2020.02.28 いわぽん https://www.iwate-np.co.jp/article/2020/2/28/73609 記事jpg
岩手県議会の議会運営委員会(郷右近浩委員長)は27日、議会棟の喫煙室の存続を決めた。希望いわて(14人)、自民党(12人)、いわて新政会(8人)が「受動喫煙対策が整っている」などと存続を支持したのに対し、いわて県民クラブ(5人)が「廃止すべき」と主張。改正健康増進法の一部施行に伴い、県は昨年7月から敷地内禁煙を実施しているが、意見の集約は難しいとして協議を打ち切り、現状維持とした。
4会派の委員10人が出席し、喫煙室の扱いを協議した。希望いわての軽石義則氏は「受動喫煙対策が整い議会を訪れる人も利用している」とし、自民党も「現状通り」と同調。いわて新政会は「賛成、反対さまざまな意見がある」として現状維持とした。
これに対し、共産党の斉藤信氏は「分煙では受動喫煙対策にならない。時代の流れを受け止めて廃止すべき」と異を唱え、肺がんを患う社民党の木村幸弘氏も「がん患者の立場からも再考を願いたい」と訴えた。いわて県民クラブの千葉絢子氏は「同僚議員が深刻な病を抱える中で個人の嗜好(しこう)を優先していいのか」と迫った。
2020年02月28日金曜日 河北新報 https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202002/20200228_31023.html
岩手県議会は27日、議会運営委員会で議会棟の喫煙室存続を決めた。受動喫煙対策を強化する改正健康増進法の施行を踏まえて廃止を求める声もあったが、最後は与野党の愛煙家議員が共闘。「分煙は十分できている」との意見が多数を占めた。
議運では各会派が見解を表明。国民民主党系の第1会派「希望いわて」が「受動喫煙の防止対策が取られている」と現状維持を提案し、第2会派の自民党も同調した。無所属系の「いわて県民クラブ」は廃止を主張した。
郷右近浩議運委員長が「意見が一致しないため、議論はいったん終了する」と引き取り、喫煙室の当面存続が決まった。
議論の成り行きを見守っていた肺がんを患う木村幸弘議員(社民)は「かつては愛煙家だった」と断りつつ「再考を願いたい。公共空間の禁煙について県議会は範を示すべきだ」と述べた。
喫煙室存廃を巡っては、県たばこ耕作組合が存続を要望。議運の決定に滝沢正一組合長は「歓迎したい。マナーを守りながら喫煙できれば良いのではないか」と話した。
県議会の喫煙室は、日本たばこ産業が2014年11月に寄付した排煙ダクトを設置。室外への煙の流出は県が定期的に計測しており、健康増進法の基準はクリアしているという。
東北の県議会では、青森、秋田が屋内外とも完全禁煙、山形、福島は屋外に喫煙所がある。宮城は議会棟4階に喫煙室があり、開会中の2月定例会で存廃を協議している。
存続が決まった岩手県議会の喫煙室