「喫煙所設けて」「全面禁煙すべき」意見が真っ二つ 仙台・勾当台公園再整備

配信 河北新報 https://news.yahoo.co.jp/articles/dc8357454f441c761031fa9c658a9e424b0bd162

 仙台市が2030年度完了を目指す勾当台公園(青葉区)の再整備基本計画で、喫煙の可否に注目が集まっている。計画の中間案への意見公募では「喫煙所を設けて」「全面禁煙にするべきだ」と要望が割れた。現在は喫煙スポットとして黙認されているが、受動喫煙を懸念する声も根強い。市は計画にどう反映させるか頭を悩ませている。

【地図】勾当台公園の見取り図

[勾当台公園の再整備基本計画] 勾当台通東側の大きな花壇は撤去して芝生広場「まちのリビング」にする。老朽化が進む野外ステージは面積を広げ「森のステージ」として一新。民間事業者による飲食店も設ける。西側の市民広場側は売店やトイレを配置する。仙台市は5月中に基本計画を策定する。2024年度までに設計を終え、25年度に着工する予定。全面改修は1989年度以来となる。今回の意見公募にはトイレ、ベンチなどの施設に関する要望も寄せられた。

 今年2、3月に実施した意見公募は64件が集まり、半数超の35件が喫煙関連だった。このうち公園内の喫煙容認が22件、全面禁煙の要望が13件と分かれた。

  容認派からは「喫煙者を除外するだけでは根本的な解決につながらない」として、吸い殻のポイ捨てを防ぐために喫煙所を設けるべきだとの指摘があった。

 一方、全面禁煙派は「喫煙所を設置しても、その周辺では受動喫煙が生じる。改正健康増進法では屋外の公園でも受動喫煙に配慮すべきだとされている」などと主張。再整備を機に禁煙に踏み切るよう求めた。

 20年4月の改正法全面施行で屋内が原則禁煙になって以降、勾当台公園内の数カ所に、周辺で働く愛煙家が一服するために集まる。たばこを吸わない人や子ども連れからは、煙やにおいに対する苦情が市に寄せられる。

 管理する市は22年11、12月、公園で受動喫煙防止のキャンペーンを展開した。チラシを配ったり、のぼりを掲げたりしたものの、喫煙者の分散や減少といった効果は見られなかった。市も対応に苦慮しているのが実情だ。

 公園管理課の担当者は「(喫煙可と禁煙の)どちらの意見も現状のままでは問題があるという意味では共通していると受け止める。受動喫煙防止に向けた対策を検討し、再整備に反映させたい」と話す。喫煙所を設置するか全面禁煙にするかの判断については、基本計画策定後の設計段階で協議するという。

勾当台公園の一角には、受動喫煙防止を呼びかける看板が至る所に置かれている