改正健康増進法で屋内禁煙が定められている道議会新庁舎内で、自民党・道民会議と民主・道民連合の一部道議が喫煙していたことが分かった。
自民は会派内の個室などで喫煙する道議の姿が目撃されているが事実関係を調査しない方針を示している。民主は複数の道議が庁舎内の地下駐車場で喫煙していた調査結果を明らかにしただけだ。
両会派とも自浄作用があるとは言えない。厳正な調査を行い、氏名公表も含めて道民に説明するのが責務だろう。
道の条例案を審議する立場にあるのが道議だ。法令順守意識の低さにはあきれる。法律に反して喫煙するなど言語道断である。
新庁舎は5月から利用が始まった。会派控室や地下駐車場は一般の道民の出入りは制限され、道議の喫煙場所になりかねないとかねて指摘されていた。
道民からは「ありえないルール破り」などの批判が噴出している。両会派とも問題発覚後、ようやく議員に庁舎内の禁煙を徹底するよう呼び掛けた。
道議会は今春、小中高校の敷地内禁煙などを義務化する受動喫煙防止条例案を可決した。条例を定めながら、一部道議が違法喫煙していたのは矛盾ではないか。
国会議員も、議員会館の事務所での違法喫煙が問題となった。特権意識の表れと言うしかない。
改正法は国会や地方議会の議決機関について、屋内禁煙としながらも、分煙対策をした喫煙所は設置できるとした。これでは曖昧であり、今回のような問題を生む温床となる。見直すべきだ。
道議会新庁舎の利用開始前、自民は控室に喫煙所を設置する方針だった。他会派や世論の反発を受け、結論を先送りし、まだ喫煙所を設けていない。
自民では違法喫煙問題を機に、分煙徹底のため喫煙所を早急に設けるべきだとする意見が再び出ている。ご都合主義ではないか。
道民の健康や生命を守る立場にある道議は、率先して新庁舎の完全禁煙化を進めるのが筋だ。
村田憲俊議長の動きも鈍くないか。自民に喫煙所設置の断念を促してもいない。自らの出身会派に気兼ねしているのであれば、議長としての職責を全うしているとは言えまい。
鈴木直道知事は道庁本庁舎の敷地内を完全禁煙にしている。不特定多数の道民が訪れるためだ。道議会も例外ではなかろう。完全禁煙化を求めてほしい。