2020年10月18日 河北新報 https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202010/20201019_13023.html
一服していた50代公務員男性は「庁舎内と敷地内は全面禁煙。飲食店でも吸えない」と嘆く。「臭いや煙に配慮し、電子たばこを吸っている」と理解を求めた。
喫煙者が多いエリアは歩道に近い。臭いを嫌い、わざわざ車道を渡って反対側を通行する人もいる。公園近くに住む女性は「煙を吸うと吐き気や目まい、頭痛が出る。どこに相談すればいいのかずっと悩んでいる」と困り果てた様子だ。
青葉区役所の公園課によると、灰皿の設置は喫煙スペースというより、ポイ捨て防止の意味合いが強いという。同課は喫煙を控えるよう求める掲示物を今月6日、約10カ所に増やした。
灰皿があるのに、たばこを吸うな、というちぐはぐな対応に映る。同課の担当者は「啓発だけでは改善しない。市民に楽しく公園を使ってもらうため、市健康政策課と対策を検討したい」と話す。
日本禁煙学会によると、屋外で無風状態で1人が喫煙した場合、煙の到達距離は半径7メートルに達する。県や仙台市の受動喫煙防止ガイドラインでは「公園は子どもの利用が想定される公共機関。受動喫煙防止の配慮が必要」としている。
NPO法人禁煙みやぎ理事長の山本蒔子医師は「灰皿があれば、喫煙者は吸っていいと理解してしまう。まずは撤去すべきだ。公園で吸ってはいけないと、はっきり示す必要がある」と話す。
2016年度の国民生活基礎調査によると、県の喫煙率は21.1%で全国9位の高さ。男女別では男性33.4%(10位)、女性9.9%(11位)。県は22年度末までに12%(男性20%、女性6%)に下げる目標を掲げている。