米FDA、たばこのニコチン量制限を提案 中毒性ないレベルまで

2025/1/17 日本消費者新聞 https://www.jc-press.com/?p=11340

米食品医薬品局(FDA)は1月15日、紙巻きたばことその他のたばこ製品の依存性を制限するための新しい規則を提案した。ニコチン含有量を中毒性のないレベルにまで減らし、喫煙関連の疾病予防につなげる狙い。FDAは「最終決定されれば、命を救うための大胆な措置を講じる世界初の国となる」としている。今後、パブリックコメントや専門委員会で意見を求める方針。

提案した制限値は「たばこ1グラム当たりニコチン濃度0.7ミリグラム」。現在流通しているたばこ製品の平均濃度よりも大幅に低い値になるという。対象とする製品はたばこ、紙巻きたばこ、手巻きたばこ、ほとんどの葉巻、パイプたばこなど。電子たばこやニコチンポーチ、水パイプたばこ、高級葉巻などは対象外とする。

FDAの推定によると、喫煙に関連した死亡者は毎年約50万人にのぼり、医療費や生産性の低下によって国に年間6000億ドル以上のコストが生じている。ロバート・カリフFDA長官は「今日の提案は若者の喫煙の可能性を低め、今いる喫煙者の多くが禁煙もしくは害のない製品に切り替えることが可能となる未来を描いている。この措置が最終決定されれば、多くの命が救われ、重篤な疾病や障害が劇的に減り、国家負担も節約できる。予防可能な死亡と疾病を大幅に減らすことは米国が取り組むべき立派な目標だ」として、規則案に同意するよう求めた。

パブリックコメントは1月16日~9月15日まで実施する。

 

FDAがタバコのニコチン含有量を非中毒性レベルに引き下げる提案

2025-01-15 23:24 Investing https://jp.investing.com/news/stock-market-news/article-93CH-981562 

米国食品医薬品局(FDA)は、タバコおよび特定のその他のタバコ製品のニコチン含有量を最小限の中毒性レベルまたは非中毒性レベルに引き下げる画期的な規則を提案しました。この取り組みにより、米国はニコチン含有量の大幅な削減を義務付ける最初の国となる可能性があり、生命を救い、喫煙関連疾患の影響を軽減することを目指しています。

FDAは本日この提案を発表しました。これは2018年の最初の意図表明に続くものです。現在、FDAはパブリックコメント期間と同局のタバコ製品科学諮問委員会を通じて、一般市民と専門家からの意見を募集しています。この規則はタバコやその他のタバコ製品を禁止するものではありませんが、ニコチン含有量を現在のレベルから大幅に削減し、タバコ1グラムあたり0.7ミリグラムに制限するものです。

FDAのRobert M. Califf, M.D.長官は、この取り組みが若者の喫煙開始を抑制し、現在の喫煙者の禁煙や、より害の少ない製品への切り替えを支援する可能性を強調しました。FDAのモデルは、長期的な公衆衛生への大きな影響を予測しており、2100年までに4800万人の米国の若者が喫煙を始めるのを防ぎ、規則が発効してから1年以内に1290万人の現在の喫煙者が禁煙に至る可能性があることを示唆しています。

 

提案されているニコチン削減により、2060年までに180万人、今世紀末までに430万人のタバコ関連死を防ぐことができる可能性があります。FDAは、医療費の節約と生産性の向上を含む便益が、実施後最初の40年間で年間1.1兆ドルを超えると予想しています。

提案された規則は、紙巻きタバコ、巻きタバコ、手巻きタバコ、ほとんどの葉巻、およびパイプタバコを対象としています。ただし、電子タバコ、ニコチンポーチ、非燃焼タバコ、水タバコ、無煙タバコ製品、およびプレミアム葉巻は含まれていません。

FDAのCenter for Tobacco ProductsのディレクターであるBrian King, Ph.D., M.P.Hは、この提案がタバコ製品による被害に対処し、米国のタバコ使用の状況を変革するための重要な議論の出発点になると述べました。

 

この提案に対する一般からのコメント期間は2025年1月16日に始まり、2025年9月15日まで続きます。この期間中、FDAは対象製品、提案されたニコチン制限、提案された2年間の遵守期間、および違法取引への潜在的影響など、提案のさまざまな側面についてフィードバックを検討します。

この取り組みは、国をより良い健康結果に導くための政策を作り出すFDAの継続的な努力の一環です。FDAは、リスクの低いタバコ製品への切り替えが喫煙する成人にとって有益である可能性がある一方で、タバコ製品は安全とは見なされず、非使用者は使用を開始しないよう勧告されていることを強調しています。

 

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米、たばこニコチン「9割カット」規制案 禁煙促す狙い

2025年1月25日 4:28 日経 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1802T0Y5A110C2000000/

【ニューヨーク】米食品医薬品局(FDA)はこのほど、紙巻きたばこに含まれるニコチンを大幅に引き下げる規制を提案した。メーカー各社が販売している一般的な製品の場合、含有量の上限を9割以上引き下げる。中毒物質であるニコチンの使用を減らすことで、禁煙が容易になると説明している。現時点で実現するかは不透明だが、企業戦略や社会活動に大きな影響を与える可能性がある。

FDAが公表した新たな規制案は、タバコの葉1グラムあたりのニコチン含有量の上限を0.7ミリグラムと定めた。たばこ1本分に相当する量で、米国では一般的な紙巻きたばこ製品のニコチン含有量は同14~17ミリグラムとされる。

FDAによると、米国では喫煙が原因になった疾患で年間48万人が死亡している。医療コストや生産性の損失などを含め、最新統計のある2018年には6000億ドル(約94兆円)以上の社会的損失が発生した。

ニコチンは中毒性の高さで知られ、一定量以上を摂取すると依存性が高まるとの調査がある。FDAは規制案を説明する資料で、たばこメーカーが詳細な研究をもとに各製品のニコチン量を決め、意図的に依存を引き起こしているとする米裁判所の指摘を引用した。

ニコチン含有量を制限することで「禁煙を考えている消費者が禁煙しやすくなり、米国民全体に利益をもたらす」と規制の狙いを説明した。特にニコチンの影響を受けやすい未成年者の喫煙率引き下げに効果が期待できるという。

米疾病対策センター(CDC)による22年の調査で、米国の喫煙者は約4900万人で人口の20%程度にのぼった。紙巻きたばこを吸う人は約12%、電子たばこは6%だった。

20代の喫煙者に電子たばこの使用が多い一方で、25歳以上の年齢層では従来型の紙巻きたばこが好まれている。FDAはニコチン規制が実現すれば、5年以内に1900万人が紙巻きたばこの使用をやめると予想している。

FDAはすでに専門家への意見聴取を終えており、9月15日までにパブリックコメント(意見公募)を募集する。

FDAは第1期トランプ政権下の18年にこの規制の検討に着手した。新政権では厚生長官候補のロバート・ケネディ・ジュニア氏が「米国民を再び健康に」をスローガンに掲げており、ニコチン規制も政策の柱の一つに据える可能性が高いが、たばこメーカーの反発が予想される。

ニコチン含有量が少ないたばこは、日本でも「ライトたばこ」として販売されてきた。たとえば日本たばこ産業(JT)の主力ブランド「メビウス」シリーズは、ニコチン含有量が1本あたり1ミリグラム以下だ。

日本の厚生労働省はライトたばこへの切り替えについて、喫煙者が一定量のニコチンを取るために喫煙の本数を増やしたり、頻度を上げたりする「代償性喫煙行動」を招く可能性があるとして注意を促している。FDAが目指すニコチン中毒改善への実際の効果には不透明さもある。

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