2022/8/25 11:51 日刊薬業 https://nk.jiho.jp/article/173857
福井大と福井県の共同研究チームは25日までに、新型コロナウイルス感染者への投薬判断について、1日に吸うたばこの本数と喫煙年数を掛けた「BI(ブリンクマン指数)」が400以上であることが一つの指標になるとの研究結果を発表した。たばこを1日20本、20年間吸った場合に該当する。累積喫煙量を把握することで、感染者の早期治療につながる可能性がある。
喫煙は、コロナを重症化させる要因の一つとされているが、国内ではこれまでに研究報告がなかった。研究チームは喫煙量が多い人ほど重症化リスクが高まるのではないかと推測した。
調査は、昨年7月20日~11月9日のデルタ株流行期に、県内で感染が確認された20~70代の喫煙者341人を対象に実施。レムデシビルなどのコロナ治療薬の投与の有無とBIなどとの関係を分析したところ、BI400以上の感染者は重症化しやすく、投薬の必要性が高まることが分かった。
福井大医学部の大西秀典助教は「医療現場が逼迫(ひっぱく)した中でも、患者からの累積喫煙量の聞き取りで、早期治療などに役立つのではないか」と指摘。今後は、オミクロン株との関連性も検討していく意向を示した。【時事】