受動喫煙対策「不十分」=がん患者ら参考人質疑-衆院厚労委

2018/06/15-12:58 時事 https://www.jiji.com/jc/article?k=2018061500631&g=soc 

 

 衆院厚生労働委員会は15日、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案について、参考人質疑を行った。政府提出法案は、多くの人が利用する施設の屋内を原則禁煙にする一方、既存の小規模飲食店では喫煙を認めるなどの内容だが、がん患者団体の代表や大学教授ら5人からは、「不十分」などとして見直しを求める声が相次いだ。

 全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は、小規模飲食店での喫煙や加熱式たばこの屋内喫煙を可能にした経過措置について「漫然と放置してはならず、できるだけ早期に見直してほしい」と要請。日本肺がん患者連絡会の長谷川一男理事長は、学校敷地内でも屋外喫煙所を設置可能にしたことに関し「がん教育で予防や受動喫煙も学ぶ学校での設置は絶対してはならない」と批判した。
 大手信之名古屋市立大教授は、喫煙可能な小規模店舗の条件の客席面積「100平方メートル以下」について「かなり広い」と指摘。黒沢一東北大教授は、加熱式たばこを「(通常の)たばこと同じに扱うべきだ」との考えを示した。山中朋子全国保健所長会長は「法案は(小規模店の)喫煙を認める点で不十分だが、望まない受動喫煙はなくせる。まずは早急な成立を優先するべきだ」と述べた。

 

“小規模飲食店は喫煙可能”に批判相次ぐ 受動喫煙対策法案

2018年6月15日 12時57分 NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180615/k10011479211000.html

受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正案をめぐり、衆議院厚生労働委員会で参考人質疑が行われ、専門家からは、既存の経営規模の小さい飲食店は喫煙を可能にできる経過措置に対し、批判が相次ぎました。

健康増進法の改正案は、新たに営業を始める飲食店や規模の大きな店では喫煙スペース以外禁煙とする一方、既存の客席面積が100平方メートル以下で経営規模の小さい飲食店は、表示すれば喫煙が可能とされています。

15日に衆議院厚生労働委員会で行われた参考人質疑では、5人の専門家が意見を述べ、このうち自民党が推薦した全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は「例外的な規定は漫然と放置せず、早期に見直すべきだ。法案を成立させるだけでなく、さらなる対策を推進してほしい」と述べました。

また、公明党が推薦した全国保健所長会の山中朋子会長は「経過措置は不十分と言わざるをえないが、まずは法案を成立させることを優先すべきだ」と述べました。

一方で、立憲民主党が推薦した日本肺がん患者連絡会の長谷川一男理事長は「飲食店を禁煙にするとうたいながら、例外となる店が55%にも上る」と批判したほか、国民民主党が推薦した名古屋市立大学病院の大手信之副病院長も、「100平方メートルはかなり広い」と指摘しました。

さらに、共産党が推薦した東北大学の黒澤一教授は「完全禁煙にした店を助成すべきだ」と指摘しました。