都以外にも独自条例の動き=国より厳しい受動喫煙対策―政令市など・時事通信調査

2018/7/29(日) 7:04配信 時事 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180729-00000006-jij-pol 

 

 東京都の受動喫煙防止条例の制定や、先の通常国会での改正健康増進法成立を受け、時事通信社は今月、全国の20政令市と都内の区市を対象に、受動喫煙対策に関する首長アンケートを実施した。

 それによると、千葉市が独自条例制定の方針を示した他、浜松、大阪、堺の各市が、府県レベルの条例検討に前向きに対応すると回答。一方、屋内の規制強化に伴う屋外の公衆喫煙所整備に関しては、都内の首長の4割が慎重姿勢を示した。

 都は2020年東京五輪パラリンピックの開催都市として「たばこのない五輪」を目指し、国より厳しい飲食店内の禁煙基準を盛り込んだ受動喫煙防止条例を6月に制定した。今回の調査のうち政令市では、千葉市が「独自条例を制定する方針だ」と回答。大阪・堺の2市は条例を検討している大阪府と協議中とし、浜松市も、静岡県が条例化を視野に検討していることから「それに基づき対応する」と答えた。

 国の基準に対しては、神戸市が「屋内全面禁煙など、都条例より厳しい基準を導入すべきだ」、千葉、川崎両市は「都と同様、従業員の有無で判断する基準を導入すべきだ」とし、さらなる規制強化を求めた。

 受動喫煙対策に詳しい産業医科大学の大和浩教授は「五輪開催を理由に、東京都が国を上回る基準を盛り込んだ条例を制定するのは何らおかしいことではない。多くの自治体が取り組めば、国を動かす可能性もある」と指摘する。

 ◇路上喫煙増に懸念も
 一方、都内23区25市(市長選があった狛江市を除く)のうち41区市(85%)は、路上喫煙防止条例か対策があると回答。屋内の禁煙強化を受けた屋外喫煙所整備については「積極派」が7区市にとどまる一方、20区市(42%)は「路上喫煙が増加しないか慎重に見極めたい」との姿勢を示した。首長からは「屋外に喫煙者が流れ出る」(渋谷区)との懸念や、「(国や都は)実効性を担保する仕組みづくりを早急に進めてほしい」(八王子市)などの意見があった。