もんたよしのりさん逝く「ダンシング・オールナイト」大ヒット、ラジオ生出演予定の１８日朝自宅で倒れ緊急搬送も

2023年10月23日 5時15分スポーツ報知　https://hochi.news/articles/20231022-OHT1T51274.html?page=1　

　関西を代表するソウルシンガーで、ヒット曲「ダンシング・オールナイト」で知られるロックバンド「もんた＆ブラザーズ」のボーカル・もんたよしのり（本名・門田頼命＝かどた・よしのり）さんが１８日朝に大動脈解離のため死去していたことが２２日、公式ブログで発表された。７２歳だった。葬儀・告別式は本人の遺志で親族のみで執り行われた。一人娘で元歌手の、こむぎさんはブログで「もんちゃんの娘に生まれたことを誇りに思います」とつづり、天国の父に別れを告げた。

大動脈解離のため死去していたことが発表された「もんた＆ブラザーズ」のボーカル・もんたよしのりさん

　独特のハスキーボイスにシャウト、ソウルフルな歌声。唯一無二の存在感を放ったシンガー・もんたさんが突然、天国に旅立った。

　この日夜、もんたさんの公式ブログが更新され、所属事務所がもんたさんが亡くなり、親族のみでの葬儀を終えたことを報告。関係者によると、１８日朝に自宅で倒れ、緊急搬送。そのまま帰らぬ人となったという。後日お別れの会を開く予定。一人娘のこむぎさんは「自分の心に正直である一方で、誰かの笑顔を願い行動に移してきた父を、心から尊敬しています。その純粋でまっすぐな生き方に学んだ全てが、私の宝ものですし、指針です。大好きなもんちゃんの娘に生まれたことを誇りに思います」と父への感謝をつづった。

　急すぎる別れとなった。もんたさんは最近も精力的に音楽活動をしていた。８月２９日には神戸市内のライブハウスでスペシャルライブを開催。９月２６日にはＮＨＫ「うたコン」に生出演し、パワフルな歌声を聴かせていた。

　亡くなった当日の１８日には、関西のラジオ局で準レギュラーを務める番組に生出演する予定だった。もんたさんの自宅近所に暮らす小学生によると、もんたさんはしばしば、子どもに外で遊びを教えていたといい、つい２週間ほど前にも「『だるまさんがころんだ』などで、一緒に楽しく遊んでくれた」ばかりだった。

　神戸育ちのもんたさんは、中学時代に聴いたビートルズに衝撃を受け音楽の道へ。高校時代からダンスホールに連日通い、Ｒ＆Ｂやソウルを歌唱。もともとは細い声だったが、毎晩歌ううちに声をからし「神戸のジェームス・ブラウン」の異名を取った。

　２０歳で上京し、ソロ歌手としてデビューするもヒットに恵まれず。一度は神戸に戻り実家の寝具・インテリア販売店を継ぐ決心をしたが、夢を追い、７７年に再び上京。歌手の北島三郎（８７）率いる「北島音楽事務所」に所属し「もんた＆ブラザーズ」として再起を懸けた８０年の「ダンシング・オールナイト」が一世を風靡（ふうび）した。８３年には親交のあった西城秀樹さんのために「ギャランドゥ」を楽曲提供。ヒットメーカーとしても名を残した。

　「もんた＆ブラザーズ」は解散を経て、０７年に２３年ぶりに復活。２１年にデビュー５０周年を迎え、さらなる音楽活動に意欲を燃やしていた中での悲報。もう、あの声を聴くことはできない。