言。駐車場の車中で喫煙したという道議は「問題ないと思った」と釈明した。

 道職員ら道議以外の関係者も、ゴミとして出された吸い殻の存在や、会派控室でのたばこの臭いを指摘。個室内での喫煙を確認した関係者は「道議の喫煙は注意しづらいが、やめてほしい」と話している。

 同法は、地方議会庁舎などの議決機関を含め、不特定多数が利用する施設について原則屋内禁煙とし、分煙対策を施した「喫煙専用室」でのみ喫煙を認めている。違反した場合は最大30万円の過料が科される。庁舎を管理する道議会事務局は「喫煙の事実は把握していない」としている。

 庁舎完成前、自民会派は控室に喫煙所を設置する方針だったが、他会派や世論が反発。結論を先延ばししたため、喫煙所は設けられず、今後の見通しも立っていない。

 

道議会新庁舎「たばこ臭い」 開設当初から「違法」横行か

配信 北海道新聞 https://news.yahoo.co.jp/articles/50021594b0096c7fb3ee4ca312ad932f0d9bf2e3

 

 「たばこを吸えないはずなのに臭いがする」―。道議会新庁舎の利用が始まった5月から、こうした指摘が道議や道職員ら関係者から相次いでいた。社会のルールを定める道議が法に反して庁舎内でたばこを吸う現状に対し、道議会内部からも批判が強く、専門家は厳正な対応を求めている。

 

 8月上旬、道議会庁舎地下1階の駐車場。薄暗い車の中で赤い火がつき、紫煙が立ち上った。駐車場出入り口の壁には「地下駐車場も含め喫煙することはできません」と記されたポスターが貼ってある。数分後、喫煙を終えた道議は車を降り、ポスターを素通りして上階へと向かっていった。

 

 庁舎4階の自民党・道民会議の会派控室には、党道連幹部用の個室や応接室があり、外から内部が見えないよう仕切りが設けられている。その中に入った道議や道職員が、同会派の複数の道議が集まって喫煙する姿を確認。ごみ箱には加熱式たばこの吸い殻が無造作に捨てられていた。

 

 若手道議は「自民会派の控室にはいつも臭いが残っている。たばこを嫌う人の気持ちが分からないのか」、道職員は「ぜんそく持ちには本当にきつい」と訴える。民主・道民連合の道議についても、駐車場や会派控室で喫煙する姿が確認されている。

 

 東北大の黒沢一教授(産業医学)は、庁舎内での道議の喫煙について「開いた口がふさがらない。法を犯してまで喫煙したがるのは中毒。治療してほしい」とあきれる。

 道議会庁舎地下1階の駐車場に貼られているポスター。「地下駐車場も含め喫煙することはできません」と明記されている

 

道議会喫煙、自民は連休明け協議 民主は議員聞き取り 他会派、徹底追及求める声

2020/09/20 05:00 北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/462236?fbclid=IwAR35uSRKFNKosuag6InqOfbBAy3U_784N0JGbl6_9Oo4GEHvgUcHIrcZjlM

 喫煙室がなく、改正健康増進法上、現在全面禁煙となっている道議会の新庁舎内で、一部道議が喫煙していたことが19日、表面化し、会派内の複数が喫煙していた最大会派の自民党・道民会議と第2会派の民主・道民連合は、法令順守に向けた対応を迫られることになった。他会派からは、庁舎内喫煙の徹底追及を求める声が上がった。

 自民会派の吉川隆雅幹事長は19日の取材に「事実関係を確認しないとコメントできない」と述べた。一方、中堅道議らから、会派所属の一部議員の喫煙を認める証言が相次いだ。同会派は連休明けの23日にも対応を協議する見通し。

 民主会派は所属議員の喫煙者らに聞き取り調査を実施。「庁舎内喫煙を認めた道議はいなかった」としているが、関係者は「5月の庁舎利用開始直後に屋内で喫煙した議員がいたかもしれない」と話した。笹田浩幹事長は「駐車場も含めて再度、庁舎内は禁煙だというルールを徹底したい」と述べた。

 改正健康増進法は地方議会庁舎などの議決機関の屋内について、喫煙所を除き喫煙を認めていない。道議会新庁舎は利用開始前、自民会派が喫煙所設置を主張し、民主会派は設けない方針を示した。他の3会派は敷地内完全禁煙を主張した。結論は先送りされ現在、喫煙所は設けられていない。

 3会派は庁舎内喫煙に一斉に反発。公明党の志賀谷隆幹事長は「道議会として事実確認し、早めに道民に考え方を示すべきだ」と述べた。北海道結志会の佐藤伸弥幹事長は「事実なら言語道断で許されない。村田憲俊議長は喫煙所を『設置しない』と決めるべきだ」と話した。

 共産党の真下紀子団長は「庁舎内のたばこの臭いに気付き、6月の各派会長会議で禁煙の徹底を申し入れたが、徹底されなかった。とんでもない事態」と述べた。