屋外喫煙で温度差=官公庁、閉鎖と存続と

2019年07月01日07時14分 時事 https://www.jiji.com/jc/article?k=2019063000251&g=pol&m

 

 改正健康増進法の一部施行で行政機関の敷地内も1日から原則禁煙となり、建物内の喫煙所は全て廃止され、使えなくなる。ただ改正法は、受動喫煙に配慮すれば屋外喫煙所の設置を認めているため、敷地内の「完全」禁煙に至らない役所も多く、対応に温度差がある。
 東京都は6月28日夕、屋内外の喫煙所を全て閉鎖。一般から問い合わせがあれば新宿駅周辺の公共喫煙所を紹介する。大阪府は既に敷地内の屋内外の喫煙所を廃止しており、勤務時間中の喫煙は懲戒処分対象になると職員に周知している。
 旗振り役の厚生労働省は、昼休み休憩などを除く勤務中の喫煙を認めない禁煙デーを7月から月1日設定し、来年4月からは毎日に拡大。ただ、屋外に1カ所ある喫煙所は「すぐなくすと喫煙者が近隣に行くだけ」(担当者)との理由で、2022年まで置く方針だ。
 財務省は屋外喫煙所を存続。総務省も屋内喫煙所の全廃に伴い屋外に新設する。国土交通、文部科学両省は「敷地が狭い」などの理由で屋外喫煙所は設けず、喫煙所のある役所には「うちに吸いに来るのではないか」と警戒する向きも。
 屋外喫煙所を残す役所でも、戸惑いの声が聞かれる。山口県庁では喫煙所が遠くなり、部署によっては職員が軽く一服するだけでも10~15分かかるように。愛煙家の職員は「これまでは1~2分で職場に戻れたので社会通念上許されてきたと思うが、もう諦めるしかないかな」と嘆く。